狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

サンポートホール高松/高松市 《ホール音響Navi》

,

四国のエントランスエリア"高松市"が誇る文化施設

四国屈指の音響を誇る「サンポートホール高松」 四国唯一のプロオーケストラ瀬戸フィルハーモニー交響楽団のフランチャイズホールであり、3年に一度開催される高松国際ピアノコンクールのメイン会場でもあるホール。四国のエントランスエリア"高松市"が誇る文化施設で四国切っての音響を誇っている。

サンポートホール高松のあらまし

高松市の誇る高松港玉藻地区東部ウォーターフロント、浜ノ町の旧・高松貨物駅跡地を再開発したエリアの象徴的建物 「高松シンボルタワー」の低層部分にあるホール群。

複合商業ゾーンサンポート高松の一角、2つの小ホール、リハーサル室(3室防振・防音完備)、練習室(6室防振・防音完備)、会議室、コミュニケーションプラザ等のあるにある複合文化施設。

サンポートホールのロケーション

高松港玉藻地区東部ウォーターフロントにあたる浜ノ町の旧・高松貨物駅跡地を再開発した地区にJR高松駅、高松シンボルタワー、JRホテルクレメント高松、高松サンポート合同庁舎、高松港旅客ターミナルビルなどの大規模施設が立地する高松市の新たな拠点として建設された。「サンポート」にある。

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

サンポートホール高松へのアクセス

所在地  高松市サンポート2-1

最寄りの駅 

JR高松駅から徒歩3分
ことでん高松築港駅から徒歩5分
高松港から徒歩2分

サンポートホール高松 施設データ

Official Website http://www.sunport-hall.jp/

  1. 所属施設/所有者  高松シンボルタワー・ホール棟/高松市。
  2. 指定管理者/運営団体  (公財) 高松市文化芸術財団/高松市。
  3. 竣工   2004年2月
  4. 設計  A&T建築研究所 

付属施設・その他

音響工学から眺めた大劇場の音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら)

3層3スロープのプロセニアム形式多目的ホール

メインホール(大ホール)は収容人員1500名と、他の地方都市の同種会館の中ホール程度の規模ではあるが、四国特産の木材をふんだんに使用し、収容人員を欲張らずに余裕あるデザインで、四国きっての音響を誇る。

素晴らしいホールであるにもかかわらず、収容人員 最大1500席がが仇となり呼び屋(weblio辞書)プロモーターからは敬遠され、フランチャイズに使っている瀬戸フィルハーモニー交響楽団以外のオーケストラ公演はあまり開催されていない。

所見

指定管理者である(公財) 高松市文化芸術財団が積極的に自主公演事業を展開している高松のカラクリ小屋?(※1)でもある

ご自慢のカラクリ天井(※2)とバルクヘッド機構で、2階席が104席/292席に3階席が101席/379席に其々設定でき、コンサート集客規模に応じた運用が可能となっている、

カラクリ小屋の名に恥じないように?もちろん残凶調整装置(※3)もそなえている。

参※1)当サイト関連記事 第7巻 現代の3大迷発明?!はこちら。

参※2)当サイト関連記事 第3章、真打!可変容積ホール?はこちら。

参※3)当サイト関連記事 マジックボックス・残響可変装置?はこちら。

総評

2階大向こうを通路とせずに客席をびっしり詰め込んだ点と、1階平土間部分は千鳥配列座席では無く眺望の観点からそれぞれ原点させていただいた。

利用率の悪い?つまらないカラクリに回せる予算があったのなら、3.9m深さの立派な奈落設備を備えているのだから、小迫り?等で満足せずに、本格的な「回り盆付き」のスライディングステージで、伝統芸能にも対応してほしかった。

定在波対策についての考察

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

間口方向想定定在波

1階メインフロア完全平行部分

3列から4列オーケストラピット部壁間約26m

  • 定在波周波数成分;約6.7Hz/0.5λ、約13.4Hz/1λ

  • 両側壁(1m<頭部)の僅かな外反で高次定在波を抑制? 

