JR東西安全事情《 鉄タヌコラム2007 》 安全に対する東西の受け止め方と心構えの差?
安全に対する東西の受け止め方と心構えの差
※<本記事は10/07/2007に旧サイトで初稿公開したレビューのお引っ越し記事です>
ー【狸穴総研・都市交通研究工房報告2007ー
福知山線のあの痛ましい事故から数年が経過した。
亡くなられた方々には心から哀悼の念を捧げるとともに、遺族の方々には心よりお悔やみ申し上げます。
さて、以前小生は10年間ほど首都圏に住んでいた事があった。
在京の後半で失職した折、列車見張り員なる"凌ぎ"をしていたことがあった。
凌ぎとは余りよい表現ではないが、実際にこれで生活を凌いでいた。
小生は無理な勤務は引き受けなかったが、仲間の中には週に12回以上勤務、月に50回近く勤務し40万円以上稼ぎ出す強者もいた!
殆どが鉄チャンないしは鉄チャンもどきであった
この時の逸話の数々は何れ別の機会に取り上げるとして...。
今回はその時耳にしたJR東の安全に関しての心構えというか、理念についてJR東とJR西とで東西の格差を感じた点について述べたい。
福知山線の惨劇報道とその後の経営陣の発言に関する報道などを聞くにつけ、安全に対する東西格差を考えさせられた。
確認はした訳ではないがこんな話がある
JR東では「列車見張り員の安全確認所作が悪いと、意地の悪い運転手は列車を止める」と言うのである。
資格更新講習会では、この手の遅延事故例が毎回報告されていた。
さてJR東の安全に対する神話?はそこから先である。
列車が止まれば、影響を受けた乗客数に応じて"秒いくら"で損害が発生し、止めさせた側は賠償請求の当事者となるのだが、止めた運転手には"列車事故を未然に防いだ"として金一封が出ると言うのである。
当時の小生はなるほどと思った。
だから列見張り員は列車緊急停止による列車遅延事故が発生しないように、決められた待避行動と安全確認所作を徹底的にたたき込まれた!
福知山線の惨事は教訓として活かされているか?
以前、福知山線事故をさかのぼること数年前、山陽新幹線トンネル内のコンクリート落下事故が多発した際。
TVニュースでリポーターの質問に当時の社長が答えコンナ暴言を吐いた事を強烈に覚えている。
曰く 「安全に100%は無い!、ただ今総点検を命じたところでもあり、今後落盤事故が発生しないとは約束できない」
小生は耳を疑った! 安全第一で乗客の命を預かるはずの鉄道のトップが言う言葉か?!
折しも臨時国会開催中の出来事、翌日の予算委員会でキョ~サン党あたりから動議が起こり当時の運輸省がきりきり舞いするのでは...と期待?したがあっけなく肩すかし!
国会の夜盗?がコンナ体たらくなものだから、その後JR西が増長し「利益追求が益々エスカレート」してあの痛ましい大惨事へと繋がったのではないだろうか?
民営化して以来、併走する私鉄と乗客の奪い合いを繰り返し営業収益の向上がJR西にとっては「金科玉条」となり、鉄道事業にとっての最重要命題「安全運行」が忘れられてしまったようである。
信楽高原鉄道の事故の時も、遺族や被害者の方々への補償もそっちのけで当事者同士で「責任のなすりつけ合い」を演じておきながら、事故その物についての反省と教訓は全く活かされていなかったようである。
社内に蔓延している「ワイには関係ない」風の他人事意識が無くならない限り、今後も事故は無くならないであろう...。
公開:2007年10月 7日
更新:2023年3月13日
投稿者:デジタヌ
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