タヌキがゆく(狸穴総合研究所)

デジタルコンテンツ全般の問題点?とは...

プロローグ デジタル音楽コンテンツの利点を再評価すべきでは!

最近現行の「CD」を代表とするデジタルコンテンツ、デジタル媒体に対して「ネガティブな批判」が流行っているようですが...。

巷で囁かれているレンタルスタジオの「コンテンツ制作現場機材の問題」を論(あげら)った"ネガティブな悲観論"ばかりを唱えるのではなく...。

デジタルメディアの美点をもう一度見直して、前向きな解決策を見出す努力をすべき時期に差し掛かっているのではないでしょうか?

第1章 量子化bit数と総合S/N比、ダイナミックレンジの関係

ディジタル録音でのダイナミックレンジは量子化ビット(2進数の桁)数(※11)で決まります。

  • 3bit;8step≒18㏈
  • 5bit;16step≒24㏈
  • 6bit;32step≒30㏈
  • 7bit;64step≒36㏈
  • 8bit;128step≒42㏈;
  • 9bit;256step≒48㏈
  • 10bit;512step≒54㏈
  • 11bit;1024step≒60㏈
  • 12bit:2048step≒66㏈
  • 13bit:4096step≒72㏈
  • 14bit:8,192step≒78㏈
  • 15bit:16,384step≒84㏈
  • 16bit:32,768step≒90㏈
  • 18bit:131,072step≒102㏈、
  • 19bit:262,144step≒108㏈
  • 20bit;524,288step≒114㏈
  • 21bit;1,048,576step≒120㏈
  • 23bit:4,194,304step≒132㏈
  • 24bit;8,388,608step≒138dB
  • 29bit;268,435,456step≒168dB
  • 31bit:1,073,741,824step≒180㏈
  • 32bit;2,147,483,648step≒186dB

但し、後述する「量子化ノイズ」はこれとは異なりますので総合的なS/N比はこの値とは異なります。

つまりWikipediaの解説にもあるように、16bit量子化(32,768step:90 dB)のCDでは量子化ノイズはS/N比で96 dB ある訳ですが「ダイナミックレンジが96dBあるわけではありません!」

実際にはA/D変換では、DCレベルをデジタル変換するので、AC波形の振幅範囲としては、1bit差し引いた値(※21)となり16bitでは15bit:16,384step≒84㏈という事になりさらに楽音の最低分解能6bit;32stepのうち片側5bit;16stepを差し引いた10bit;512step≒54㏈が有効ダイナミックレンジという事になります。

参※21)一般サイトのA/D変換の仕組みについての解説はこちら。

参※11)2進数の換算サイトはこちら。

人間の聴覚は機械よりもすごい

健常者の聴覚のダイナミックレンジは概ね120dBdB(デシベル)程度はあります、つまり聴覚限界の1,000,000倍の音まで、聞き分け(耐え)られます!

実際のオーケストラ・ライブでは

実際のオーケストラ・ライブで説明すると、オーケストラ(の指揮者もしくは団員の位置)では最弱奏pp(ピアニッシモ)部分が30dB程度。

鳴り物(ティンパニー、バスドラム、銅鑼などのパーカッション)がふんだんに入った全奏(tutti)強奏ff(フォルティシモ)部分が135dB程度つまり100dB(実数比100,000倍!)程度の強弱;ダイナミックレンジがあります!

但しこれはステージ上の話であり、コンサートホールは閉ざされた空間(※11)なので壁面反射などにより屋外のようには急激(距離のほぼ2乗に反比例)には減衰しませんが、拡散減衰で、音がよいとされる階上席の中央部では弱音部で25㏈程度最強部で125dB程度まで減衰します、まあいずれにしろマーラーなどの大編成オケ曲であれば100dB程度のダイナミックレンジがあるわけですが...。

参※11)当サイト関連記事  閉ざされた空間で起こる "定在波"と"音響障害"に迫る!はこちら。

オーケストラ録音では

CDでは16bit=65536stepの量子化閾(しきい)値(step)があるわけですが、オーケストラのダイナミックレンジは(ffとppの音量差)100㏈以上つまり100,000倍以上あるわけで32,768stepの16bitでリニアには原音の記録は不可能!という事になります。

