タヌキがゆく(狸穴総合研究所)

なにわ筋線 阪急 電車 参入表明の真意は...もしかして『関空・大阪空港直通連絡線』の野望?

プロローグ 金の出どころが無く一向に進まない「なにわ筋線連絡線」建設計画

建設費約870億円がネック

阪急電鉄「なにわ筋線」参入表明に関するコラム「北大阪急行 箕面延伸工事 を開始し "なには筋線" 参入を決意した 裏事情とは?」を書いて早1年が経過した。

その間、北大阪急行 延伸工事は順調に進行しているが、一向に進展の兆しが無いのが「なにわ筋線の盲腸線?・十三新線」計画。

阪急さんも早急に(建設資金の)話を付けて着工にこぎつけたいところであろうが、国・大阪府・大阪市と建設資金の出どころ(道路特定財源=ガソリン税等の補助金)の調整がつかないのであろう!

その間も、「宝塚本線(の乗客)」は悲鳴を上げ続けている(※1)というわけである。

※1)本サイト関連記事 宝塚本線は苦痛な叫びを上げている!はこちら。

※令和元年7月9日つけのレスポンスに以下の記事が報じられた

国土交通省鉄道局都市政策課と同近畿運輸局は7月9日、「なにわ筋線」の鉄道事業許可申請を7月10日付けで許可すると発表した。...

申請によると事業期間は2019~2031年度、開業予定は2031年度春とされており、総事業費は約3300億円。途中、中之島・西本町・新難波(いずれも仮称)の3駅が設置される。...

大阪府・大阪市・兵庫県・尼崎市、JR西日本などの民間企業による第3セクターの関西高速鉄道が路線の設備などを保有・管理する第3種鉄道事業者、JR西日本と南海が運行を担う第2種鉄道事業者となり、JR西日本の『はるか』、南海の『ラピート』といった空港アクセス特急が、なにわ筋線を通して相互に乗り入れる。<レスポンスより抜粋引用引用>

まずわ純情派「鉄ちゃん」の皆さまと「建設推進派(※2)の土建屋&市議会議員の先生方」には「おめでとうございます」とご祝辞を申し上げておきましょう?

...但し、阪急さんについては言及無?引き続き検討事項となっているだけ!

過去に新大阪ー淡路間の鉄道敷設許可を「廃止届出」した前科があり、許可が下りたからといって、即建設とは限らないし、依然として870億円という巨額な建設資金の調達が大きな問題として立ちはだかっていることには変わりない!

※2、当サイト内関連記事 大阪市が拘り続けている『市営モンロー主義』とは?

第1節 阪急の野望『関空・大阪空港直通連絡線?』

狭軌(きょうき)の沙汰?の新線計画

阪急が中途半端な「狭軌の盲腸線」に手を出さなければならない事情、すなわち飽和状態の「十三ー梅田間」にもう1線平行路線を引き、この間の混雑を緩和したい事情は前回のコラムに詳述した通りであるが、それだけのために「狂気の沙汰」ともいえる「狭軌新線」を建設する真意が見えなかったが、なんとなく見えてきたので、今回の続編を起筆した。

なぞに包まれた大阪空港連絡線素案

「なにわ筋線連絡線」計画と同時期に発表され、国交省に提示された阪急「大阪空港線」計画だが、国交省に提示された事業計画概要では曽根駅から先で分岐し大阪空港を目指すというもので、路線延長約3.6㎞建設費約700億円で輸送人員が約2万5千人/日という試算で検討されたらしい。

...がいつも通り「大まかな事業費」と「いい加減な需要予測」(※3)の数値だけが示されているのみ!

※3)総事業費予測と需要予測は「希望的観測」と「政治的配慮?」が大きく働き「大昔の天気予報以下!」の確度しかなく、あてにならないのは京阪中之島線の例を上げるまでも無くハッキリしている!

あくまでも「なにわ筋線」ご本尊?が完成すればのお話!

これらの数値をもとに国土交通省が2018年4月11日に発表した「近畿圏における空港アクセス鉄道ネットワークに関する調査」結果では、2031年春に関空と北梅田を1本で結ぶ「なにわ筋線」が開通することを前提に以下の「調査結果」?がまとめられた。

「なにわ筋連絡線」には建設費約870億円、輸送人員1日当たり9万2千~10万2千人が見込まれ?開業から24~31年目に累積損益が黒字化すると判定されたが。

...大阪空港線は「現素案」のままでは40年で黒字化出来る様なしろものではなく実現性は低い?と評価された!

現大阪空港線の計画では、40年では黒字転換できず実現性は低い!

大阪空港は夜間の離着陸禁止などの規制があり、今後も旅客数の大幅増は見込めなく、甘く見積もっても輸送人員約2万5千人程度では「開通40年間で黒字転換する事」という「現状の国庫補助基準」は満たせなかった!

しかし阪急は「採算性を高める施策を検討したい?」と実現を諦めない姿勢を示している!

