旅するタヌキ

岡山シンフォニーホール 《 ホール 音響 ナビ 》元備前国 岡山藩 城下の誇る音楽のキャッスル

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Official Website http://www.okayama-symphonyhall.or.jp/

岡山シンフォニーホールのあらまし

オーチャードホール(※ホール音響ナビはこちら)に遅れること3年、西の分家と言った所か。

収容人数が伯備地域随一とあって、呼び屋(weblio辞書)プロモーターには受けが良く、自主公演以外にも海外有名オーケストラの地方巡業に使用されてもいる。

岡山シンフォニーホールのある岡山市とは

旧令制国備前国に当たる都市。

推計人口、721,294人2017年10月1日。

岡山-品川(東京) 3時間14分/17140円/新幹線/726.1km

広島市に次ぎ山陽瀬戸内・地区第2の都市として発展を続けている。

(東京都区部除く)人口増加率(平成22年国勢調査ー平成27年国勢調査)で政令指定都市20市中8位(1.40%増)となっており現在も増加傾向にある。

近年1988年瀬戸大橋開通以来の旺盛な企業進出で「若い活気ある企業」が多く若さあふれる活気ある町と成っている。

岡山シンフォニーホールのロケーション

ところ  岡山県岡山市北区表町1-5-1

トリップアドバイザーの周辺口コミガイドはこちら。

岡山シンフォニーホールへのアクセス

JR岡山駅より
タクシー 5分
徒歩 約20分

最寄りの駅 市内電車〈東山線〉「城下(しろした)」下車すぐ

岡山シンフォニーホールがお得意のジャンル

大ホール

準レジデントオーケストラ岡山フィルハーモニック管弦楽団が定期演奏会のフランチャイズとして使用している。

岡山国際音楽祭のメイン会場

同館開館3周年記念行事として始まった、ローカルイベント「岡山国際音楽祭」※フェスティバルナビはこちらのメイン会場でもある。

オーケストラコンサート、オペラ・バレエ公演以外にも、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

岡山シンフォニーホールの公演チケット情報

大ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

施設面から見た岡山シンフォニーホール の特色

(公式施設ガイドはこちら)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

市街地改造による複合施設シンフォニービルの一部となっている。

大ホール

公式施設ガイドはこちら

4層2バルコニー3段テラスの馬蹄形多目的ホール

可動プロセニアム&可動反響板でオープンステージに

可動プロセニアムと反響板でオープンステージの一体型ホールと成る今流行のデザイン。

大型反響板でステージを一体化する手法は元祖オーチャードホールやその後現れた、「いわきアリオス」(※ホール音響ナビはこちら)等と同じ手法。

1階メインフロアー

ステージ前から4列までの平土間部分と平土間に近い緩やかな、扇形スロープ状に配置された19列目までの前半部分と扇形段床上に配置された客席後半部分とからなる。

中2階サイドテラス席

メインフロアー最後部から左右両側壁に沿って2列の高床式のサイドテラス席がサイドプロセニアム直前まで伸びている。

馬蹄形段床の2・3階バルコニー席

左右両翼から前方に伸びた1列のサイドテラス席を設けた馬蹄形段床の2・3階バルコニー席を持ち、それぞれ前方部分背後迫あがった1列の背後テラスを備えている。

特に3階のサイド背後テラスはほぼ1フロアー相当の段差が有、4階サイドテラス席と呼んでも良いような構成になっている。

2・3階後部バルコニー席以外は定在波無視?の壁面デザイン

2001席の客席は、優れた臨場感の3層バルコニー型式。温かみのある木目調の
豊かな雰囲気の中で、ゆったりと鑑賞していただけます。<公式サイトより引用>

メインフロアーの両側は石壁

どう言う分けか中2階に相当する平土間両測・高床桟敷の床囲いが「人造大理石」で表装された垂直なプレーン壁と成っており、左右両側壁が完全に並行している!

つまり収容人員2001席の過半数の1180席が石壁で囲まれている訳である!

明らかに誇大広告!ではなかろうか?

このデザイナーは行ったし何を考えているのか(勘違いしたのか)?

間違った壁材選択  

通常初期反響(※1)を押さえる目的で「低層部客席周辺側壁」には木材などの音響インピーダンス(※2)の小さい素材を選択し、高層部では後期残響(※1)創出の目的で反射が生じやすい音響インピーダンスの大きい「硬質材」を用いるのがセオリー(※3)となっている。

なのにこのホールは真っ逆さま!

2・3階後部バルコニー席以外は定在波無視?のデザイン

2階の2L2R3階の3L3R部分のバルコニー全席を除き、「大半の客席側壁は垂直でプレーンな完全並行壁!」で「アンギュレーション(屈曲)処理」「スラント(傾斜)処理」等の基本的な定在波発生対策は講じられていない。

つまりこのホールでは至る所に定在波(※4)の嵐が吹きまくっているというわけである。

扇形配置客席を用いた定在波障害緩和策

このホールにおける「定在波障害」(※5)に対する緩和策は「扇形段床」配置の客席配列のみである。

しかも前途した通り「緩やかなスロープ」を用いており扇形配列による「谷間効果」は殆ど期待出来ず、「メインフロアーのかなりの部分」で障害が発生している模様である。                             

※小生の頼りになる"アシスタントモニター嬢"のメインフロアー前方中央列でのコンサート体験レポートによる。

ホール音響評価点:得点67点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点43点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点14点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点6点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

