狸穴ジャーナル別冊『音楽便利帳』

呼吸法と姿勢 その2《 ホルンの奏法 と習得術 》息は吐ききれ!   

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ブレスは泳法に学べ

今までの話しでもわかるように、いわゆる呼吸法では「息の支え」ばかりに話題が集中し、声楽家や管楽器奏者に重要な、「ブレス」すなわち「息継ぎ」が語られてないことがおおい。

この部分については「泳法」に学ぶ点が多い。

ひと言で言えば

適切なブレスをするには,まず息を吐ききる事!

息を吸うことばかりに気をつかっていると「過呼吸」になり心拍や血圧が上昇し微妙な息のコントロールが必要な「ふいご(肺)」を駆動するアクチュエーターつまり「脇腹を中心とする筋肉群」のコントロールが出来なくなり、ミストーンをやらかしやすくなる。


小生は長~い休符の後に続くタイで繋がった長~い全音符や長~いフレーズの前には、休符の間に思いっ切りゆっくりと息を吐き、フレーズの始まる一拍前に瞬間的に息を吸う呼吸法をとっている。

こうすると肺活量測定時の公称肺活量?と同じ程度の呼気を有効に利用できる。

チューバ以外では肺活量より「呼気の静圧持続能力」や「瞬発的な圧力変化」をコントロールする方が重要となるので、管楽器奏者にとっては息を吐ききる事による「酸欠寸前の冷静さ?」のほうが重要である。

 

不動の姿勢ではなく「安定した姿勢」

とかく軍事教練風な集団競技が好まれてきた日本の義務教育では、ピンと背筋をのばして多少反っくり返った「気をつけ!」の姿勢が好ましいとされてきた。

だが、これはハッキリ言って声楽家や管楽器奏者には×××!!!

むしろ「休め」の姿勢のほうが筋肉の緊張がほぐれ、次なる瞬発力に結びつきやすい(もちろん極端な与太ってダラけた姿勢では演奏中の「息の支え」が維持できないのでまずいのはいうまでもないが)。

では具体にはどのような「立ち姿」がよいのであろうか?

具体例を上げるとウィントン・マルサリス(よくわかるYoutube動画はこちら)や、極端でもっと判りやすいのはセルゲイ・ナカリャコフの「一見情けない?」姿勢!(よくわかるYoutube映像はこちら

あの、エリック・ミヤシロも太っているいるだけ(ミヤシロさん御免なさい)で、反っくり返ってはいない(よくわかるYoutube動画はこちら)。

詳しくは、合気道の藤平信一先生の著書「心を静める」を読んでいただきたい。

この本はジャズなどに多いスタンドプレイ(立ち姿)のみならず

多くの奏者が感心を持つ「着座姿勢」も豊富な「写真例」で丁寧かつ非常に分かりやすく解説されている。

「ケツの穴を締めろ!」等の観念的な指導に悩んでいる方におすすめ。

姿勢に関する「理解」と「納得」が必ず会得出来るであろう。


心を静める―大事な場面で実力を120%発揮する方法 /藤平 信一

著名な管楽器指導者も使っている「有効呼気」測定器。 

ミニライト ピークフローメーター 標準品・ATS目盛 MY-0010S【02P0...

 

長々と小生の自論と駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

読者諸氏の健闘と上達をお祈り申しあげます。

公開:2017年4月 2日
更新:2019年1月 9日

投稿者:デジタヌ


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