タヌキがゆく《不定期刊 狸穴ジャーナル》

これからの地方都市近郊ローカル線は発想の転換が必要では?《 LRT Watch》第16回 

旧来の発想では、ローカルエリアのコミューターはバスで、比較的広範囲なエリアは鉄道で、という風に住み分け・が考えられてきたが、果たしてそうなのでだろうか?...

前書き 地方都市近郊での通勤ラッシュ

地方都市では、周辺道路整備が遅れて、エリアの中核都市と隣接集落(隣接町村市街地?)を結ぶ幹線道路が、毎朝晩の通勤ラッシュで混雑して、"ローカルエリア密着であるはずのコミューター(路線バス)が、渋滞に巻き込まれて大幅に遅延してしまう事態が生じてる。

これは、地方の一般道沿いの小都市周辺で顕著で、町町を結ぶ幹線道路が通勤・通学ラッシュのマイカーで混雑してしまい、昼間なら1分/kmで走破できる距離が5倍以上もかかって、バスの定時運行が出来ない状況が多くなる次第。

政令指定都市などの中規模都市でも

これは、地方都市周辺に限らず、堺市のような中規模政令指定都市でも生じている。特に堺市では南北に何本も流れる?「鉄道路線」で分断されて、東西交通が麻痺状態となる場合が多い。(※01)

参※01)未来都市 堺市 の扉を開く鍵!バストラム BRT 網整備を! 《 BRT Watch》Annex2を参照。

第1節 北陸新幹線並行在来線切り捨て区間!"小浜線"では

例えば北陸新幹線大阪延伸で並行在来線となり、3セク転換か廃線を余儀なくされる小浜線では...

※赤色 高速バス路線(自動車専用道)

※緑色 小浜線

赤色電車マークハブポイント(結節点)(親切?予定駅含む)

ローカル線、路線バス、高速バスの役割で眺めてみると

自動車専用道(舞鶴自動車道)が完備された地域では、舞鶴⇔小浜⇔敦賀間などの中距離のエリア間では、高速バスが「速達性」も「定時運行」両面で圧倒的に有利で信頼できるトランスポーターとなってきている。

対して、線形が悪く海岸の集落沿いを縫うように走っている小浜線では、並行する国道を走る路線バス同様にスピードアップは抑制され、完全に高速バスの勝利となってる!

役割分担を変えてみると?

しかし、見方を変えると...朝夕の通勤・通学時間帯では、原発街道沿いの国道27号線にマイカーが殺到して、前途したように昼間なら20分そこそこで到達できる20㎞程度の距離に1時間以上もかかってしまう事態が生じている!

特に沿線町村の市街地を通過する場合は、信号待ちの連続になりがちで、路線バスでは平均速度10㎞/hぐらいまで落ちてしまう事も半ば常態化している。

軌道を走る鉄道は停滞知らず!

この朝夕の通勤時間帯に限っては「並行する」小浜線は絶対有利になり、小浜⇔東舞鶴間84.3㎞を112分 表定速度(平均速度)45㎞/hで淡々と、着実に走行しており、通学の心強い味方になっている。

再2節 近未来の3セク「若狭蟹・鯖鉄道」が生き延びるには...

近未来の並行在来線3セクを考えた場合、40kgN型軌条を50kgN型軌条に変更するなどの中途半端な軌道改良(※02)を行って"ごく限られた区間"だけを110km/hに向上させても、表定速度(平均速度)の向上は期待できず、軌道設備の維持管理費・設備更新費用が増大するだけで、何らメリットは期待できない!

やはり"火消しの専門家"の現知事では火車(鉄道)についての事情には疎いようである!

参※02)(この線形では最高運転速度130km/hは到底不可能で、100㎞/hも不可能!で全区間85㎞/hも不可能!つまりは到達時間の短縮にはならない!)

現状の小浜線のポテンシャルを最大に生かすには

現状の軌道を生かして、地元密着の「使える鉄道」になるには...

福井鉄道F1000形軽量超低床トラムカー

製造メーカー 新潟トランシス
  • 電気方式 直流600 V(架空電車線方式)
  • 設計最高速度 70 km/h
  • 起動加速度 3.5 km/h/s
  • 減速度(常用) 4.4 km/h/s
  • 減速度(非常) 5.0 km/h/s
  • 編成定員 155人(座席53人)
  • 編成自重 37 t/3両連接固定編成当たり」
  • 編成長 27,160 mm
  • 全幅 2,650 mm
  • 全高 3,437 mm
  • 車体 耐候性鋼製車体(前頭部:GFRP製)
現用JR西日本 125系電車
  • 製造メーカー 川崎重工業
  • 起動加速度 1.2 km/h/s (小浜線内)
  • 減速度(常用) 3.7 km/h/s
  • 車両定員 1+2列:31(座席)+86(立席)=117人
  • 2+2列:46(座席)+67(立席)=113人
  • 自重 40.5 t/1両当たり(つまり乗客一人でもこの重さ!)
  • 全長 20,340 mm
  • 全幅 2,950 mm
  • 全高 3,630 mm
  • 車体 ステンレス製

現状の40kgN型軌条を用いたローカル線規格の軌道でも、駅数を増やしてLRT化して「ローカルエリア輸送」に徹したほうが、地域住人の為になり、小浜線の存在も見直されるようになるだろう!

