タヌキがゆく

「エコールームと暗室」の恐ろしい話...ー「失敗しない・ホール計画の手引き」講座2017-続編

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最近のカラオケ世代に警鐘!

「ワンワンホール」がいけない訳

最近「視覚障害者」の方のヘルパー教育の一環を兼ねて、大学などで、暗室体験セミナーがブームに成っていると、以前ラジオで聞いた事がある。

健常者がブラックアウトした暗室に入ると最初は全く方向感覚を失い、パニックに近い状態を起こすが、声を掛け合う内に、次第にその環境に慣れていくという。

しかしこれは、無響室とまでは行かないが、ある「程度デッドな音響空間」の話である。

つまりは「聴覚による、音像と方向性・定位」がはっきりしている場合である。

エコールームは怖い!

無響室に長時間滞在できないと言う事はよく知られているが、

視覚障害者の方にとっては、エコールームの方がずっと恐ろしい!

障害者の方にとって方向感覚は「聴覚」のみで有る。

従って、エコー(反響)の少ない空間、例えば屋外の公園などは、音の方向性・定位が明確で不安感に襲われない快適な空間である。

逆に「銭湯の浴場」に代表される反響渦巻く(エコールームに近い)空間は恐ろしい空間である。

呼び掛けられても、全く方向感覚が掴めず、極度に緊張させられる不快な空間である。

さらに悪い事に、健常者の暗室体験と事なり、「時間(慣れ)が解決してくれない」空間でも有る。

だから、聴覚障害者の方はエコーが渦巻く空間に一歩踏み入れた途端に、強い不安感と恐怖感に襲われる事が多い。

洞窟が恐ろしいわけ。

洞窟探検が密かなブームで有るらしいが、前途理由で一般人にとっては不安で不愉快な環境である!

つまり、

「暗黒と反響が同居した空間」

だからである。

これと同じで、残響(初期反射と後期残響)に対する認識不足のデザイナーがデザインしたホールでは、初期反射処理が不十分で

「聴覚による方向感覚」が乱される。

「ホール酔い」現象。

健常者の場合だと最悪の場合、「聴覚と視覚情報との不一致」で、「ホール酔い」を起こしてしまい、「気分が悪くなったり」する。

一方視覚障害者の方だと、方向感覚が掴めず「強い不安感・恐怖感」に襲われ、最悪「パニック状態」を引き起こしてしまう。

折角の音楽会が「ワルプルギスの夜の夢」になるわけである。

音響設計を標榜する設計事務所の方に。

音響設計を標榜する設計事務所、コンサルタント会社の方がたは、このことを念頭に置き、

「クライアント:施主」の無謀・無知な要求を退けて演者、聴衆双方にとって「心地良い空間」をデザインし、提供していただきたいと切に願う次第である。

公開:2017年10月28日
更新:2017年11月16日

投稿者:デジタヌ

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