タヌキがゆく《狸穴総研機関誌・狸穴ジャーナル》

日本の大都市の地図上から"路面電車"がeraseされた訳は...

エンジェル(路面電車)を昇天させたデビルはオートモビル(自動車)だった!

トラムカーはかつて、高度成長期の頃、道路行政の貧困さゆえに日本各地の"痴呆大都市"の地図上からイレース(消去)されましたが...

トラムが邪魔者だったのではなく、「排気ガス公害を招いた白ナンバーの小型車」の存在が邪魔者だったのです! 更に21世紀の現在では脱炭素社会構築、モーダルシフトの観点からも...

♥日本一整備された軌道を軽快にトラムカーが駆け抜ける、まるでヨーロッパの街並みのような!鹿児島市

(※以下は、2008年に旧サイトで初稿を公開したコラムに加筆修正を加えて令和バージョンとしてリメイクした記事です)

《 abandoned railroad 》廃線シリーズLRT編 第1回 モーダルシフトを考える その1

別項で詳述しましたように、地方都市圏近郊の"専用軌道を走るLRT"は、並行する道路整備が進むと、軌道維持費が必要ない「乗り合いバス事業に自主転換」していきましたが...

大都市市街地路線は、併用軌道が主体の"路面電車"だったために、白ナンバーの社用車・営業車に"押しのけられて「路上からerase」されたわけです!

更に、大阪市のように一部の"痴呆都市"では、「商人共の金儲け」のために...

参)当サイトシリーズ記事 森林鉄道・軽便鉄道・路面電車が日本各地から消えた理由とは? はこちら。

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《 abandoned railroad 》の総合目次

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プロローグ 森林鉄道・軽便鉄道・路面電車が日本各地から消えた理由とは?

森林鉄道・軽便鉄道・路面電車衰退の理由は、戦後復興・高度成長期に訪れた「急速なモータリゼーション化の波に飲み込まれた」と...

第2回 日本における 広域 LRT 網 の故郷 信達軌道

嘗て、伊達市域には「ヨーロッパ型 LRT 網」が張り巡らされていた!1960年代後半まで地域住人の大切な足として、「域内アクセスの柱」的役割を果たしていた...

第3回 ピーチライナー が『ピンチライナー?』になって消えた訳

1㎞当たり42億、総工費313億円も掛けて建設した ピーチライナー がたったの15年でお払い箱となった....利便性の殆ど無かった「粗悪交通効カン」建設の茶番劇の顛末記。

第4回 三重交通 神都線 と お伊勢さんの思い出

神都線は『神授の気性?』に富んだ氏子たちの挑戦だった!天照大神が授けてくださった、有難い神道(神都)線の思い出話と...

プロローグ 通産省と建設省が作り上げたモータリゼーションの激流

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名神高速道路で始まった高速道路網建設は、道路建設に土木技術革新をもたらし(※01)、それにつれて大都市近郊部での一般道の"舗装化"も進みました。

そして「営業車とマイカー」が増えだす"モータリゼーションの激流"が生まれたわけです!

都市間連絡の"極道"整備を重点にした道路政策で、大都市を中心に近郊部で"渋滞"が発生するようになりました!

なので併用軌道を走るトラムカーが矢面(やおもて)に上げられ、一般道からイレースされていったわけです!(※02)

各地の地方都市に都心部を迂回するバイパスが建設されて、都心部での渋滞が緩和されるようになったのは1970年代後半に入ってからのことです!

参※01)当サイト内関連記事 実は一般道の整備と深い関係がある「モータリゼーションの洪水!」 はこちら。

参※02) 遠江(とおとうみ)の某"痴呆都市"では道路に沿った立派な"専用軌道"を持つ市内路線までもがイレースされました!)

※自動車大国アメリカでさえ前世紀初頭では、市街地道路が舗装されているのはニューヨークなどの大都市に限られていて、しかも"レンガ舗装"でした!

つまり空気入りタイヤどころか自動車さえ発明されていなかったこの時代では、"乗り合い馬車"ワゴン(BUS)は激震の劣悪な乗り心地、なので、滑るように走る軽便軌道(馬車鉄道)は乗り心地が良い!快適な市内交通手段だったのです!