軽量高加減速タイプの「超低床トラムカー」なら現状の平均駅間距離3.67㎞!を最短600m程度に短くしても、所要時間は変わらなく、しかも市街地周辺での朝夕の通勤ラッシュに影響されない「定時運行」が実現できる。

モーダルシフトも推進できる!

親切駅?周辺に数十台単位の無料駐車場を設置すれば「マイカー」組からかなりの「モーダルシフト」がみこめて、経営改善にもつながるだろう!

つまり全長84.3㎞にも及ぶ伸び切った海岸沿いを走るこの区間では、並行する国道と小浜線が猫の額ほどの狭い海岸沿いをシャアーしており、並走する幹線道路にマイカーが殺到して「朝夕」の通勤ラッシュが避けられない状況になっている。

第3節 利用者離れの最大の原因は時間当たり1本!の不便なダイヤに

最も大事なのは、現状利用者離れを起こしている原因は「所要時間」ではなく時間1本しかない「不便なダイヤ」と集落の近くを素通りしてしまう「不便」さ!

時間4本?15分間隔になるだけで「利便性は格段に向上する!」

軌道の改良などという言い意味の無い税金投棄を行う前に、「乗車場の増設」と「運行本数確保」が最も効果のある投資になるだろう。

鉄道軌道であれば増結も合法的!

現状、特認が無い限りは「併用軌道上」では"道交法"で全長30m以内と決められているが、

小浜線は「鉄道」なのでこの制約は受けなくてよく、2編成連結約55mの超大編成?も可能!つまり朝夕のラッシュ時には、現状の125系電車2両編成定員234人以上の310人を安全快適に輸送できることになる!

軌道改良で快速運転が実施できたとしても

待避線設備(交換可能駅)を設けて快速運転を実施できたとしても...
をも...

高速バスの着座定員は

高速バスの着座定員は「4列シート標準タイプ」で正座席が125系電車の着座定員同等の45席あり、しかも舞鶴自動車道では最高速度80㎞/h、で走行できしかも舞鶴自動車道は小浜線のように「くねくね蛇のように蛇行」していないので快適に移動ができる!

しかも、バスの場合だと定員乗車に満たなくても赤字にはならない!

つまり高速バスに対抗して"快速"を走らせてたとしても現状の125系電車定員2+2列:46(座席)+67(立席)=113人では「乗車率」の確保が難しく、運行経費がかさみ赤字の原因になるだけ!

更に揺れる電車に、しかも立ち席で真舞鶴⇔小浜⇔敦賀間を乗りとおす乗客は「鉄オタ」ぐらいしかいない。

結局は赤字(自治体補助金)は解消されるどころかますます増大するに決まっている!

つまり中途半端な高速化より「福井鉄道本線」のように地域密着の「ローカル輸送」に徹したほうが「利用者増加」赤字幅縮小につながる。

フクラムなどの超低床トラムカーで「運行本数」をフクラマせたほうがずっと現実的で「利用者」増につながる!

第4節 全国のその他の例

北海道のような超過疎エリアを除き全国には、一般国道と並走するローカル線が多数あり、地方都市を結ぶローカル線と並走する一般国道では同じようなことが(マイカーによる通勤ラッシュ渋滞)が生じている。

例えば思いつくだけでも、

「JR和歌山線」vs国道24号vs京奈和自動車道

「JR加古川線」vs県道349号線

「JR予讃線v」vs国道11号vs高松自動車道

「山陰本線」vs国道9号vs山陰自動車道

「釜石線」vs国道283号vs釜石自動車道

「大村線」vs国道34・204号vs長崎自動車道・佐世保自動車道

「有明線(現長崎本線)」vs国道207号vs長崎自動車道

などななど

第5節 例えばJR和歌山線に適用すると...

和歌山県庁前」⇔橋本市庁舎前(京奈和自動車道・高速バス) 47.1km

五條⇔奈良県庁前間(京奈和自動車道・高速バス)44.5㎞

JR和歌山線

嘗て国鉄時代には、準急、急行、も走っていた!