当節の録音スタジオ用の24bit=;8,388,608step≒138dBのプロ用ハイレゾ録音機材(実際にはS/Nひとっても130dBが限界だそうです。)で記録できるかどうかの限界値です。

そこで録音する場合は24bitや;2,147,483,648step≒186dBの量子化を行いマスター音源を記録して,その後マスタリング段階でデータを16bitに圧縮して?CDに記録しているわけです!

楽音(波形)再現には最低6bitは必要

もともと小さい波形(弱音)は最低でも6bit(32step)程度ないと「波形の正確な再現」が難しいので、CD制作においてもLP時代同様にプリエンファシス(コンプレッション;圧縮)も行われ「小さい音は大きく、大きい音は小さく」することで16ビット(理論値約90㏈ )でも最低(32step)6ビット≒32dB程度のS/Nを確保しつつ残り10ビット(512step≒54㏈)程度の"ダイナミックレンジ"でマスタリングしているわけです。

現状のコンパクトディスク;CDでは16bitの量子化を用いているので音楽全体としてのダイナミックレンジは残り10ビット(512step54dB)程度に圧縮せざるを得ない訳です!

第2章 音声出力に現れるノイズ(擬音:幽霊音?)について

(※以下アンダーラインの専門用語はWikipedia にリンクしています)

ディザノイズ

低周波をデジタイズ伝送する場合に生じやすいのがこのノイズです「同じ量子化」となるためにDA変換すると2つの音が現れて特に16Hzなどでは周期的な高周波成分が現れてこれがフラッターノイズ(パタパタ、バタバタ、バサバサ、ガサゴソ?)となり勘違いするのでしょう、これもCDのような44.1kHz程度の低周波サンプリングでは起こりやすくハイレゾ源では現れにくい(聞き取りにくい領域)に追い出されるのでハイレゾが持てはやされる要因の一つになっています。

量子化歪み

これは、録音時に生じるもので、前途したように、ハイビット24ビットや32ビット、192kHzのハイレゾで録音することにより、「より原音に近い滑らかな」波形を記録するようにして、デジタル・アナログの誤差をなくすように努力されてはいます...が基本的に避けて通れない問題です。

現象としては、波形の崩れになり、前項同様に、周期的な原音以外の歪音(加算音)として再現されてしまうわけです。

これを避けるために、ランダム係数を使ったりして、周期的な「量子化誤差(常に端数、切り上げ、常に切り捨て)」による周期ノイズ(擬音)を避けるような、手法が用いられていますが...、20Hz以下の「可聴帯域外重低音(低周波振動)」ではどうしても「演算ミス?」による周期ノイズ(フラッター音)が生じてしまいます。

そこでサンプリング周波数44.1KHz、本来DC~20KHzまで記録できるはずのCDですが...、マイクでとらえた原音(アナログヘッドアンプ)の20Hz以下は急峻な(-20㏈/oct)サブソニックローパスフィルターでカットしているようです。

参※3)当サイト関連記事 デジタル嫌いデジタル嫌いアナログ信奉論者の貴方に問題提起...はこちら。

第3章 録音音源共通の問題点、「saturationノイズ」と「楽音消失?」「イコライゼーション」

アナログ録音・デジタル録音に共通している問題はこの3点です、言い換えればレコーディング現場でのミキシングミスによる過大入力「音割れ」と低レベル設定による「楽音消失!」、そして"マスタリング"工程での「ドンシャリイコライゼーション」!

第1節 クリッピング(サチュレーション)ノイズとは

録音コンテンツ全般に共通して、基本的に避けなければならないノイズの代表格は「saturationノイズ」といわれる録音飽和ノイズ!です。

一般的に「サチり音」といわれるもので、録音時のオーバーレベルに由来するもので、アナログ時代には「ガシャ」という感じで「音が割れる」という表現がよく用いられていました。

デジタル録音における「クリッピングノイズ」

デジタル録音の場合の「クリッピング(ビット飽和)」ノイズは 曲中に入る"鞭を打った"ような「パチパチ」「バリ」「ブツ」というようなノイズに代表されます!