1階A-D扉間約30m;

  • 定在波周波数成分;約5.8Hz/0.5λ、約11.6Hz/1λ、
  • ※扇形段床配列座席で定在波層を回避。

1階8列側壁間隔約28.5m;

  • 定在波周波数成分;約6.1Hz/0.5λ、約12.2Hz/1λ、
  • ※扇形段床配列座席で定在波層を回避。
2階バルコニー・テラス部平行部分

2階A-D&B-D扉間約30m

  • 定在波周波数成分;約5.8Hz/0.5λ、約11.6Hz/1λ、
  • ※扇形段床配列座席で定在波層を回避。
3階バルコニー・テラス部平行部分

3階A-D&B-D扉間約30m;

  • 定在波周波数成分;約5.8Hz/0.5λ、約11.6Hz/1λ、
  • ※扇形段床配列座席で定在波層を回避。
最大奥行き方向
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約35.5m;
  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(波状)で抑制。
2F(ステージ上部反響板→2階大向こう壁面)
  • ※高次定在波はステージ上部反響板のスラント設置とアンギュレーションで抑止。
3F(プロセニアム前縁→2階大向こう壁面)
  • ※プロセニアム前縁コーナー反響板で平行面をキャンセルし、定在波を抑止。
ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部 ※プロセニアム前縁コーナー反響板・スラント設置天井・のアンギュレーションで抑止。

赤字は、健康被害につながる低周波振動成分 

参※)当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害! はこちら。

ホール音響評価点:得点85点/100点満点中

※1500席(車椅子スペースX18台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点18点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点12点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害実被害席総計;0席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が木質波状壁なので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数5=20点

初期反射障害1 壁面障害席 ;60席(48席/2階6列全席、8席/2階2列3番~6番&50番~53番、4席/3階1列1・2・55・56番席)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;96席/2階5~6列全席、

重複カウント ;ー48席

音響障害席総計;108席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数6=14点

眺望不良席数;85席/1階平土間中央部座席2~6列15番~30番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;60席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;96席

重複カウント ;ー48席

音響障害席総計;193席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大ホールの施設データ

ホール様式 

『馬蹄形』三層プロセニアム型式多目的ホール。

客席仕様

3スロープ3層 最大幅約32.2mx最大奥行約52.3m、天井高さ(最高部)約19.3m 
収容人員1500席、(車椅子用スペースX18台分、介助者席14、親子室X16席・室、、含む、)フローリング、通路のみ絨毯敷き詰め、通路のみタイルカーペット、残響可変装置。最大視認距離約;36.7m(3階大向こう→ステージ前端)/約53.4m(3階大向こう→ホリ幕下端)

内訳
  • 1階席X829席;1階可動席X126席(オーケストラピット部可動床可動席X126席、車椅子用スペースX18台分、スタッキングチェアー介助者席14席、含む)親子室X16席・人・室、含む。
  • 2階席X292席;可変クローズ席X188席含む
  • 3階席X379席;可変クローズ席X278席含む

舞台設備 

プロセニアム開口:14~18m すのこ高さ:26.7m プロセニアム高さ:6~12m 主舞台部寸法:18×18m、可動プロセニアム、反響版、オーケストラピット・小迫り、奈落設備。

その他の設備 

楽屋X6室、ウォーミングアップ室

各種・図面・備品リスト&料金表

サンポートホール高松大ホールがお得意のジャンル

準・レジデントオーケストラ瀬戸フィルハーモニー交響楽団のフランチャイズ。

高松国際ピアノコンクールメイン会場。
高松国際ピアノコンクール(※ガイド記事はこちら)のメイン会場になっている。

オーケストラコンサート以外にもオペラ・バレエ公演、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

大ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

音響工学から眺めた第1小ホールの音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら

1スロープのプロセニアム型式多目的ホール

最前列1列から4列が平土間で5列目から緩やかなハノ字段床となっている1スロープの扇形ホール、全面木質の異形壁でかこまれ高い天井と相まって、良好な音響環境を生み出している。

演劇はもちろん、ソリストのリサイタル、アンサンブルのコンサート等にも利用されている。

所見と総評

丁寧な設えで容器自体は素晴らしいが、座席を欲張って、両サイド側壁、大向こうまでぎりぎり詰め込んだ客席(※21)はいただけない。更に平土間部分中央列が千鳥配置になっていないので減点させていただいた。

参※21)当サイト関連記事 第1節・基本則 壁際に席を押し込むな! 客席周辺壁際は通路に はこちら。

今後の改修次第では満点にも...

