舌づかい実践法《 ホルンの奏法 と習得術 》TANUKINGU 方とは?
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では、いかにして前回触れた、"タンキング"(舌づかい)を実戦的に身につけるか?
そこで小生が思いついた、日本人のためのタンキング法を"タヌキング法"と命名した!?
種を明かせば、簡単、メソッド表記tu,du,kuuをローマ字のTa、Da.Kaに置きかえ発音はもちろん日本語でタ、ダ、カと発音する。
つまり日本語で"ツ"や"ク"は最後"喉を詰まらせてしまう"だからさけなければならない。(曲によっては稀に必要となるばあいもあるが......。)。
1)基本アタック
譜例1
アタックは"タ"と発音する。短くて速いパッセージに使うアタックduも同じくDa"ダと発音する。
ダブルタンキングには"カ"を併用する。
2)音程はいかにしてつくるか。
音程は"舌の上下"で口腔の容積を変え、低い音は大きく、高い音は狭くして、息のスピードを変化させる事で可能となる
具体的には低い音は"オ"高い音は"イ"
と発音し、その間は"ア"と"ェ"でつなぐ。
つまり順にならべると、"オ""ア""ェ""イ"となる。
お復習いの意味で、もう一度Sarah Willis´sさんのYouTube画像
をご覧になればこのことが理解できるはず。
3)実戦的タヌキング法
3-1)アタック
実際は(1)と(2)を組み合わせ。
低音部のアタック
アタックはトの舌づかい、ダブルタンキングの時はコを併用する。※この時下あごを前に出すことも忘れずに!
譜例2
中音部のアタック
はタとカの舌づかい(譜例1参照)。
順高音域のアタック
はテとケの舌づかい
高音域のアタック
はチとキの舌づかい
譜例3
と言う風にそれぞれの舌づかいを用いる。
これらを使い分けるだけで、ジャンプするパッセージ例えばR・シュトラウスのNo.2コンチェルトの3楽章のこんなフレーズが簡単かつ正確にこなせるし、以外とやっかいな、モーツアルトのこの部分も正確にきめられる。
3-2)スラー
スラーに続く音は母音オ、ア、エ、イで続ける。
例えば
譜例4
3-3)スラースタッカート
スラーだが音の輪郭を明確にしたいときは"Ra "ラ""レ""リ""ロ"を使う。
譜例5
3-4)リップトリル
小生も手こずるトリルだが、このリップトリルと言う用語に惑わされず、まずは肉声でトリルの練習をする。つまりトリルも、"舌づかい"であり、肉声でアエアエアエ......と肉声トリルしている時も、確実に舌が上下している。だから肉声で出来ないと、楽器でも不正確になる。
余談
人それぞれによって口腔の大きさが違うので、実際の譜面上でどの音からどの音までがそれぞれのオ、ア、エ、イの発音に相当する音域なのかは、かなりの個人差があり特定できないが、一度自分なりの"舌づかい"ルールを見つけたら、これらの用法がしっかり身につくように毎日反復練習をする。
超高音域の"チ"のアタックとリリースは思いっきり舌を上げ口腔を狭めて"イ"の発音を持続しなければならないので、かなり"息苦しい"状態を持続する必要にせまられる。
トランペッターが反っくり返って顔を真っ赤にして、渾身の力を振り絞っているように見えるのは、このためであり本当に"力んでいる"訳ではない。
しかし"コツ"さえ会得すれば、何小節にも及ぶタイで連なった全音符の長い高音パーセージや、曲のクライマックスで高く駆け上るパッセージもこなせるようになる。
しかしいくら努力しても、舌の"厚み"や"器用さ"は人それぞれ生まれつきのもので異なるので、誰もが、W.マルサリスの様に超高音域の演奏が出来るものでもない。
但し普通に"シューマンの四つのホルンと大管弦楽のためのコンツェルトシュテュック "の最高音ぐらいは到達出来るようになる。
サア、皆さんも頑張って見ましょう!
ズデニィク・ティルシャルによるコンツェルトシュテュックの名演
次回予告
いよいよ最終回は水泳と合気道から学ぶ正しい"ブレス"をとりあげます。
公開:2017年3月12日
更新:2018年12月15日
投稿者:デジタヌ
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