ベルリオーズが神にささげる宗教曲!《重低音コンテンツNavi》
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2003年が生誕200年に当たった、ベルリオーズの作品でも特に大編成が要求されて、めったに演奏されることのない大曲。
1837年の作品とされており、4組のバンダ(金管別動隊)が必要な超巨大な作品で、その後の「ベルディーのレクイエム」(1874年)に多くのインスパイア?を与えた曲ではないでしょうか?。
日本では、大編成すぎるのと、「ベルディーのレクイエム」ほどメロディアス?ではないのでめったに演奏されることのない曲の一つとなっており、最近のマーラ人気?もあり「マーラーの復活や、一千人の交響曲」のほうが取り上げられる機会が多いほどです。
ベルリオーズの宗教曲 レクイエム 小澤征爾 ライヴ盤
小澤 征爾指揮 ボストン交響楽団 1993年RCA新譜。
合唱指揮 : ジョン・オリヴァー
合唱 : タングルウッド音楽祭合唱団
テノール : ヴィンソン・コール
1993年10月21-23日、ボストン、シンフォニー・ホール
イヤーほんとに素晴らしい!
最初はこの曲スペシャリスト、サー・コリン・デービス盤と「サ~?」どちらが面白いかな?とディエス・イレーをちょい聞きしてみて、思わず聞き入って最後まで聞いてしまいました。
1986年すでにRCAレーベルはドイツのベルテルスマン(アリオラレーベル)傘下になっておりさらに1987年以降はBMGレーベルとなっていて、その後BMGはsonyグループとなっているので、旧CBSとは縁者?になりますが、
1993年当時は完全に独立したレコード会社で、RCAレーベルを使ってクラシックコンテンツを録音してました。
1986年以来日本ではLPレコードからCDが主役の座を奪っていたころ(※1)に当たる1993年のディジタル録音なので、CD初期のデジタル録音ですが、さすがにこのころになると録音エンジニアも手慣れたもので、アナログ録音時代からのノウハウとデジタル録音機材を熟知したベテランぞろいとなり、マスタリングも伝統の「正統的ハイファイ」マスタリングで一部の「アメリカンレーベル」のように"誇張されていない"「自然な音場と違和感のないイコライジング」「誇張されたところがないナチュラル感のあるマスタリング」に仕上がっています。
さすがに曲が曲なので「多少際物」でもあり、生誕200周年だった2003年以降の21世紀に入ってからの最新録音は少なく、かつてのスペシャリスト・コリンデービス盤も再発されてはいますが、小沢盤が「現状手にいる」最高の演奏、最高の録音といってよいっでしょう!
参※2)当サイト関連記事 ハイファイ録音小史はこちら。
コリン・デービス指揮 ロンドン交響楽団 による最初の盤
販売会社/発売会社 ユニバーサルミュージック(ユニバーサルミュージック)
JAN 4988011142307
組数 2枚組
規格品番 PHCP9169 1994/03/05 再発
コリン・デービス式 ロンドン交響楽団
1.レクイエム作品5
2.テ・デウム 作品22
1969年 ウェストミンスター大聖堂でのアナログ録音
1969年の録音なので1966年 米国ドルビー研究所が開発したドルビーAタイプノイズ・リダクション(NR)システムもあったはずですが、全体にS/Nはあまりよくありません。
アナログテープ録音・LPレコード末期?のこの頃のPhilips盤は「ドンシャリマスタリング」の傾向が強いものが多いようで。
しかも4トラック4chのスチューダーが用いられているはずですが、分解能も今一。
オリジナル盤発売日: 1982/1/1
1982年 セント・オルバンカテドラル
演奏会ライブ デジタル録音。
残念ながら、CDとしては入手困難になっていますが、さすが1979年11月のデジタル事始め依頼、経験を重ねて機材にも慣れてきたのか、はたまた1980年にDECCAを買収した効果が表れたのか、グラモフォンレーベルの会心作で素晴らしい録音となっています!
重低音(オルガンのペダル音)もタップ、しかもライブならではの自然な音場で、極端なオンマイク収録も影を潜めている様子。
アナログマスタリングのいわゆるDAD(※3)プロセスのCDだが最近のフルデジタルプロセスのハイレゾ音源にも迫る、低歪率でCDのDrenji 56dBをフルに使った優れた録音といえます。
演奏も「日本で考えるアマチュアのユースオーケストラ」ではなく、「プロの演奏家を目指す人たちが」短期間の集中スクーリング・教育アカデミーでアバドが心血を注いで鍛え上げいわば「プロ予備軍」なので、手抜きのない、緊張感のある素晴らしい演奏です。
実際、PMF(※4)オケ同様に世界の1流オケの団員となった人が数多く加わっています。
参※1)グラモフォンレーベルが考え出して表記したCD制作分類表記
以下はアナログ・デジタル機材混在時期に制作されたCDに関してフォノグラム(グラモフォンレーベルが考え出して表記した分類表記で現在はほとんど表記されなくなりました(フルデジタルプロセスで必要がなくなった?)
「DDD」と表示されたCDとは、
デジタル・レコーダーの実用化以降に、デジタル方式でマルチ録音されたソースを元に、デジタル・レコーダーでミキシング、あるいは2chデジタルレコーダーで直接録音するというフルデジタル工程で製作されたものを、デジタル・マスタリングしたという意味である。
「ADD」と表示されたCDとは、デジタル・レコーダーが実用化される以前に、あるいは実用化後であっても、製作者の意図で敢えてアナログ方式でマルチ録音されたソースを元に、デジタル・レコーダーでミキシング、あるいは2chデジタルレコーダーで直接録音したものを、デジタル・マスタリングしたという意味である。
「AAD」と表示されたCDとは、デジタル・レコーダーが実用化される以前に、あるいは実用化後であっても、製作者の意図で敢えてアナログ方式でマルチ録音されたソースを元に、アナログ・レコーダーでミキシング、あるいは2chアナログレコーダーで直接録音するというフルアナログ工程で製作したものを、デジタル・マスタリングしたという意味である。
「DAD」と表示されたCDとは、デジタル・レコーダーの実用化以降にデジタル方式でマルチ録音されたソースを元に、アナログ・レコーダーでミキシングしたものを、デジタル・マスタリングしたという意味になる。
これは、初期のデジタル録音がアナログ・テープのような編集が難しかったことや、デジタル信号を直接処理できるミキシングコンソールが普及する以前には...敢えてドルビーSRなどの高性能なノイズリダクションと組み合わせる形でアナログ・レコーダーを使用してミキシングや編集を行う事例があったことによる。《Wikipediaより引用》
参※4)当サイト関連記事 PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)のコラムはこちら。
公開:2020年2月24日
更新:2022年9月30日
投稿者:デジタヌ
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