高度成長真っただ中の頃表面化した"大気汚染"問題

幹線国道の完全舗装化!が本格化しだした1960年代代後半の日本では、環境問題と言えば四日市訴訟を代表とするコンビナートから発生する"煤煙"や、有害物質の垂れ流しによる河川や港湾の汚染、

先進国アメリカ!で1970年にマスキー法が成立して、自動車が排出する有蓋排気ガスも取りざたされるようになりましたが...今や排出ガス中に含まれるCO2による地球温暖化が問題となり、脱炭素社会に向けて大きく舵が切られたわけです。

つまりモーダルシフトが叫ばれる21世紀の現代社会では、「トラムが邪魔者なのではなく、排出ガス(CO2)をばらまく「オートモビルがもの邪魔(デビル?)」と言うことになります!

あまり知られていない米国でのトラムカー駆逐謀略!

嘗ての自動車大国アメリカでは、19世紀後半の"馬力全盛時代"?から、都市交通は馬車軌道が受け持つようになり、蒸気機関を走力源とした集中動力システムによる(現存するサンフランシスコで有名な)索引軌道(ケーブルカー)がこれに取って代わり、更にモーターの発明で、電車が実用化されて、市街地のトランスポーターは「路面電車が一世を風靡」していた時期があるわけです!

その後、路上交通の大混乱で、シカゴLのような高架鉄道に成ったり、ニューヨークの地下鉄網などに発展したりもしましたが...

実は大部分の地方都市では、自動車メーカーの謀略で「バスにより駆逐」されて行きました!

これは訴訟にも発展して終戦後の1950年に「自走車メーカー」側が敗訴したわけですが...

時すでに遅く、全米の多くの大都会では「市街地に張り巡らされた路面電車網」はイレースされていたわけです!

このことが、近年米国の大都市で、LRT復活の要因の一つにもなっているのです!

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第1節 大都市でトラムが廃れた理由をまとめると...

第1項 道路行政の立ち遅れが最大の原因!

高度成長期に道路行政の立ち遅れで、モータリゼーションの濁流(※21)により貧弱な道路が、車であふれて路上交通の邪魔者扱いされて抹消(イレース)されたわけです。

参※21)当サイト関連記事 第4節 少々事情が異なる大都市市街地からのチンチン電車の敗退理由はこちら。

第2項 軌道敷内運行を認めた愚策が...

大阪市を代表とする痴呆都市!が道を広げずに軌道敷内通行を認めたために「"定時運行の崩壊"」を招き「"イライラ感"」と「ドアツードアの"横着さ"」に魅せられた乗客から見放され(※11)採算性が悪化した

参※11)とされていますが、これは地下鉄建設推進一派の、プロパガンダ!で実際には廃止まで多くの市民の通勤通学・日常の生活路線として市民から"重宝"がられていました!

第3項 西欧先進国と"後発国日本"の文化の違い?

前途した悪循環であっという間に日本の地方都市からトラムカーが消えていった。

「ドアーツードア」の利便性と、「乗車料金と採算性」に敗北した訳。

後発国日本では役人の体質も...

日本では役人の再就職(天下り)に貢献しないトラム事業は、「採算性」の錦の御旗の下に切り捨てられる訳。

先進国西欧諸国では

先進諸国ヨーロッパの都市圏LRT網では、「都心部無料!」の例すら多い。

誰が運営費用を払っているのか?

それは行政当局=税金=市民で間接的に利用者が負担しているわけだが、

「モーダルシフト」という「錦の御旗」の為にはそれも"是"なのだと言う考え方なのです。

第4項 先が読めない行政担当者たち

現在"政令指定都市にまで発展した多くの痴呆都市は、トラムカー廃止当時は、"単なる田舎町"がほとんどで、交通量もさほどでもありませんでした!
更に、併用軌道ではなく、道路沿いに設けた専用軌道を走行していて、通行車両の妨げにすらなっていなかった"田舎町"も多く見受けられます!

これらの痴呆都市は「今ほどの大都会?」になれるとは思っていなかったし、またその野望も無かったので、専用軌道上を走るトラムカー迄、やすやすと廃止してしまったのでしょう!

しかし、現実には市街地部分の専用軌道を残しておけば、渋滞しらずの、便利な都市交通システムとして働けたはずです!

こんな「日和見で先が読めない」為政者に任せていたら、少子高齢化・東京一極集中の21世紀において、「急速に発展した以上に、急速に衰退して」下手をしたらゴーストタウンに...

※隣国C国のゴーストタウン!

第5項 今以上都市近郊専用軌道(鉄道線)を廃止してはいけない

少なくとも、賢明な東京都を見倣って

東急世田谷線や都電荒川線のように、

専用軌道が主体のトラムカー(LRT)路線を今以上には縮小させ無い事です!

阪堺平野線の愚例!

