タヌキがゆく

老ホール に朗報 仕事人「YAMAHA」現る!

旧耐震基準で建設され建て替え時期に来ている全国の「市民会館」に朗報!

1950年代後半に起こった市民会館建設ラッシュ時期に生まれた安手の平べったい(がんもどき・コンニャク型)のホールが50年を過ぎ、建て替えで問題で頭を悩ませている公共ホール運営者のみなさまへ朗報!

全国の老朽化したホールの処遇に頭を悩ませている「自治体関係者」の方はぜひ1度、岡崎市民会館 「あおいホール」を訪れて頂きたい!(※ガイド記事はこちら

ホールを解体してしまい、新たに新築する事は簡単だが、改修して「生まれ変わらせる」事も大事である!

YAMAHAさんは「神ではない」がキリストの復活を予言した「予言者モーゼ」ぐらいの働きは期待できる。

エーXXX音響設計ではなく「YAMAHA」?

異業種参入では無く真打ち登場である。

楽器、高級オーディオ、プロ用音響機器、で名高いあの「YAMAHA」が本格的に動きだした。

YAMAHAのホール音響と言えば、(株式会社ヤマハミュージックジャパン出資率100%子会社の1946年創業の旧富士音響工業と1962年創業の三精音響設備が2009年に合併して生まれたヤマハサウンドシステム株式会社が舞台音響設備を中心に広く「マジックボックス」(音響調整玉手箱)など付帯設備の脇役に回り活動してきた。

「眠れる巨人」YAMAHA起き上がる!

ここに来て遂にご本家「眠れる巨人」YAMAHAが活発に動き出してきた、それも、舞台音響設備だけでは無い「ホールそのもの」の音響デザイン。

「これまで建築設計事務所」の建築デザイン・コンサルタント分野、いわゆる「建築事務所」の分野であった「音響設計」に異業種参入というか「音響の達人YAMAHA」が1級建築士を要する「建築事務所」として参加してきたのである。

金科玉条の如く「残響2秒」をお題目の様に唱えている「音響設計コンサルタント」会社は戦々恐々で有ろう。

YAMAHAの音響設計のスタンスは他とは一線を画している!

(YAMAHA・ホール設計公式サイトはこちら)

建築に「楽器設計のテイスト」を持ち込んでくれたのである。

従来からの手法(※1)も尊重しつつ、「何故そうなのか」を徹底的に基礎から解明するスタンスである。

例えば、椅子

例えば、従来は「専門業種尊重」椅子は椅子屋任せであって、細かいディティールまでは指定せずにただサイズと仕様(表装、リクライニング等)だけを告げ後は椅子屋任せであった。

椅子屋も長年の実績と経験でそれぞれのホールに合わせたスペシャルシートを製作し納入してきた。

しかし、YAMAHAは聖域、言い換えれば縄張りなどにはこだわらず、「満席と空席」で何故違うのか?「椅子の形状」が音響的にどう影響するか?など基礎から研究し、いわば単なるパーツであった「椅子そのものの音響特性」まで追求している。

「何処かのホールで用いている」醜悪な単に「吸音壁」と普通の椅子を「折りたたみベッド」よろしく合体させた「まやかし物の音響調整椅子」では無い、

本当の「音響効果のある椅子形状」を研究追求しているのである。

最新機材を用いた実態音響測定!

勿論音響測定に於いても「従来の測定法(JIS-60db法)」にこだわらず、同社お得意の「エレクトロニクス技術」を駆使し新たな測定器を開発したり、単なる数値(-60dB音圧時間)だけでは無い、「響き」の質にまでこだわった音響デザイン(設計)に取り組んでいる。

だからJIS残響時間はほんの参考例で提示して要るだけである。

その1つの成果が本年生まれ変わった「あおいホール」(※ガイド記事はこちら)である。

JIS測定値には出ない「定在波の影響(※2)」による「消失音場解消」や「心地良い韻創出」に注力した結果が、この素晴らしい「六角堂」ホール誕生となったわけである。

YAMAHA公式サイトのレポート記事はこちら。

レポ-ト中にも書かれていた「日本の誇る大指揮者井上道義氏」がふれられていた、各楽器の明確な音像と定位がこのホールのすばらしさを物語っている。

最新のシュミレーションに基づいた音響設計。

単に当てずっぽうに吸音材を張り巡らせたりせず、効果的に吸音壁を配置し、「ホール内面天井を取っ払う」という独創的な発想で、見事な音響効果を生み出している。

ストラクチュア-(構造体、フレーム)をそのまま露出させる手法は、何も今に始まった手法では無いが、過去にもモダニズムの大家 故丹下健三氏がの作になる70年の日本万国博覧会のお祭り広場大屋根や、ホールでは 建築家の磯崎新氏の作になる1999年竣工のグランシップ大ホール・海ホール等、

もっと辿ればから大型の体育館、アリーナでは見慣れたデザインではあった。

しかし天井反響板で綺麗に表装されていたホールから、衣服(表装)をはぎ取り、醜い?トラス、クロスメンバーが縦横に走る構造体(ストラクチュア-)を露出させてしまう処理は「今までの音響設計屋」では出来無かった発想である。

勿論これを承認した「岡崎市」にもエールを送りたい。

勿論新築もやってます!

(作品例公式サイトはこちら)

1990年のいずみホール(※ガイド記事はこちら)を始め数々の銘ホールを世に送り出しています。

残念ながらはっきり言って駄作も有りますが、最高傑作と思われる「いずみホール」などは、色んな意味で「今後これを越える作品は生まれてこない」であろうと思われる20世紀最高のホールの1つである事は万人が認めるところです!

クライアント(施主)の理解がないと、良い仕事は出来ない。

前項で「駄作も有る」と申し上げたのは、クライアントである(素人故の)施主の意向(音より儲け?)が強かったり、手助けしてあげた「デザイナー」が我が儘(わがまま)であったりしたからであろうと察せられる。

特に改修に素晴らしい力量を発揮!

特に2007年の「あわぎんホール」改修に始まる「ダメ音響ホール蘇生術」は素晴らしい物で、本年2017年5月改修完工の「ルナホール」(※ガイド記事はこちら)までどのホールも21世紀に見事に「生まれ変わったホール」ばかりで有る。

これら改修に関しては、作者(原型デザイン)の「強い意向?」も反映されず、現所有者(施主)の理解もありYAMAHAの持てる力を遺憾なく発揮出来たのであろう!

山口市さん、そのほかの建て替え検討中の自治体さん早まらずに是非ご一考を!

ついでに「草津町さん」もみっともないホール(※ガイドしたくない記事はこちら)で「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」を開いて、世界の巨匠をお迎えするのでは無く、YAMAHAさんに御相談申し上げて、向こう50年間のネーミングライツと交換条件で「大改修」をお願いしてみられてはいかがであろうか?!

※1、解説記事舞台芸術ホール設計のセオリーとは?はこちら

※2、定在波の悪影響に関するnatuch音響の解説記事はこちら

公開:2017年12月11日
更新:2017年12月11日

投稿者:デジタヌ

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