第2節 単なる十三ー梅田間のバイパス路線ではない阪急「なにわ筋線連絡線」

十三ー梅田間のバイパス路線である阪急「なにわ筋線連絡線」は十三ー梅田間の輸送力UPにつながるだけではなく、宝塚線3線軌条化により関空ー大阪空港のアクセスの主役になれる可能性が残されている訳である。

首都圏の京成・京急の連絡快速急行の例を上げるまでも無く、大都市近隣空港間の連絡需要は確実にあるし、現在リムジンバスに頼っている関西・大阪両空港間の連絡アクセスが、交通渋滞に巻き込まれることも無く鉄路による定時運行が可能となれば航空会社にとっても乗客にとっても利便性が格段に向上する!

両線の計画から見える「実現を諦めない阪急の姿勢」とは3線軌条化による空港間直結"狭軌"鉄道?

58

「大阪空港線」も「なにわ筋線連絡線」同様に軌間 1,067 mmの狭軌?で建設し、計画を見直し分岐点を豊中駅の少し先に変更しその先から約1.16㎞の「狭軌」新線を空港まで建設する案に変更すれば建設費は大幅に圧縮・削減でき単純計算でも 約240億円(※4)単線敷設なら150億円程度で建設できるであろう。

また急行停車駅「豊中駅」(※5)を経由する案であれば豊中市の賛同・協力も得やすい!

更に分岐点まで約9.27㎞を3線軌条化(※6)し、JR・南海と相互乗り入れすることにより、大阪空港ー関空間が1本(正確には2本)の鉄路で結ばれることになる!

※4)路線延長比3.6㎞対1.2㎞の単純計算で 約240億

※5)豊中駅 ;通年平均乗降客;47,953人/日-2017年・年次統計

※6、三線軌条についてのWikipediaの解説はこちら。

嘗て頓挫した堺筋線相互乗り入れ計画

昨年のコラム「泉北高速鉄道建設のいきさつ... 何故乗り入れ相手が市営地下鉄ではなかったのか?」で取り上げた通り、かつて阪急・南海は天下茶屋駅・天神橋6丁目間で「3線軌条」を介して相互乗り入れすることを検討していた!

この堺筋線建設問題が一向に進展しなかったので、"とばっちり"をうけた地下鉄御堂筋線中百舌鳥延伸が遅れ、当時「仲の悪かった」大阪府と大阪市のお互いの牽制もあり、結局は泉北高速・南海が相互乗り入れするかたちになったわけである。

「技術的問題?」を理由に交渉決裂!

この時は技術的な問題を最大の理由に、阪急・南海相互乗りいれ話が決裂し、南海側が持っていた動物園前・天下茶屋駅間の「路線免許」を、大阪市が譲り受ける(横取り?)形で、「阪急・市営地下鉄両者間」のみの相互乗り入れで天下茶屋駅延伸接続となったわけである。

第2節第1項「大阪空港線」新線の計画を「ルート変更」なさってはいかがであろうか?

豊中駅を経由して、蛍池駅手前で分岐し空港ターミナルビル前の駐車場の地下に至る、1.16㎞の単線。

空港駅は3線4面程度の大規模なものとするが、新線自体は成田空港連絡鉄道同様に単線路線とする。

第2節第2項 狭軌による「なにわ筋線ー大阪空港連絡新線」建設のメリット

1)関空ー大阪空港が乗り換えなしの座ったままで!

現在豊中駅ー十三間8.1㎞ 急行?で所要時間7分 表定速度69.4㎞/hなので、

十三ー大阪空港間 約10.43㎞ を9分~10分程度で結べるようになるはずで、「なにわ筋連絡線」の計画素案では十三・関西空港間は最短47分で結ぶとされており、この提案通りの狭軌新線が建設されれば約1時間で関空・大阪空港が結ばれることとなる。

2)新規投入車両の効率運用

阪急「なにわ筋線連絡線」建設費用約870億円には新規車両設備費は含まれていない!

従って総事業費としてはさらに膨らむことになる、2018年現在通勤型車両で10両1編成で約10億円程度と言われており、約2.5㎞、所要時間約5分(※7)のこの路線のために、通勤時間帯の5分間隔12本/時 運行のために2編成と予備車両1編成を含め3編成30億円を投資するのは無駄な話である!

更に、新たに車両基地が必要となり、路線延長2.5㎞以外に用地取得が必要となる。

現在、「当て馬案」として既に事業免許取得済の「新大阪連絡線」も計画には上がっているが、JR梅田北駅延伸事業が進行中の現在、あまりメリットがない!