例えば、痴呆都市"大阪市"では欲に目のくらんだ視界偽印共が、地下鉄建設推進の為にイレースした阪堺平野線ですが...

元々「八尾空港」への燃料輸送専用線として引かれていた阪和貨物線(関西線貨物支線)の現廃線跡の利用ならば、殆ど変わらない路線が開通出来ていました!

しかも、地下鉄と違ってはるかに安い建設費(&用地買収費)で!

阪堺平野線が廃止されて地下鉄転換された当時、阪和貨物線は殆ど利用されておらず、国鉄一般貨物廃止と同時に、1986年には定期列車は無くなり、以後は「錆取り列車」が運行されるだけで、実質休止路線となっていました

つまり、大阪市は知っていたはずで...慌てて谷町線を天王寺⇔八尾南間に延伸させる必要は、何処(誰の為)に行われたのでしょうか?(※21)

参※21)当サイトシリーズ記事 大阪メトロ 迷走の歴史!市民生活の「日頃の足」となる地下鉄建設のはずが... はこちら。

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第2節 モーダルシフトでマイカー通勤や営業車を減らすには

地球温暖化が世界的な問題と成ってきた昨今、最大の課題は「路上から無駄な走行車両をいかにして減らすか?」で有ることは明白だ。

5ナンバー、3ナンバーのマイカーや、社用車を減らすには、公共交通機関の充実が最も適切

呼びかけるだけでは...

それも、テレビやラジオで流している公共広告機構の無駄コマーシャルだけでは解決しない!

いくら、『マイカー通勤をやめ、電車、バスのご利用を』とラジヲやテレビで呼びかけても無駄。

『そんな物(もん)使ってたらカネになるか!』になってしまうのです。

つまり、「そんなモン」程度の利用価値しかない既存の都市交通では「ドアツードア」の快適(横着?)さには替えられないのです。

上方と江戸を比べればその差は歴然!

大都市交通の切り札?"地下鉄"にしてもしかりで、大阪のように不便な都市では徹底的に不便

例えば、上方と江戸を比べればその差は歴然です!

首都圏では全域に渡り、通勤・営業は"電車とメトロ"で事足りますが...

近畿圏では傘の骨のような放射状の鐡道沿いでしか役立ちません。

それは以前から当サイトで訴え続けているように、京阪神では「シームレス性」が欠けているからです。

ターミナル・ハブポイント構成が...

いちいち「ターミナル(終端)」「ハブポイント(結節点)」で「時間を要する面倒な乗り換え」を余儀なくされ、なかなか目的地にたどり着けないからです。

京阪神では唯一京都市だけが阪急・京阪線の都心部乗り入れや、京都市営地下鉄近鉄、京阪との「シームレス運行」を実現して成果を上げているわけです。

但し採算は...

「相互乗り入れ地下鉄路線」にしても、メガロポリス東京だからこそ採算に見合っているだけで、地方都市では軒並み赤字です!

「桁外れに法外な?」建設費が

赤字地下鉄の最大の原因は「桁外れに法外な?」建設費。

現状で500億/㎞では、そう簡単に「元が取れない」のは当たり前!

それに多少道路事情に余裕のある周辺部や郊外では、(階段を)登ったり、下ったりの面倒、鉄道利用は敬遠されがちです。

日本第2の都市"横浜市"や、嘗て日本経済の中心地だった"大阪市"が、地下鉄建設で財政破綻寸前まで追いやられたのは皆様後ご承知のとおりです。

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第3節 LRT &トラムカーの再評価

LRTの有利性

参※)詳しくは当サイト内関連記事 LRT の"9つ"のメリット! をご参照願います。

1)地下鉄建設の1/10程度の建設費

建設費が比較的(地下鉄、高架鉄道、新都市交通等に比べ)安上がり。

参※)当サイト関連記事 鉄道の建設費安上がり順位とは?はこちら。

2)生まれながらのユニバーサルデザイン

最新の、超低床トラムカーを用いれば、障害者やお年よりいわゆる交通弱者に対してとても「優しい乗り物」になる!

3)広域都市圏交通に最適

既存の、鉄道線や使われなくなった貨物線・廃線等を上手く利用すれば、利用者(乗客)にとって、快適な「シームレス交通機関」となりモーダルシフトに導きやすい。

※路面あり、地下あり、高架あり! ハーグの HTM RandstadRail の例

4)系統別運行が可能に

バスと同じように、交差点で路線を乗り移ることが出来て「系統別」運行が可能であり、より一層利便性が向上する。

※広電が立証済

5)地球環境に優しいエコロジー

バスと違って、それ自体では排気ガスを出さず、エコロジーにも優しい。

(但し、原子力・水力・火力・太陽光・風力発電...など全ての発電所には環境問題がつきまとういますが?!)