デジタルの場合は量子化ビット(音圧の諧調)を使い果たすと、DA変換した場合に本来滑らかに繋がっているはずの波形が山頂を切り取ったような台形になり、山頂の前後に角張った部分が生じて、高周波数となり「パチパチ」といった鞭を打つ音ような矩形波(矩形波・パルス音)になって波形が崩れてしまう結果、上記の音となっていしまいます!

フルディジタル化されていない民間レンタルスタジオでは

24bitディジタル伝送マイクロフォンやディジタルミキシング設備のない一般のレンタル録音スタジヲでは、アナログマイクロフォンを使ってアナログミキサーでミキシングしてからAD変換してデジタルマスターを収録するわけですが、A/D変換前のアナログアンプにいまだに「リミッター」などが用いられている理由はここにあります!

第2節 最弱音(pp)での楽音消失?

アナログ崇拝のオーディオーショップの的外れな指摘!

生き残り(生活!)をかけて必死にアナログオーディオ(テープレコーダー、LP)を擁護している人たちは、

『アナログ録音では「弱奏(弱音)」ノイズに隠されるだけだが、デジタル録音では「音が消失!」してしまう』

と指摘しますが、これは完全に的外れの指摘です!

LP全盛期のアナログテープレコーダーでも楽音消失はあった!

前途したように最初期の13bitや16bit量子化ディジタル録音機の時期では、ドルビーNRシステムを用いてDレンジ圧縮しないと100㏈以上あるオーケストラ曲のDレンジは記録できず、サチュレーション(レベル飽和)を起こしたり、楽音消失など録音時の「ミスによるトラブル」は避けられませんでしたが。

現在の録音現場で用いられるハイビット(ハイレゾ)録音機材では音の入り口の24bitデジタル伝送マイクロフォン(内部A/D変換デバイスS/N130dB)でも100dB以上のダイナミックレンジを持つオーケストラの生サウンドを最弱・楽音比で36dB以上のS/Nを保ったままでほぼ「無圧縮で収録可能」となっています。

つまり録音時によほどのミスでもしない限りは、「楽音消失」などありえません!

さらにLP全盛期のアナログテープレコーダーでも楽音消失事故?は起こっていました!(※31)

参※31)当サイト関連記事 第3章 アナログ磁気記録の問題...はこちら。

基準録音レベルとpeekレベルメーターの普及について

オープンリールのころは記録レベル監視にはプロ。アマ共にVUメーターが広く使われていました。

アマチュアのエアチェックが磁気飽和の影響を受けやすいカセットデッキの時代になって「Peekレベルメーター」が普及して、さらにDATなどのテープ式デジタル録音機の時代になって必需品となりました。

Peak levelメーターとVUメーター、ハイレゾ録音基準レベルー18dB(実数比0.2倍!)の関係

嘗てアナログテープレコーダー録音の時代は

嘗てアナログテープレコーダーの時代にはVUメーターが「録音レベル監視」の主役でした。

理由はアナログ方式磁気記録では「ヒステリシスカーブ」の都合で直線部分だけを使うわけにはいかずに、「磁気飽和」(サチュレーション)直前まで有効に?利用してダイナミックレンジを稼いでいたからです。(※32)

デジタル録音の時代になって基準録音レベルはPeak level( 入力)ー18dBとなってこれは、初期の16bit量子化録音(DATなど)時代から24bit集音32bitデータ記録の今日の「ハイレゾレコーディング」迄受け継がれています!(※33)

参※32)当サイト関連記事 アナログ磁気記録の問題...はこちら。

非現実的な値Peak -18dB=0VU換算

実際には一般サイトの暴露記事?にもあるように、国内のレンタルスタジオの機材(PCコンソール)は前世紀の遺物?状態の代物で、ミュージシャン・録音エンジニアは「押し出しのある音」を求めて、これよりかなり高い記録レベルでレコーディングしているそうです!

