音楽・演劇・便利帳

都市伝説 音の良いホール の条件 「 残響2秒以上 」 は本当か?

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ホールはエコーガンガンのカラオケ音響ではダメ!

残響時間(※1)を喧伝する際に「残響時間2秒/500hz」となどと言う数値が金科玉条の如く掲げられる場合が多いが...。

「残響時間2秒以上」は根拠に乏しい数値!

「音の良いホールの条件"残響2秒以上"」は一人の「マスコミ関係者が言い始めた根拠に乏しい数値にしかすぎません!

嘗て、1980年代に「視察団」を率いて渡欧した某在阪放送局の「当時の社長」が「強く主張し」ホール完成後に「大キャンペーン」を行って「作り上げた神話」に過ぎなまっせん、当時も今も心良しとしない演奏家は沢山います!

※1-2.「ザシンフォニーホール誕生裏話」に関連する「日本音響学会誌」(2011年67巻2号)への寄稿記事はこちら。(P94最後部からP95にかけての数行参照) 

初期反射と後期残響

エコー(初期反射)とは

カラオケなど使われる人工的「エコー」は電気的なディレー回路(※2)で僅かに時間差を付けたいわば「レプリカ音」を付加する仕組みで、「初期反射」(※1)に分類され、余り繰り替えされると、不快感を伴う。

後期残響とは

初期反射に対して「後期残響」(※1)とは、かべの突起部(凸部)などの「音響拡散体」によって生じた散乱波が、反射を繰り返した音で生楽器の音の音色成分(スペクトラム)とは異なった「響き・余韻」である。

残響とは、いわば ホールのお化粧 要素に過ぎない

次項に詳述する残響時間が金科玉条のごとくもてはやされているが、残響はホール音響のお化粧にしかすぎず、いくら厚化粧しても、素顔(基本デザイン)が悪ければ、単なる「厚化粧」の見掛け倒しホールにしか過ぎない!

残響時間とは

後期残響が続く時間(鳴り止むまで)を残響時間という

現在用いられている測定法(RT-60法)では

後期残響が直接音に対して、 60 dB(デシベル※3) 減衰するまでの時間を残響時間(※3)と呼ぶ。残響時間は、家庭などの小さな部屋では0.5秒程度、音楽用ホールでは数秒程度である。<Wikipediaより引用>

実はこの数値-60dBが曲者!

-60dBとはオーケストラの鳴り物(バスドラム、などの打楽器)付きのff(フォルテッシモ)が鳴り止んでから、静かな室内程度になった状態であり完全に鳴り止んでいるとはいえない状態!

この状態ではまだ「となりの人の吐息(といき)」より30倍大きな響き?である。

明らかに静寂とは言い難い!

これでは明らかに静寂とは言い難い!つまり最低でも-60dB+-30dB=-90dBの値にならないと、響きが消えたとは言い難い。

-60dBと言う数値は、基準を決めた当時の測定器の能力で決まってしまった数値なのである。

人間の聴覚のすごさ

おおむね人間の聴覚のダイナミックレンジは120dB程度はある、つまり聴覚限界の1,000,000倍の音まで、聞き分けられる(耐えられる?!)

ハイレゾ録音機で記録できるかどうかの限界値である。

音はそう簡単に小さくならない

「山彦」でもお判りの様に、以外と音は小さくならない。

「※理由は、山彦の正体は実は対岸の峰では無く中腹:つまり貴方が叫んだ真正面の並行する面からの反射で、いがいと「はっきりと聞こえてくる」訳である。

2回目以降はU字渓谷でも無い限りは拡散してしまうので小さくきこえるが。」

つまりエコールーム(※4)の設計でもない限り「RT60残響測定法」で図った時間はあまり意味が無いと言っても過言では無い!。

事実、「音の鉄人」YAMAHAさんでは音の善し悪しの尺度としてではなく「数ある音響測定値・分析値・パラメーター」の1つ程度にしか考えていない(※5)

長すぎる残響時間の弊害!

極端にデッドな空間と言わなくても、

『余分な響きは-90db(実数3万分の1)程度までは無くなって欲しい!』でないと静寂間が出ない!

つまり 『音楽では休止符やゼネラルパウゼ(全休符)』に相当し、『演劇・話芸ではセリフの間』に当たる部分である。

作曲家の池辺真一郎氏の体験談

おもしろい逸話が有るが、作曲家の池辺真一郎氏が、若かりし頃、故・岩城 宏之氏の演奏旅行に同行した事が有ったらしい。

そんなある日、前日と同じ「プログラム」なのに、「前日と全然テンポが違った」のだそうだ、そこで恐る恐るお伺いを立ててみたら...。

「昨日はデッドなホールだったので、早めに、今日は響き豊かなホールだったので、遅めのテンポにした!」と仰ったそうだ。

つまり音楽にとって「静寂がいかに大切な要素」であるかを示す例で有ろう。

以上述べた以外にも、「正多角形ホール」や「石壁のホール」「タイル張りのホール」

等では定在波によるミステリーゾーン(※7)があったり初期反響(エコー)がいつまでも

続くホールでは「ホール酔い」(※8)で気分が悪くなったりする実害もある。

クラシックコンサートにも以外と合う「芝居小屋の音響」

以上の説明でお判りいただけたと思うが、「心地よい韻(ひびき)」とJISで規定された-60db残響時間測定とはあまり因果関係がない!

小生がデッドであるはずの「芝居小屋や演芸場」をオススメするのはその為である。

「滑舌がはっきり聞こえる」と言うことは「音色の変化」が聞き分けられる事に繋がり。

ピアノの「メーカーの違い」「微妙なタッチの差」、バイオリンの「ボーイングの妙」などが聞き分けられると言うことに繋がる。

良いホールとは「違いの分かるホール」でなければならない!

参照覧

※1、残響(初期反射と後期残響)についてのWikipediaの解説はこちら。

※2 ディレイ (音響機器)に関するについてのWikipediaの解説はこちら。

※3 (※デシベルをわかりやすく紹介したサイト)はこちら

※4、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。

※5、ヤマハのあおいホール改修に関する参考例はこちら。

※6-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※6-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※7 ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?

※8、ホール酔いに関しては「エコールームと暗室」の恐ろしい話..をご参照ください。

※ご注意;

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  • 但し、 その他のリンクは団体・関連団体の公式サイト若しくはWikipedia等のWEB辞典へリンクされています。

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公開:2017年12月11日
更新:2018年10月 9日

投稿者:デジタヌ

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