狸穴ジャーナル別冊『音楽便利帳』

Cello&Cooは低価格な高級モデル ?《 購入レポート 》Cello&Cooトランペットその2

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あまり期待もしていなかった、庶民派"ブス?"のはずだったCello&Cooですが、"寝食を共に過ごす"?ようになると?飛びっきりの別嬪(ベッピン)さんに思えてきた!

舐め回すようによくよく見ると、あきれるほどしっかりと"作り込まれて"いるから驚く。

coo03.jpg写真はJマイケルTR450と並べて比較したところ。
本機が向こう側にあるので、多少短く見えるが、全長はほぼ同じ。
ピストンまでが短く、狙い通り幼児でも無理なく構えられる長さだ。

hikaku01.jpghikaku02.jpghikaku03.jpg 

最近は部品の共通化のため、1枚取りベルの高級品でも、 2番スライドはB♭管と同様に斜め出しの製品が多くなったが、本機はごらんのようにBACHと同じ直角取りだしのトラディッショナルデザインを踏襲している。

coo04.jpg写真は、分解したところ。

coo05.jpgそして"Cello&Cooの親方?"ご自慢のバルブ周り。

coo06.jpgトラディッショナルデザインC管の特徴的な2番ピストンをYAMAHAコルネットとJマイケルTpと並べて比較した写真がこれ。

親方曰く「材質は未確認なので好評はしていませんが、委託先はモネル金属を使用していると言っています...」

写真では判りにくいが、各部の色合いはYAMAHAとそっくりなので、バルブ本体はステンレスと黄銅の組み合わせ、スプリングは銅メッキで間違いなさそう。

さらに、フィンガーポストの取り付けネジ部がまるで、水道栓のパッキン台座のように異様に分厚いのが判る。

coo07.jpgつば抜き&つば抜きポストは普及品?とは思えないセパレートタイプの丁寧な作り!

Jマイケルなどの普通の"安物"はコストダウンのため、一体型のプレス部品を使って精度を保ちながら部品点数と組みたて工数の削減をはかっているが、Cello&CooはYAMAHAの高級スチューデントモデル(2枚取りベル)同様にセパレート部品を使った手間のかかる方法をとっている。さらにつば抜き固定ネジは六角形の凝った作りになってる!

さらにさらに(1枚取りベルの)高級品と同様、一番と3番スライド管には樹脂製のストッパリングが入り、衝撃と音を和らげている。

細部のデザインは"無骨"なまでに素っ気なく直線を多様したデザインで、特にレシーバーはまるで空圧機器のジョイントを思わせる6角形で工作されている。

coo08.jpg3番スライドストッパーネジには緩み止めのゴムパッキンが入っており「"気がつかないうちになくなった」などと言うことは起こらないであろう。

ここまで凝るなら、いっそのことストッパはスクリューロッド式に、指かけは位置調節式にした方が見栄えが良かったのでは...と惜しまれる箇所でもある。

2枚取りベルの普及品スチューデントモデルの中では、間違いなく市場(史上)屈指!の仕上がりを持つ"安物トランペット?"といえよう!

今後同工房には"安物"路線に拘らず、1枚取りベルの"プレステージモデル"を開発して欲しいと願っている。
もちろん納期受注後4ヶ月以上の"受注生産品"でかまわない。
「きっといつかは俺もあのトランペットを手に入れるんだ!それまではこのモデルを大事に使い込んでやる!」
とCello&Cooを所有するユーザーに憧れのまなざしで見つめられるような"すばらしい楽器"を売り出して欲しい。

BACHの"安物?"が持てはやされる理由はそこにある。あの憧れのプレステージBACHと同じ"ブランド"が出しているチューデントモデルだから売れるのである!

続く

公開:2011年3月25日
更新:2018年10月17日

投稿者:狸穴猫


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