最終的には32bit→16bit圧縮変換を行うわけですが...

後工程のマスタリングで、最終的には32bit→16bit圧縮変換を行うわけですが。

それにしてもpeak level ー18dB(実数比0.2倍!)ではミキシングコンソールのS/N130dB の大方を捨てることになるので、録音時から「アナログテープレコーダー時代の0VUつまりー8db+マージン5dB=|peak-13dB|以上でレベル設定して、13dB(実数比4.5倍)の録音マージンはアナログマイクロフォンのヘッドアンプ出力を強力なアナログリミッター(非直線アンプ)回路でサチらないように圧縮して24bit「A/D」変換後に「ディジタルミキシングアンプ」(パソコン処理)で処理して「8~16cHのマルチチャネル・マルチトラック・24bit音源データ」としてマスタリングスタジヲに持ち帰っているみたいです。

更にこれは国内製作ポップス関連のお話で...

クラシック関連では、弱音6ビットを目安に、レベル設定(マイク感度調整)して18bit(131,072step)102dBのダイナミックレンジに収まるように「デジタルリミッター処理」をして24bitデータ(ないしは32bitデータ)として持ち帰るみたいです、 、

24bit記録だと

前途したように1bit 減じた23bit;4,194,304step≒132㏈が有効に使えて -18dB(1/8)つまり3bit マイナスしても20bit;524,288step≒114㏈ がのこりさらに(AC波形6bit)片側5bit;16stepの最低波形データを差し引いても、15bit:16,384step≒84㏈のダイナミックレンジが確保できます。

参※21)一般サイトのA/D変換の仕組みについての解説はこちら。

更に32bit記録だと -18dBのマージン(余裕)を設定してもダイナミックレンジ126dB以上が実現できる!

更に32bit記録だと片側31bit:1,073,741,824step≒180㏈18dBから18dB=3bit マイナスの28bit:134,217,728step≒162㏈が有効に使えて,、リミッター無しでしかも楽音最少記録レベル(分解能)を8bit(128step)に持ち上げても、-18dB(1/8)に相当するマージンを持ちながら20bit;524,288step≒114㏈の広大なダイナミックレンジで記録できるわけです!

勿論もはやリミッター、やNRシステムの必要はなくなります!

という事で、クラシック音楽(オーケストラ曲)のハイレゾ録音に用いられるわけですが...。

肝心の「デジタル伝送・マイクロフォン」が32bit伝送に対応しておらず、大編成のオーケストラ曲録音では、録音現場で未だにマイク内蔵のアナログリミッター回路で圧縮された?24bit伝送が使用されているわけです!

(※しかしコンデンサーマイクの耐(音圧)入力、感度ともにデジタル録音初期に比べて格段に向上していて、かなりのOff Micセッティングでも、最弱音(ピアニッシモ)を拾えるようになり、オンマイク設定による弊害、大音量時の各楽器の「サチリ感」はかなり解消されてきました。

但しこれは、メジャーレーベルの専用スタジオや、大掛かりな録音の話であり、国内のレンタルスタジオでは前途した通り、"不毛"状態が続いているわけです!

嘗てのDATなどによる16bit直線量子化録音はレベル設定に苦労した!

別項でも取り上げましたが、かつてのアマチュア用16bit量子化ディジタル録音機では、カセット録音機の時代にはついていたリミッターもついておらず、取説通りに-18dBを目安にレベル設定すると、サチュレーション(クリッピングノイズ)は回避できますが、有効15bitの量子化のうち3bitを失うわけで、さらに楽音最低分解能5bitを差し引くと7bit(36dB)しかダイナミックレンジ幅が取れずに、ホール備え付けのかなりのOff Mic設定天吊りステレオマイク集音のアマオケライブといえどもさすがにこの範疇では収まり切れずに、「クリッピング(音割れ)や楽音消失」が起こり、融通の利く38・2トラ録音のほうが「大きな失敗もなく確実に」ライブコンサート録音ができていたように記憶しています!