左右両壁の入り口扉を大型(幅広)の扉に変え「へノ字」に閉まるように改装し、併せて表面に山形パネルを張り付けてアンギュレーション(シワ)を付ければ...

  • 後半スロープの5列から14列を両側・中央の3本通路として、壁際に通路を設ける。
  • 最後列は撤去して、スタッキングチェアーの補助席扱いに...
  • 2列中央部の1席を撤去して平土間部分を千鳥配列に...
  • 出来ればプロセニアム前縁のコーナー反響板の更に前方に、スラントさせたサブ反響板を新設。

定在波対策についての考察

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

間口方向想定定在波

1Fメインフロア完全平行部分メインフロアー両側A・B扉間約16.3m;

  • 定在波周波数成分;約10.7Hz/0.5λ、約21.4Hz/1λ、

奥行き方向想定定在波
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約22.5m;
  • 定在波周波数成分;約7.7Hz/0.5λ、約15.5Hz/1λ、
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(縦格子+吸音構造)で抑制。
平土間床→天井最高部高さ方向想定定在波
  • 客席平土間部約18.2m;
  • 定在波周波数成分;約9.6Hz/0.5λ、約19.1Hz/1λ、
  • ※高次定在波はプロセニアム前縁コーナー反響板・波状天井のアンギュレーションで抑制

※赤字は、健康被害につながる低周波振動成分 

参※)当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害! はこちら。

ホール音響評価点:得点60点/100点満点中

※308席(車椅子スペースX8台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点24点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点19点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点13点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

定在波「節」部席;1?席/1階平土間中央部座席4列13番席、

定在波「腹」部席;0席

定在波障害実被害席総計;1?席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が木質パネルアンギュレーション設置なので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数3=22点

初期反射障害1 壁面障害席 ;39席(14席/1階7~13列1番&25番全席、25席/1階14列全席、)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;39席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;33席/1階平土間中央部座席2~3列8番~18番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;1席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;39席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー1席

音響障害席総計;72席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

第一小ホールの施設データ

  1. ホール様式 1スロープ『扇形タイプ』プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   収容人員  312席(前舞台席78席、車椅子席8席、親子席4席)1スロープ、可変残響装置
  3. 舞台設備 プロセニアム開口:11m すのこ高さ:18m プロセニアム高さ:6~8m 主舞台部寸法:11×12m、可動プロセニアム、可動反響版、
  4. その他の設備  残響可変装置、楽屋X3室、専用ホワイエ

第1小ホールがお得意のジャンル

ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートなどが行われている。

現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショーまでジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

音響工学から眺めた第2小ホールの音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら)

二階吹き抜けの高い(7.5m)天井を持つ平土間のイベントホール。

ホール2分割可動間仕切りで2分割使用もできる。

297席のロールバックシステム(※31)、11分割アダプタブルステージ迫り(※32)、18基の吊り天井トラス(吊り天井)をフル装備した高松のカラクリ小屋!

浮き構造による完全防音・防振で全周木質格子による2重壁(※33)等で、良好なシューボックスホールとなっており、第一小ホール同様、アンサンブル団体のコンサートやソリストのリサイタルにも利用されている。

参※31)ロールバック方式客席収納システム についてのシートメーカーの解説はこちら。

参※32)当サイト関連記事 第1章、アダプタブルステージはこちら

参※33)当サイト関連記事  第1節 吸音壁で初期反響を押さえて定在波を抑制する手法 はこちら。

総評

この手のホール(ロールバックからくり小屋)にしてはよくできている方だが。左右壁面までびっしり詰め込んだ客席はいただけない。

稼働率の低いアダプタブルステージなどに回せる予算があったのなら、壁面をスラント設置するなど、基本的な部分に予算を振り分けるべきであった!

更に縦棧を設けるなど一応の工夫は見られるが低層部壁面がフラットである点で大巾に減点。

僅かでいいから両サイド壁面は外傾か内傾スラントさせるべきではあった。

※吸音壁では定在波を完全には阻止できない!

