音動楽人(みゅーたんと)

YAMAHA サブウーファー NS-SW500 購入・長期使用レポート 《最高の音質を求めて 》セッティング予備編

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NS-SW500はセッティングが難しい!?

YAMAHAの技術者さんには申し訳ありませんが、コーンウーファーと共鳴ポートが90°直行した現行品のデザインは、ベストポイントが見つけづらく...。

とりあえずの印象では、以前のコーンスピーカー(ウーファー)が脇役に徹して「共鳴ポート」主体で重低音を再生するシステムのほうが、かえってメインSPシステムの音色を損ないにくく、セッティングは楽だったように思います!

90度角度の付いた側面共鳴ポートの真意は

ヤマハさんはどうやら、初期のSWシリーズのコンセプトを変更し「25cmコーンSP」そのものも「振動板」として使用しようと企んだようで、90度の開き角度を持たせた側面に「共振」ポートを設置するデザインに変更したのでしょう!

(というより、小型化を狙った為に、25㎝口径のスピーカーユニットで"いっぱいいっぱい"の前面バッフルを使用し、しかもエンクロージャー内部の定在波(※3)の発生を抑えるために、ピラミッドの頂上を切り取ったような台形形状のバッフル形状を採用したので「共鳴ポート」の設置スペースがなくなり、側面に開口ポートを設けたよう...。)

セッティング(設置位置)が決めにくい形状で、SPと共鳴ダクトの位相差(最大180度)も影響して、バスレフタイプのメインシステムと組み合わせる場合には「置き方」とクロスオーバーポイント(13㎝SP推奨設定値100Hz)の設定には苦労します!

尚、YAMAHAさんは"アドバンストサーボ・テクノロジー"と称して、開口部に向かって「ラッパ状に広がったポート」を採用していますが...

この説明に「風切り音の抑制...」と説明されていますがこれも方便?で...、

もともと「風切り音(フラッター音=SPユニットの空振り音?)」などが生じる帯域(超低周波)は内蔵アンプでカットオフされていてスピーカーユニットは"空振りしない設計"となっていて「フラッター音」が出るはずありません!

"アドバンストサーボテクノロジー"ポートの狙いは「共鳴帯域の拡大」?

"アドバンストサーボテクノロジー"ポートの真の狙いは「共鳴帯域の拡大」?

つまりまさしくラッパ類のベルやホーンが広がっているのと同じ理由でヘルムホルツ共鳴ダクトの共振周波数帯域の拡大を狙っているのでしょう!

メインSPとのクロスオーバー設定

ご存じの通りJBL A520のようなバスレフタイプのSPシステムではウーファーユニットのfo(最低共振周波数)での振幅抑制はfo以下の周波数にチューニングされたバスレフポートで抑え込んでいる訳で、(※1)

もちろんfo以下の帯域では(スピーカーの裏側を利用する)位相は180°ずれていることになり、重低音域ではメインSP自体の特性(※01)にかなりの乱れが生じています、この周波数域にクロスオーバー周波数を設定すると後述するように相乗効果でつながりはあまり芳しくは無く、多少「ボン、スカ」の極端な低域になりやすいようです。

参※1)一般サイト関連記事 F0、Fゼロ、エフゼロとは はこちら

デジタヌ流設定術その1

そこで小生は、苦肉の策として、バスレフポートに詰め物(食器洗いスポンジ)をして、ダンプドバスレフにして、メインSPの低域特性そのものを「密閉タイプ」の方向、すなわちバスレフポートの共振(増幅)効果を抑えて、fo以下の周波数特性を素直?な方向にチューニングしようと試みました。

結果、推奨設定100Hzでもサブウーファーの存在を感じさせない繋がりが良い音とはなりましたが...。

(ちなみにJBLの極性設定が一般製品とは逆なので、「正相接続」で使用しています。またこの方法は、湿度の高い亜熱帯?になりつつある日本では密閉型システム同様に、結露による磁気回路(ギャップ閉塞)の故障が起こりやすくなり、SPそのものが故障する場合が生じるのでコマメにSP-BOXの内部換気?に心がける必要が生じます。)

嘗て同じような理由で、ダクトを持たないポート(開口部;穴)だけのセミバスレフというエンクロージャー型式が流行った時期もありました。(小生も嘗てONKYO F500という25Cmの3WaySPシステムを使用していた時期があります)

ヤマハ流の側面ポート方式はセッティングが難しい!

ヤマハ流の側面ポート方式はこの点でセッティングが「非常に難しく」なるわけ!

この点に関してヤマハの取説では、リスニングルームの定在波回避?の為となっていますが、これは「偽り、方便」です!

