狸穴ジャーナル別冊『音楽便利帳』

楽器比較編《 購入レポート 》JマイケルTR450-2 

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今回は、娘ミチャポンの為にと以前購入したYAMAHAのコルネットYCR4330Gとの比較でJマイケル トランペット TR450をレポートする。

ちなみにYCR4330Gはメーカー希望小売価格税込み¥115,500-購入価格税込み¥80,800- 対してTR450はメーカー希望小売価格税込み¥47,250- 購入価格税込み¥26,800-

Jマイケル トランペット TR450であるが、ごらんの通り、3倍以上も価格差のあるYAMAHAの中級スチューデントモデルと比べても遜色のない仕上がり!

j_michel03.jpg

多少、表面仕上げに荒い所もあるが、価格を考えれば十二分の仕上がり具合というべきであろう。

各部の工作精度も上々、前回取り上げなかったが、TR450は看板に偽りなし、ピストンは言うに及ばず、トリガーにもスライドオイル、チューニングパイプにはグリス、がちゃんと塗布されており、即 音だしOKの状態で送られてきた。(この点YAMAHAは少々不親切で、スライドグリス、ピストンオイルは付属品として装備されていたが、本体はカラカラの状態で、知らずに吹いていて、モネルピストンの表面に傷を付けてしまったトホホ...。)

各部の比較

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YAMAHAはベル&吹き込み管はゴールドブラス、TR450はレッドブラスなので、微妙に色合いが異なる。

各部の材質を比べると、TR450は各スライドパイプのアウター側はさびに強い洋白製となっている、もちろんチューニングパイプのアウター側も同様。YAMAHAは全てイエローブラスである。

また、第1.3のスライドパイプは共にリバースタイプとなっている。

部品の組み付け精度はどっこいどっこい、両機種ともチューニングパイプのピストン側は多少ゆるめとなっているがグリースをしっかり塗っておけば(リバースタイプなので)問題はない。
TR450のあら探しをするとすればチューニングパイプの並行度が多少悪いようで、動きが微妙に渋く感ぜられる程度。

ピストンについても各部品の仕上げはどっこいどっこい。

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j_michel_p.jpg細かく見ていっても、ステンレスで作ったピストンの通気管(内部孔)の出来も上々、価格が3倍以上も違うYAMAHAと比べてもすばらしい仕上がりでTR450が別段見劣りする点はない。

さらにTR450はステンレスピストンなのでオイルさえ欠かさなければ錆びて動きが渋くなる"心配もない!

さらに組み付け精度も立派で、当然の事ながらピストンとシリンダーの位置ずれ(穴ずれ)も微少。

細かいところでは、スプリングがYAMAHAでは黄銅、TR450が洋白製となっていてこの辺は設計思想の違いだろう。

設計思想といえば、とかくやり玉にされている"音程"の問題、つまりは"ピッチ"と"イントネーション"であるが、室温24℃で、チューニングパイプをいっぱいまで押し込んだ状態で、付属のJマイケル純正マウスピース(実は V.Bach バック 7Cのフルコピー)使用で小生が測定したところ(尚小生はアンブシュアー(&唇)と音色の好みの都合から、普段はアダプター(Cor→Tp)を介してデニスウィックの5番を使用している。)A=445Hzプラス と出た これなら夏場 30℃以上の真夏日でもA=440Hzにチューニング可能だと思われる。もっとも最近はブラバンでもオケでもA=442Hzぐらいがフツーになってきているので全く問題ないと思われる。

またイントネーションについては、なるべく音色。音量を変えずに半音づつ下がる方法で、測定。

第2バルブ、第1バルブ共にOK、第3スライドは第1&2押し下げ つまり全音下状態にチューニングされている事を発見、このことは、miやraの換え指として第3バルブを使用するには最適だが、13、23、123押しつまりDo♯やReやRe♯時に音程がやや高めになることを示している。但しこのことを知って常時5mmほど抜いておけばOK(A=440Hz時/室温24℃))。

YAMAHA製YCR4330等のスチューデントモデルでは、第3スライドはやや長めの設計となっており、第3バルブ単独での使用ではやや低くなる傾向にあるが、通常の運指方では問題が少ない設計となっている。
つまり1番+2番=3番ではなく、1番+2番<3番になっている。

このあたりは設計思想のちがいによるものであろう。

ブラバンで第1Tpの長3度下の和音を付ける時など、YAMAHAよりやりやすくなるかも?

また第5倍音(上のmiから下がる音列)や通常使わない第7倍音(上のsol♯から下がる音列)で第2運指法以外でも換え指として2+3,1+3,1+2+3の運指が利用できるようになる。
リップトリルが苦手な人(小生もそうだが)には応用範囲が広がる。

<次回に続く>

公開:2010年12月19日
更新:2018年10月17日

投稿者:狸穴猫


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