参※33)当サイト関連記事  第1節 吸音壁で初期反響を押さえて定在波を抑制する手法 はこちら。

定在波対策についての考察

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

間口方向想定定在波
1Fメインフロア完全平行部分
  • メインフロアー側壁間約15m;
  • 定在波周波数成分;約11.6Hz/0.5λ約23.2Hz/1λ
  • ※両側壁の2重壁で高次定在波抑制。
奥行き方向想定定在波
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約25m;
  • 定在波周波数成分;約7Hz/0.5λ、約13.9Hz/1λ、
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波はステージ反響板と、大向こう背後壁面処理(縦格子・吸音構造)で抑制。
ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部約7.5m;
  • 定在波周波数成分;約23.2Hz/0.5λ、約46.5Hz/1λ、
  • 天井処理(部分有効音響パネルと高さ可変照明器具)で高次定在波を抑制?

赤字は、健康被害につながる低周波振動成分 

参※)当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害! はこちら。

ホール音響評価点:得点60点/100点満点中

※305席(車椅子スペースX8台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点21点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点21点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

定在波「節」部席;37席/1階平土間中央部座席全列1・13・25番席

定在波「腹」部席;0?席

定在波障害実被害席総計;37席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が木質格子2重壁なので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点

初期反射障害1 壁面障害席 ;24席/1階3~13列1番&25番全席、

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

音響障害席総計;24席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;0席/1階平土間中央部座席

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;37席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;24席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー24席

音響障害席総計;37席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

第2小ホールの施設データ

  1. ホール様式 平土間多目的イベントホール。間口15mX奥行き25mX天井高さ7.5m
  2. 客席    308席(車椅子席8席、親子席3席)(平土間使用時500席)、297席ロールバックシステム、
  3. 舞台設備 11分割アダプタブルステージ迫り、吊り天井トラス18基
  4. その他の設備 、楽屋X3室、ホワイエ

第2小ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

第2小ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

その他の付属施設の音響デザイン

サロンコンサートにも利用できる3つの本格的なリハーサル室

公式施設ガイドはこちら)

3つのホールに対応した3つのリハーサル室はそれぞれ大ホール、第1小ホール、第2小ホールの舞台面積に相当した床面積を持ち、2階吹き抜けの高い天井で十分な容積も確保されており本番真柄のリハーサルができる。

フローティングされた構造で、完全防振・防音の施設では鳴り物(金・太鼓)勿論OKで、

あらゆる舞台芸術の本格的なリハーサルが可能な「真のリハーサルルーム!」となっている。

また椅子を並べての、小規模なサロンコンサートや「お稽古事の発表会」にも利用されている。

完全防音の独立した音楽練習施設群

(公式施設ガイドはこちら)

多くの他都市にある同種施設に見られる様な不完全な付属施設ではなく、「ホール使用時」でも「3つのリハーサル室」「6つの練習施設」それぞれ単独並立使用が可能となっている!

つまり都合11の音楽団体が同時に活動できる!

豆知識

サンポートホール高松、これまでの歩み

1999年8月27日 - サンポート湾岸整備完了。
2000年3月4日 - 新高松駅舎起工式。
2001年5月13日 - JR高松駅新駅舎・旅客ターミナルビル完成。駅前広場供用開始。

  • 8月9日 - 高松シンボルタワー起工式。

2002年5月9日 - 高松駅北複合商業施設オープン。

2003年4月1日 - サンポートの住所「浜ノ町」から「サンポート」へ変更。
2004年3月30日 - 高松シンボルタワーオープン。

デジタヌの独り言

讃岐?の本気はスゴイ!

全国の各地方自治体も、中途半端な複合文化施設など増産しないで、高松市を見習うべし!

A&T建築研究所の最高傑作

それにしても、あの見かけ倒しの安普請で醜悪な「愛知県芸術劇場」(※照会したくない記事はこちら)を設計した建築事務所が設計したとは思えない見事な施設群!

施主に当たる自治体の文化施設に対する「見識・認識」は賞賛に値する、多くの痴呆自治体のように「身の程知らずの馬鹿げた要求(仕様)」を設計者に突きつけなかったのであろう。

高松市議会と市の施設課担当者に賛辞を送りたい。

 

公開:2017年9月 9日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


TOPレグザムホール/香川県立《ホール音響Navi》


 

 

 



▲このページのトップに戻る
▲香川県 の公共ホール 音響Naviへ戻る

 

ページ先頭に戻る