そういう意味では、アマチュア(やインディーズプレーヤー)が「レベル設定に」神経をすり減らす?ことなくパソコンを用いて気軽に?ライブ録音できるようになったことは素晴らしいことかもしれません?

しかしどのみち、プロのエンジニアにお願いして16bitデータにマスタリングし直してもらわないと、友達に配布もできないし、録音した本人も「ハイレゾ対応モニターヘッドフォン」でしか聞くことができず(※33)悔しい思いをするだけでしょう!

参※33)当サイト関連記事 32bit量子化ハイレゾメディアは一般人には「猫に小判?」はこちら。

HD、SSD記録で録音モニターが可能に

絶対的に違うのは、プレイバックモニターができるようになったことです!

20世紀デジタル録音初期では「18bit、20bit」のプロ用機材でも、記録媒体は「テープ」でした、つまりVTRに近いヘリカルスキャン方式のテープレコーダー型でアナログテープレコーダーのような録音ヘッド直後に再生ヘッドを配置できず、プレイバックモニターが不可能で、高精度LEDピークレベル計のレベル表示だけが頼りでした。

つまりうっかりすると最弱音必須楽音レベル7bit(128step)を切ってしまい、「楽音消失」レコーディングミスが生じていたわけですが。

しかし21世紀の現在では、HD:ハードディスクやSSD(半導体ディスク)媒体を使用するようになり、プロ用機材はもちろんアマチュア用の録音機材(パソコン)でもデータ書き込み(録音)処理と同時に読み出し処理で「プレイバックモニターが可能」となったわけです。

但し、16bit(最弱音7bit許容Dレンジ9ビット(56dB以内))にマスタリングする際にうっかり圧縮設定し間違えて、最弱音(pp)の楽音を欠落させてしまうミスは可能性としては存在しますし、事実現状発売中のデジタル録音初期の18bit録音(262144step;総合SN108dB、許容ダイナミックレンジ11bit=66dB)と思わしきものの中にはいくつか見受けられるコンテンツがあるのも事実です(※34)。

参※34)当サイト関連記事楽音消失?の例 フォーレのレクイエム、ジョン・エリオット・ガーディナー盤

ジョン・エリオット・ガーディナー盤 のインプレッション記事はこちら。

第3節 意外と多いアナログ・マスタリング転用CD再発売の問題!?

Wikipediaのハイレゾの解説にもあるように、CDなどのデジタルコンテンツにレベル管理も適切に行われていないマスタリングでは、せっかく32bitや24bitのハイビットで量子化しても、「saturationノイズ」が生じるような"ハイレベル基準音圧"(次節参照)でマスタリングされてしまっている例が多く、再生側の問題ではなくコンテンツ作成時から歪んでいる場合も多いようで、これがアナログファン(デジタル嫌い)につながっているようです!

嘗ての「LP盤ドンシャリ・マスタリング・マスターテープまんまCD化」の問題

小生のライブラリではバーンスタイン交響曲全集

Bernstein Symphony Edition ボックスセット, インポート

LP全盛時代の"国内盤"(※4)とは違い比較的新しいデジタル録音(と思わしき)作品は「素晴らしいハイファイ」ぶりですが...。

それ以外のアナログ録音時代のコンテンツは録音当時アンペックスの2インチ幅マルチトラックTapeRecoderで録音された「アナログ音源」を、AD変換してデジタルリミックスしたのではなさそうで...、

アナログLP盤新譜発売当時のマスタリング・プリントマスターをそのまま転用したようなCDが多く収録されています。

1954年 RIAA全米レコード協会の標準に...