しかし、梅田北駅ー大阪空港間約12.9㎞、急行所要時間15分の路線であれば、現行の急行毎時6本のうち半数の列車を20分間隔で振り当てても3編成で済み、十三ー北梅田間の5分運行のうち4本に1本を振り当てるだけでよく、予備車両を含めても7編成程度で事足りる。

つまり70億円程度で済み、しかも運用区間が長い分投資効果も大きい!(※8)

※7)現行宝塚線ダイヤから算出

※8)過去の経緯から、JR、南海両者の盲腸線乗り入れは期待できない!但し、空港直結なら「ラピート君、はるか嬢」程度なら乗り入れてくれるかも?

第3節 宝塚本線を3線軌条化する場合の問題点とその対応策

3線軌条化のデメリットとは?

3線軌条化には全くデメリットが無い訳でもない。

十三ー豊中間はすべて3線軌条化対策として、建築限界の大幅な見直し(※9)と上下線の軌道間の間隔見直し、軌道敷・路盤拡張が必要となってくる。

※9、建築限界に関わる車両限界が、南海・JRは空港連絡線の関係で同じ(南海本線は10000系以降 全長20mx全幅2850㎜x全高4140㎜、JR阪和線は空港連絡線開業に合わせて導入された223系以来 全長20mx全幅2950㎜!)に対応し、宝塚本線では9000系入線以降は全長19mx全幅2.75mx全高4.01m、に対応し設定(許認可)されている、つまり車両幅は最大で200㎜(片側100㎜)も違う!

但し、最大幅はホーム高さ部分で絞りこまれておりホーム面では、3社ともに大差なく、以下で詳述する軌間の違いによる「車両中心のオフセット」の問題が最大の難関となる!

1)軌道間隔及び軌道敷地拡幅の必要性

3線軌条とは、どちらか片側の線路を共有し、もういっぽうの線路を2本敷き、都合3本の線路を使って軌間の異なる車両を走行させる軌道敷のことである。

つまり車両幅(車両限界)が同じだとすれば、標準軌間1435mmー軌間 1,067 mm=368㎜ の1/2=184㎜センターがオフセットされるわけで、最低でも駅間では+184㎜の敷地拡幅、駅では上下線間を368㎜以上拡幅し、ホーム間隔はさらに片側184㎜両側で368㎜、つまり都合736㎜、ホーム間隔を広げないと、ホームと接触してしまう!

2)乗り入れ列車ごとに異なるホームとの隙間の変化

駅では3線軌条のままだと、乗り入れ列車ごとに184㎜もホームとの間隔が変化することとなり、更に同線のように曲線区間にホームが設置された駅が多い場合は、更にホームと車両の「溝」は広がり危険でとても実用には耐えられないプラットホーム構造となってしまう。

このために前途した「1970年当時の堺筋線相互乗り入れ計画は計画倒れになった訳でもある。

ただし構内のみ4線軌条にして「センター合わせ」を行えば、この問題は解消する!

スイスルツェルン近郊線での実例

SBB(軌間1435mm)とツェントラル鉄道(軌間1000mm)の相互乗り入れ区間の様子、

右側の対抗線に注目、地下新線(3選軌条区間)が駅手前で4線軌条となり、ホームとの間隔を一定にしている!

宝塚本線に適用した場合の対応策

1)高架化本線部分の路盤拡幅改修工事

既に高架化された区間では、路盤拡幅のためにかなり大掛かりな工事が必要になってくるが、両側道を利用するだけで新たな用地取得問題は起こらないであろう。

2)駅施設の対応

途中通過駅

殆どの通過駅の施設についても、ホーム間隔を736㎜広げるだけで、外側(ホーム側)2線の3線軌条化で対応できる。(なぜなら通過駅ではホームと車両の間隔が広がっても乗客の乗り降りは無い!)

急行停車駅・豊中駅の処遇

急行停車駅でもあり、今回のプロジェクトのカギを握る「豊中市」の表玄関でもあるこの駅を通過させることはできないので「停車」は必須条件となるが、現状でもホームが曲線部分にあり、ただでさえホームと車両の「溝」は広い!

したがって当駅のみは「4線軌条」で車両(台車)のセンターを合わせる必要があろう!

3)狭軌車両基地として新大阪連絡線用地の利用

前途した通り、現行「なにわ筋線連絡線」計画素案のままでも、最低限 新たに10両編成通勤型車両3編成用分の「車庫」設備が必要になってくる。

そこで、既に取得積みの「新大阪連絡線」用地の一部の事業免許を変更すれば、車両基地新設に転用できるし、阪急電鉄は神戸線沿いの武田薬品工業㈱の敷地の一部を「用途未定!」で買収済みで、どうやらこの部分に車両基地(車庫)を設けるつもりでいるらしい...?

 

公開:2018年11月23日
更新:2019年8月21日

投稿者:デジタヌ

このエントリーをはてなブックマークに追加

『 なにわ筋線 』開業と共に『 千日前線 』は廃線か?その2 TOPなにわ筋線 連絡で新大阪ー和歌山間を40分!で結ぶ! 『ダイカイ高速鉄道』の建設提案


 

 



▲なにわ筋線 研究班へ戻る

 

ページ先頭に戻る