2002年3月23日の117系の運用開始と共に日中の和歌山駅 - 橋本駅間の列車が粉河駅まで短縮され、粉河駅 - 橋本駅間の列車が半減した。

つまりこの時点で、奈良(王寺)⇔大和高田⇔五條⇔橋下⇔和歌山市を結ぶインターアーバンから和歌山市への近郊通勤通学路線に変化している。

更に。1984年の和歌山⇔五條間の電化に伴い阪和線の一部快速も粉河迄のり入れていた。

1999年(平成11年)5月10日:阪和線からの直通快速列車が廃止。

2020年(令和2年)3月13日からは日中の関西本線(大和路線)大和高田⇔JR難波間の直通の快速が廃止された。

路線距離 87.5 km

起点 王寺駅→終点 和歌山駅 全線単線
駅数 36駅

王寺⇔高田間/初代大阪鉄道により1891年3月1日開業

高田駅 ⇔五条駅間を南和鉄道により1896年延伸開業

五条駅 - 橋本駅間を紀和鉄道が1898年に開業

和歌山駅⇔橋本間は同じく紀和鉄道が和歌山川から順次延伸開業

1900年に和歌山⇔橋本間が開業して大和高田⇔和歌山間全通

1904年8月27日:紀和鉄道が関西(かんせい)鉄道に路線を譲渡して高田⇔五條駅間が関西鉄道となる。
同年12月9日:南和鉄道が関西鉄道に路線を譲渡して全線が関西鉄道となる。

1907年(明治40年)10月1日:関西鉄道が鉄道国有法により国有化されて官営鉄道となる。
1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道線路名称の制定により、王寺駅 - 和歌山駅(現在の紀和駅) - 和歌山市駅間が和歌山線となる。

電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式

1980年3月3日:桜井線奈良駅 - 高田駅間と同時に和歌山線王寺⇔五條駅間も電化。

1984年10月1日:五条駅 - 和歌山駅間が電化。

最高速度 85 km/h(227系電車)

使用軌条(40㎏N型レール、一部50㎏N型レール)

JR西日本227系電車

製造メーカー 川崎重工業

編成 2・3両(全車0.5M電動車)
軌間 1,067 mm
最高運転速度 110 km/h(※和歌山線内最高速度 85 km/h)
設計最高速度 120 km/h(準備工事)
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 3.9 km/h/s
減速度(非常) 3.9 km/h/s
編成定員 259名(2両編成)
車両定員 133名(クモハ227形)
126名(クモハ226形)
自重 40.2 t(クモハ227形)
40.5 t / 40.6(クモハ226形)
80.7 t / 80.8 t(2両編成)
全長 20,000 mm
車体長 19,500 mm
19,570 mm(先頭車両)
全幅 2,950 mm
車体幅 2,950 mm
全高 4,085 mm
車体高 3,630 mm
3,680 mm(先頭車両)
車体 ステンレス(川重:efACE)
(前頭部のみ普通鋼)

2020年お廻り(1998年12月1日以来全区間が大都市近郊区間(大阪近郊区間)に指定されている)で(和歌山→王子の上り方向)全線走破したが、確かに粉河迄は乗客も多かったが(2両編成でほぼ6割程度)河合以東では一般乗客は、まばらだった!

但し、通学時間にバッティングしたために、高校最寄駅からの"通学客"で全区間ほぼ6割ぐらいは埋まっていた!

同じく同年の橋本→御所間の乗車体験では「橋本→五城間」は15人!程度の乗客だった。

朝夕の通勤通学時間帯を除き「この路線も」「超低床トラムカー」の高頻度運行のほうが適しているだろう!

和歌山⇔粉河間21.5㎞

11駅

平均駅間距離2.15㎞!

最短間隔 岩出⇔船戸1.1㎞

最長駅間 田井ノ瀬駅⇔和歌山 4.6㎞!

つまり最短間隔 岩出⇔船戸1.1㎞間以外には新たに親切駅が必要だろう!

粉河⇔橋下⇔五條間30.6㎞

14駅

平均駅間距離2.35㎞!

最短間隔 大谷駅 ⇔笠田駅 1.5㎞

最長駅間 大和二見駅 ⇔隅田駅 4.0km

この区間は、帝都江戸に急ぐ人は「南海高野線」でという事になり「JR西日本」としては「敵に塩を与える」結果となりあまり積極的ではない?

五條⇔高田間 23.9㎞!

8駅

平均駅間距離3.07㎞!

最短間隔 玉手駅 ⇔掖上駅  1.5㎞

最長駅間 吉野口駅 ⇔北宇智駅  6.6㎞

つまり、大阪への通勤射程距離でありながら、6.6㎞というとんでもない駅間距離が存在する!