1954年 以降はRCAが提唱したRIAA補償が行われたはずですが、アナログテープレコーダのマルチトラック録音からアナログLP用にマスタリングされた「360sound」特有の「不自然な音場」や100Hz程度が盛り上がって、50Hz以下の重低音はスパっとカットされいて、しかも「ハイ上がり」の「ドン・シャリ」傾向の強いLP盤用のマスタリング(2chトラックダウンミキシング、イコライゼーション、コンプレッション&リミッターによるDレンジ圧縮)が施された「アナログテープ、プリントマスター」がそのまま転用されている初期のレコーディングも数多く収録されていいるようで、あまり状態の良い記録音源とはいいがたいものも多数含まれています!

参※4)当時の国内のLP製作環境ではカッティングマシンなどの違いで高SN獲得に重要なハイレベルカッティングが難しかったそうです!

確かに小生も何枚かの輸入盤を持っていますが、針音(クリックノイズ)以外では気になるノイズのない素晴らしい音だったように記憶しています!もちろんシュアーのV15カートリッジ使用で...)

サチュレーションも随所に

もともとのマルチトラックアナログ録音が「サチって」いたのか「マスタリング段階で」「サチった」のかは、ほとんどアナログ原盤(LP盤)を持っていない曲ばかりなので、定かではありませんが?

重低音がカットされた分そんなに(Dレンジ45dB程度で)ハイレベル設定・ダイナミックレンジでもないのに、結構サチュレーション感の伴った箇所が散見(散聴)されます。

第4章 最新のフルディジタルプロセスCD制作とは

嘗て(20世紀)はトランスヂューサー(マイクロフォン&プリAmp)も含めてミキシングコンソール出口まではフルアナログでミキシングコンソールOutからデジタイザを通ってマルチトラックデジタル録音されていましたが今世紀に入って「ディジタルマイクロフォン」開発と規格統一が進み、現在、メジャーレーベルのスタジオではフルディジタルプロセスでCDが制作されています!

ここが、アマチュアと違うところで、アマチュア(インディーズ含む)は「アナログマイク→マルチチャネルPreAmp」USBデジタル転送→パソコンでミキシング&マルチトラック記録しているわけですが、メジャーのスタジオでは「フルディジタルプロセス」になっています(※4)

2001年に ASEEBU(欧州放送連合)や、ノイマン、ゼンハイザー、SONY、などのマイクロフォン有名メーカー、が参加してデジタル伝送マイクロフォンに関するAES(オーディオ技術者協会) 42-2001という 24bitの2ch伝送のディジタルマイクロフォンに関する伝送規格が制定さえました。

録音現場で用いられるコンデンサーマイクロフォンにはDC48vの給電ラインが必要で、長年マイクロフォンヘッドアンプ(ブースとプリアンプ)から供給するファントム電源方式が主流で、マイクロフォンのデジタル伝送化を阻んでいましたが「高性能なリチウムイオンバッテリー」の登場で「マイクロフォン本体」に48V供給電源が一体化できるようになり、デジタル伝送が可能となりました。

つまり2001年以降に収録された最新録音「DDDプロセスCD」(詳細後述)では、フルデジタルプロセス化が達成されているコンテンツが増えている訳です!

これによって、1965年当時の「ショルティの神々の黄昏」録音の中に混入した有名な「19Khz」付近にある「謎のピークノイズ」などの障害がなくなったわけです!

これを簡略化した民生用の規格がおなじみのS/PDIF規格で、パソコンでも端子が用いられています。

具体的に録音現場では

デジタルマイク→(24bit=16,777,216諧調総合SN約144dB )→録音スタジオミキシングコンソール→(32bit;4,294,967,296諧調・約192dB ・マルチトラックマスター音源;SSDなどのメディアで記録)

但し現在最高の性能を持つ24bittデジタル伝送マイク・32bitミキシングコンソールでも総合S/N130dB(デバイスのS/ N)程度といわれています!