本来の目的は25cmSPユニット本体と「共鳴ポート」の面が見える(聞こえる)ような設定を狙ったものでしょう。

YAMAHAさんの言い訳?...と誤解を与える間違った説明!

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ヤマハさんは、「定在波対策」を前面に打ち出して「斜めセッティング」を推奨なさっているようですが?

ヤマハさんの間違った説明

嘗てのフラッグシップYSTSW-1000の取説は完全に誤っていた、そしてNS-SW500の今でも...?

anual4.JPG

このような定在波はあり得ない!

定在波(※2)は「ミラーハウス」と同じように「並行した対抗面」の間で発生するので、通常よく見かける長方形の家屋ではSP(スピーカー)の向きを変えても「対抗壁面間の距離」に応じた波長の「定在波」が発生してしいます!

特に低周波ではSPの中心軸上からの「指向特性」(※3)はほゞ90度以上すなわち平面に近く「点音源」の「球面波」に近いので、SPの向きを壁に当てようがどうしようが部屋の「縦x横」の長さに応じた「波長」の定在波が発生することになります。

詳しくは別項を参照いただくとして、正しくは縄跳びのように、両壁のポイントは音圧"0"で中央部が最大になる"半波長"の基本周波の倍数列(※4)で構成されるわけです!

一般的には、最低周波数は「壁面間隔と同じ波長をもつ1波長の音波」つまり小生宅(※5)では短辺側(幅方向)が3.01m、高さ3.54mあるので、室温20℃1013hPaの時の音速は348.6m/secそれぞれ115.8Hz、98.5Hzの定在波が生じやすくなり、場合によっては、1.5λ、2λ、2.5λなどのその倍音列の定在波も生じる可能性があります(※6)。

小生の場合は「リスニングポイント」の左右90Cmつまり180Cm幅の2枚折れの「衝立」を壁に立てかけて「リスニングポイント」での「定在波」の発生を緩和しています!(※7)

小生は、前途したように和風の1間四方(1.8m□)の衝立を壁に立てかけ(というより30°程かなり寝かせて)使用しています!

これで壁面間で起こる定在波による音響障害(※6)をかなり抑制しています、但し「壁面で閉ざされた有限の空間(室内)」では定在波は完全には駆逐できません!

※2、定在波に関する解説記事 『定在波』とはこちら

※3、指向性については『第2章第1節指向性(指向角)』 をご覧ください。

参※4)当サイト関連記事 定在波は倍音列でも生じているはこちら。

参※6)当サイト関連記事 (我が庵のエントランスホール自慢? はこちらはこちら。

※7、第4章 副則「定在波による音響障害」の回避・緩和策

サブウーファーに限らず長型ルームで起こる釣鐘現象

定在波の場合は壁面から離れていれば、音圧はあり、完全に消失するわけではありません(多少聞こえにくくなる程度!)が...。

釣鐘現象による「同相音キャンセリング効果」はスピーカーと並行する対抗壁面間の間で生じて、壁面反射の強さに応じて「あらゆる帯域」の「全ての音を打ち消して」しまい、volumeを大きくしても「スピーカー正面」の位置では音が小さくなってしまいます!

説明図は間違っていますが、完全並行は禁物

はっきり言って説明図は「おかしい?」ですが...以上の理由で25cmユニットの「正面の壁面(リスニングポジションの背後壁)」は何らかの方法でスラントさせ「完全平行」は避けるべきでしょう。

※詳しくは当サイト関連記事 リスニングルーム設計の落とし穴!...方形ルームで起こる釣鐘現象とは?をご覧ください。

参※8)、定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』はこちら。

推奨「逆相接続の理由」とは?

YMAHAが逆相接続を推奨している理由は、現在(自社も含め)殆どのSPシステムが"バスレフ(位相反転)"キャビネットに収まっているためでしょう!。

つまり、SPユニット単体の最低共振周波数fo 以下では"共振ポート(バスレフダクト)"を用いて「低域」を補強?しているわけですが...。

システムとしての公称周波数の「最低域の位相は反転」していることになります。(バックロードホーンも同じ)

そこで、この「重低音帯域」を補強するサブウーファーは位相を反転させないと(ノイズキャンセリングヘッドフォンと同じように)「お互いに」打ち消しあって、逆に重低音が消えてしまう!ことになります。

つまり、この点についても説明不足で"嘗てのNSシリーズ"のような「密閉型」スピーカーと組み合わせる場合には、"正相"設定が基本となります!(またJBLなど一部の海外製品は、日本国内で一般的に言う逆相となっていますので注意が必要です!)

以下次号に続く。


 

公開:2020年1月16日
更新:2020年3月20日

投稿者:デジタヌ

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