思い切って和歌山⇔高田間 76㎞は3セク転換しては?

つまり、鉄道会社の利害の狭間で、大阪市の通勤圏が被害を被っているとしか結論付けられない。

そこで、この区間は紀勢本線和歌山市⇔紀和駅間(1.5㎞)と共に3セク化して「2代目・」紀和鉄道」としてJR西日本・南海電鉄・和歌山県の共同出資で3セク化して、再び和歌山市駅⇔橋下⇔高田間のローカル輸送に徹するべきだろう!

これによって、「20分間隔の高頻度運行?」が実施されて、更に和歌山市⇔粉河間は10分ヘッドの運行が可能となれば橋本市、五条市の更なる発展が期待できるだろう。

勿論和歌山市街地には最低でも2・3駅は増設して利用客の便を図るとして...

粉河駅で増解結を

粉河駅で増解結を行い利用客の多い和歌山市⇔粉河間は2ユニット連結の定員310人で、粉河⇔高田間は1ユニット定員155人で高頻度運行すれば、十分乗客はさばききれると考えられる。

車両基地は広大な五條駅に

更に車両基地は広大な五條駅に設ければ問題鵜は無いだろう!

第6節 今後は発想を転換して

今後は発想を転換して前途した"原発街道沿い"に限らず近隣町村市街地間は「超低床トラムカー」の高頻度運行、40㎞以上の中距離は自動車専用道を利用した高速バスという具合に発想を転換すべきだろう!

更に、鉄輪トラムでは「架空線給電方式ハイブリッドカー」

等の開発で、省エネ化も進んでおり、高加減速を繰り返しても「経済性」が確保できる状況になってきている!

※ニューキャッスルの「バーッテリーTram」の例

LRTはローカルエリアのコミューターとして

LRTの利点「省エネ」「定時運行」を生かしエリア内のコミューターとしての役割を担う。

特に「街道沿いの宿場町を繋ぐ路線」は、街道(幹線道路)に沿って走っている場合が多く、かつ前途したように幹線そのものが「マイカー渋滞」麻痺状態の場合が多くかつ、日本のように河川や(渓谷)、海岸に沿って"宿場"が連なったところでは、バイパス建設するにも用地が無くて、結局「街道のマイカー渋滞」を招いている場合が多い!

高速(バス)はハブステーション(結節駅)・中心街間のラピッドサービスに

更に、鉄道黎明期に造られた路線は、資金不足の為に、街道同様に、渓谷沿い海岸沿いを縫うように走っている場合が多く「高速化」も難しい!

対して自動車専用道は、市街地を避けている代わりに、路線の形状もよく、安全快適に高速走行が可能な路線となっている。

つまり、「宿場町間をつなぐラピッドサービスに最適」な条件を備えている。

つまり主要国道沿いの「並行ローカル線」を安直に廃止するのではなく、特に「並行して自動車専用道」が整備されている区間では、ラピッドサービス(高速バス)と「渋滞しらずの軌道」がお互いに補完しあう交通体系を構築するべきではないだろうか?

1)具体的には、「インターアーバン」に最適なように官庁・金融機関の集まった「中心街にバスターミナル」を設置して、繁華街・鉄道駅などとの連絡を図る。

2)鉄道(LRT)路線では、600m間隔を目途に「停留所」を増設する。

3)主要幹線(国道・県道)と直行する街路は比較的渋滞しないので?LRT駅と交差する「循環コミューター」バス路線で補佐する。

4)料金体系は、幹線となるLRT路線と、ナローエリア内循環バスとで共通のエリア運賃制をとる。

5)ラピッドサービスに当たる「高速バス」は時間1本程度にとどめる。

6)できれば高域エリアトランジットサービスとして「お互いに競合しないように一体運営形態とする」

中心街の再興にも

例えば前途した和歌山市では「新潟市」をお手本に「ぶらくり丁」あたりに「巨大バスターミナル」を設置して、ハブ(結節点)とすれば、中心市街地の衰退にも歯止めがかかり、観光・商業両面で、中心市街地「ぶらくり丁の再興!が図れるのではないだろうか。

「マイカーに頼らなくてよい環境」を構築すれば、環状道路に出来た巨大ショッピングモールを「廃墟」に追いやることも可能だろう!

今後増大が懸念されるホーム柵設置(※99)要求を躱す!意味でも、LRT化 &「超低床トラムカー」のコンビネーションは、地域にとっても、地方鉄道各社にとっても有効な選択技だと確信している!

参※99)当サイト関連記事 ホームドア設置には"整備新幹線建設並みの巨費が必要!はこちら。

 

公開:2021年1月 7日
更新:2021年1月10日

投稿者:デジタヌ

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