更に極端なオンマイクでのマルチマイク録音「マイクロフォン」の耐音響(音圧)レベルオーバーの問題もあります。

最近はマイク・デジタルコンソールの性能(明瞭度)が上がったので、昔のような極端なオンマイク設定は、放送録音以外は少なくなってきています。(※昔は逆に放送録音では天吊りステレオマイクロフォンによるオフマイク設定1点収録が主流でした。)

マスタリングスタジオでは

32bitで記録されたマスターメディアを、32bitディジタルコンソールで2CHにトラックダウンミキシング、編集、イコライジング、プリエンファシス(ダイナミックレンジ圧縮)などの32bitディジタルマスタリングを行い16bit:32,768step、総合S/N96dB)にデータ圧縮D/D変換して(CDRなどのメディアで)16bitプリントマスターを制作するわけですが、LP制作用のマスタリングでは後述する「アナログLP用マスタリングの問題点 「ドンシャリマスタリング?」があげられます。

CDプレス?工場では

16bitプリントマスターからCDプリント原盤を制作→CD(16bitクローン)制作となるわけです。

が実際には、現状国内にある一般のレンタル録音スタジオの機材は「古くて」(※41)このような高品位フルディジタルコンテンツ制作は行えないのが日本国内の現状です!

参※41)当サイト関連記事 《オーディオ的・音楽コンテンツナビ》その1 世界の大砲威力比べ? はこちら。

エピローグ デジタルメディアは庶民の味方!

量子化による基本的な問題(量子化ノイズ)や、陰で囁かれることの多い民間レンタルスタジオの「録音機材」の技術的問題...などいろいろ問題を抱えたデジタル記録(※0)ですが、LP時代に比べれば飛躍的に記録音源としての信頼性が向上していることは事実です。

別項で詳述しましたように「LPレコード再生」は「クオリティー=お金」の世界で、とても数万円の「オモチャLPプレーヤー」などで再生できる代物ではありません!

デジタルメディアの最大の美点は「データ保存性」と「リーズナブル」の2点に尽きるでしょう!

サイマル放送は実はハイファイ

余談として、ラジコ・らじるらじるはNTTのDOKOMO電話と同程度の音だと説明されることが多いですが、これはあるいみ正解でもあり、ハイファイ程度から見れば間違いです!

周波数特性は「FMアナログ放送」と同じソースなので、Dレンジ は40㏈程度に圧縮されていますがそれでも周波数特性は20~17KHzはあります。

参考データ、デジタル録音維新の歴史をたどると...

1969年5月 NHK放送技術研究所で放送用VTRをトランスポートに用いた世界初のPCMデジタル録音試作機完成(サンプリング周波数47.25kHz、量子化ビット13bit)。

1972年に当時の日本コロンビアが開発した実用PCM録音機もおなじ13bitなので共に、Peekレベル周辺は旧来通りのアナログ非直線処理(リミッター)でダイナミックレンジ圧縮を行っていました。

1978年に 英DECCAが独自開発したデジタル録音機は18ビットで直線量子化でダイナミックレンジ圧縮は行ていません。

一方Decca Recordsがデジタル録音機を本格的に使いだしたのは、DENONに遅れること7年後の1979年 1月1日、の「ニューイヤー・コンサート」(ボスコフスキー指揮)からの事で、同年春に同社初のデジタル録音レコードとして発売されました。

1982年10月1日に販売開始したデジタル媒体コンパクトディスク;CDでは量子化ビットが16bitしかなくて、楽音必須再現能力7bitを差し引いた9bit約54dBがダイナミックレンジとなり、これでは生オケのDレンジ100㏈以上のリニア記録は不可能なので、コンプレッサーを使った圧縮処理と旧来のアナログリミッター回路で54dBに収まるようにアナログマスタリングしてA/D変換して16bitの直線量子化CDとして販売されています。(※CD発売当初は汎用コンピューターが無くてノンリニア編集ができなかったのでデジタル→アナログ→CDのいわゆるDADプロセス(※前項参照)でCD制作されていました。

1982年発売開始のCD、1984年5月から試験放送(1989年6月1日本放送開始)されたアナログ衛星TV放送のBモードデジタルステレオ、1987年発売開始のDAT(48KHzサンプリングモード)、1992年8月3日放送開始のCS-PCM音声放送、などの配信メディアの量子化ビットは16bitどまりでした。