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エピローグ デジタヌの日本版LRT・トラムの勧め

前説で取り上げた条件をそこそこ満たしている現代版トラムはカールスルーエ迄行かなくとも、日本各地に現存して活躍している。

第1項 日本各地で活躍しているトラムカー

♥日本一整備された軌道を軽快にトラムカーが駆け抜ける、まるでヨーロッパの街並みのような!鹿児島市

長崎電気軌道広電土佐電福井鉄道鹿児島市電がそうだ。

さらに、都市近郊広域交通のルーツをたどれば、アメリカのインターアーバンにたどり着くが、これをお手本に日本で独自の発展を遂げた近郊型電鉄=現在の民鉄各社は正に広域交通網のお手本のような存在であるし、ほとんどが路面電車から派生している。(※91)

参※31)当サイト関連記事 "street running"から始まった 日本の大手私鉄の歴史はこちら。

カールスルーエモデル(※92)のトラム運営のモデルケースはヨーロッパではなく現在の日本の大都市近郊の私鉄に有った!

参※32)当サイト関連記事  トラムトレイン方式(カールスルーエタイプ)とは?はこちら。

第2項 首都圏の交通網が世界のお手本に!

そう言う意味では、日本こそが現代版トラムの発祥の地と言っても過言では無いはず。

特に、首都圏東京の電鉄各社と東京メトロが連携して織りなすシームレスな広域交通網は各国の都市交通のお手本となっているほど!

しかしエコロジーとモーダルシフトが叫ばれるようになった今日、時代に逆行するがのごときお粗末な自治体が有るのも事実。

折角上手く機能していた、トラム路線を廃止に"追い込み"、結果マイカー転向を増長してしまい、交通停滞を起こして、市民生活に暗い影を落としてしまった岐阜市がその例?(※93)

参※93)当サイト関連記事 美濃 の気風"が生んだ 名鉄 岐阜市内線 の廃止とその後?はこちら。

第3項 お役人の天下り体質が...

いずれにしても、自身の再選や再就職(天下り)に汲々としている日本の行政当局者の間では"モーダルシフト"と言う考えなど、どうでも良いことのよう!(※94)

確かにライトレールと言えども、鉄道は鉄道、新線敷設には膨大な建設費が掛かる、政令指定都市でも無い限り、予算の目処が立ちにくいのは確か。

それにしても、熊本市の計画が実現していたなら...

行政、市民に"モーダルシフト"の考えが衆知されていたなら...

返す返すも残念だ。

岐阜市の例にしろ、熊本の例にしろ、"財源"が最大の障壁となり、"エコロジー"と"利用者の利便"は二の次となってしまったようだ。

現状の日本では残念だが仕方のない現実問題かも知れない...

"環境税"を"モーダルシフト特定財源"として法制度化する必要を強く感じるのは筆者だけか?

参※94)当サイト内関連記事 公務員の天下り防止策について《 甘辛時事放談 2006》 はこちら。

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後書き《 abandoned railroad 》シリーズについて

明治維新後の文明開化で訪れた陸蒸気幹線の発達と共に、日本各地で民間資本による"軽便ブーム"が起こり、その多くが昭和に至るまで大活躍していました。

今風に言うなら LRT 網と言うことになります!

そしてその多くがabandoned railroad(廃線)となって"天に召された"わけです...

これらは、市街地を駆けまわる"チンチン電車"網であったり、都市圏交通を担うインターアーバン(都市圏電気軌道)であったり、鉄道幹線(大都市)と港町を結ぶ臨海鉄道・臨港鉄道、山間部を縫う森林鉄道、更には1960年代まで北海道で大活躍した"殖民軌道"などなど...

更には、準LRTと言っても過言ではない地方ローカル線が例に挙げられるでしょう。

これらのabandoned railroad達にスポットを当てて、陸上交通における"ローカルエリア鉄道"が担ってきた役割とその"生い立ち"、更には"消えていった背景"を考察して、トランスポーターとしての『 鉄道の将来 を考えてみました!

狸穴総研 交通問題研究所 出自多留狸

 

公開:2008年7月 6日
更新:2021年8月23日

投稿者:デジタヌ

"モーダルシフト 特定財源"となる" 環境税 "の導入を!TOP過疎地 の 交通弱者 を救うには 運輸 行政 の更なる" 規制緩和 "が 必要!


 

 



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