嘗てのディジタル配信メディアでは

1982年発売開始のCD、1984年5月から試験放送(1989年6月1日本放送開始)されたアナログ衛星TV放送のBモードデジタルステレオ、1987年発売開始のDAT(48KHzサンプリングモード)、1992年8月3日放送開始のCS-PCM音声放送、などの配信メディアの量子化ビットは16bitどまりでした。

実際には、前途した通りダイナミックレンジは残り10bit;512step≒54㏈に圧縮せざるを得ない訳ですが。

更に衛星Aモードディジタル放送や、DATのLP(ロングプレイ32kHzサンプリング)モードでは量子化ビットが12bit:4,096step≒72㏈しかないので、FM放送同様にプリエンファシス(アナログ非直線圧縮;コンプレッサー)とリミッター処理によるPeekレベル周辺圧縮でFM放送同等のf特とDレンジ(7bit約42dB)を確保していました。

21世紀に入ってメジャーレーベルはフルディジタルプロセスに

現状はパソコンの発達で「ノンリニア編集」が可能となって、デジタルマスタリングが可能となり、2001年以降はマイクロフォンもデジタル伝送化されて、録音に関するすべてのプロセスがディジタル化されて「フルディジタルプロセス」のCDが制作可能となりました。

独自開発、自社製のサンプリングレート48kHz18ビット直線量子化のデジタル録音機 を開発した1978年以前は、有名なショルティ盤の「ニーベルングの指輪4部作」(1958年9月から1965年にかけて録音)もノイズリダクションシステム無しの普通?の「マルチトラックレコーダー」で録音されていました。

デジタル録音、コンテンツ配信の歴史

1969年5月 NHK放送技術研究所で、トランスポートに放送用VTRを用いた世界初のPCMデジタル録音機(サンプリング周波数47.25kHz、量子化ビット13bit)の試作機開発。

1970年 「Studer A80」登場究極のアナログレコーダーとしてモノラル仕様、ステレオ・チャンネル、4チャンネルから、最大24チャンネルまでのバージョンがありデジタル時代に入った1988年まで製造された。

1972年 当時の日本コロンビアがPCM方式自社製デジタル録音機第1号機 開発、本格的なPCM録音によるレコード製作を開始。

1978年 英DECCA18ビット直線量子化、サンプリング周波数48kHzのデジタル録音機を自社開発、
1979年 1月1日、英DECCAボスコフスキー指揮ウィーン・フィルによる「ニューイヤー・コンサート」をデジタル録音、英DECCA初のデジタル録音レコード発売。

同年4月16日 - RCA米サウンド・ストリーム社製デジタル録音機を採用デジタル録音開始(オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団による、バルトーク作曲「管弦楽のための協奏曲」)

同年5月5日 CBS デジタル録音開始(ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」メータ指揮ニューヨーク・フィル)。

1982年10月1日 ソニー、日立(Lo-Dブランド)、日本コロムビア(DENONブランド、日立のOEMで発売)から、世界初のCDプレーヤーが発売。同日、CBSソニー、EPICソニー、日本コロムビアから、世界初のCDコンテンツが発売!

1983年 - RCA コンパクト・ディスク・発売開始する

1986年、販売枚数ベースでCDがLPを追い抜く。

1990年代前半にかけて、LPは国内では生産されなくなって行きましたが、ヨーロッパなどではまだまだ主流で日本国内でも輸入盤などは手に入っていました。

2001年 AES 42-2001としてデジタル伝送マイクロフォン規格制定、以後放送録音も含めクラシックコンテンツを主体に、フルディジタルプロセスの時代となる。

 

公開:2020年2月16日
更新:2020年3月22日

投稿者:デジタヌ

このエントリーをはてなブックマークに追加

アナログメディア懐古趣味・信奉論者に...LPレコード「ハイレゾ・ハイファイ説」は都市伝説!にすぎないTOPハイレゾオーディオはWEB配信音楽コンテンツに席巻された!レコード業界の生き残りをかけた敗者復活戦?


 

 



▲オーディオ機器調査班へ戻る

 

ページ先頭に戻る