総評

当ホールの完成年1991年頃は、設計手法が確立していなかった時期でもあり、1階平土間部メインフロアーも含め壁際の「初期反響」処理に問題がある。

都市伝説「残響2秒以上」(※6)に拘り、「定在波封じ込め」(※3)をおろそかにした典型例である...トホホ。

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。
定在波評価

※障害発生エリアの側壁は総客席数の1/3の以下なので基礎点は50点とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数4=46点

定在波障害顕著席数;92席(定在波節目78席/1~39番/1LB・RBの2列目全席、14席/2LB・RBの1~3列の後列壁際、)

初期反射対策評価

※障害発生エリアの側壁はプレーン木質パネルで表装されているので23点配点とした

基礎点B2=素材基礎点23点ー障害発生エリア数7=16点

初期反射障害1壁面障害 162席(78席/1~39番/1LB・RBの2列席、22席/2L・Rの大向う7列の2~12番席、14席/2LB・RBの1~3列の後列壁際、48席/3LB・RBの1~3列の全席)

初期反射障害2 天井高さ不足128 席(48席/`28~39番/1LB・RBの1・2列全席、80席/2L・Rの大向う6・7列の全席、)、

重複カウント ;ー46席

音響障害席総計;244席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数8=12点

眺望不良席数;48席/1F平土間中央部(平土間部分)座席

音響不良席その1;定在波障害顕著席92席

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 162席

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 128席

重複カウント ;ー148席

音響障害席総計;282席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

イベントホール

(公式施設ガイドはこちら)

充実した音響設備と、可動式の舞台、照明、客席。 コンサートをはじめ、講演会、研修会や展示会、パーティーなど 様々なイベントに応じて自由に使用できます。 ※催物により、パテーションの取り外しが可能です。<公式サイトより引用>

天井高3m、床面積150㎡(90畳)定員200名の平土間多目的イベントルーム、

壁紙で表装された一般建築用石膏ボードの壁面を持ついわゆる宴会場形式の多目的スペース。

仮設ポータブルステージ用平台(180X90X30X15枚)は用意されているが、美術バトン類もないただの宴会場?

公式備品リスト&使用料金表はこちら

ルーム音響評価点:40点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1,「定在波対評価点:20点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:20点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
総評

この設えでは、とてもホール側の言うようにクラシックコンサートなどには使えなく、せいぜいジャズボーカルライブかアコースティックギターのリサイタル程度が限度であろう。

スタジオ1(リハーサル室)

公式施設ガイドはこちら

巾9.4m長さ13.9m床面積130㎡(約48.5畳)のスタジオ1はやや小ぶりではあるが。音響設計も充実している

ルーム音響評価点:96点

内訳

定在波対策評価点:48点/50点満点(ルーム低層部に1対以上のプレーンな並行壁がある場合は持ち点はx0.5と成ります)

初期反射対策 評価点:48点/50点満点(ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は持ち点はx0.5と成ります)

総評

おそらくはこの施設の中では最もまともな音色が奏でられる唯一のスペース。

スタジオ2

長さ11m巾6m床面積60㎡(約36畳)の手摺りのついた、長手壁片面が鏡張りのバレエ・ダンス練習にも使える練習室がある。

ルーム音響評価点:36点

内訳

定在波対策評価点:18点/50点満点(ルーム低層部に1対以上のプレーンな並行壁がある場合は持ち点はx0.5と成ります)

初期反射対策 評価点:18点/50点満点(ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は持ち点はx0.5と成ります)

施設データ

  1. 所属施設/ 岡山シンフォニービル
  2. 指定管理者/運営団体  財団法人岡山シンフォニーホール/岡山県、岡山市、県開発公社。
  3. 開館   1991年
  4. 設計  芦原建築設計研究所 アール・アイ・エイ設計・監理共同企業体
  5. ゼネコン アイサワ工業・清水建設JV
  6. ホール様式 『馬蹄形』プロセニアム型式多目的音楽ホール。
  7. 収容人員 

    3層構造2,001席(1階席:1,285席、2階席:337席、3階席:379席)
    ※1,285席より車いす専用スペースとして10席(1階19列左)を取り外しています。
     次の場合は減席となりますので、ご注意ください。
     (1)オーケストラピット使用時:141席(5列まで)
     (2)前舞台使用時:48席(2列まで)、141席(5列まで)
     (3)車いす対応:10席(1階19列右)
     (4)客席に操作卓等設置:22席(1階20列と21列中央)
     (5)フロントサイド・スポットライト等使用時:38席(最大)(2階、3階ボックス席)

  8. 舞台設備 

    間口:20m(舞台奥 幅14.5m)
    奥行:11m(前舞台〈オケ迫り〉使用時最大16m
    高さ:15m(反響板時)オーケストラ迫り(2分割 60㎡)
    音響反射板(天井部分3分割スライド式、側面部分3分割)

  9. その他の設備 、携帯電話を自動的に圏外にする装置「テレ・ポーズ」
  10. 付属施設 楽屋x7、イベントホール(200席多目的ルーム)、和風ホール( 48畳(畳敷き)大宴会場スタイル)、スタジオ1、スタジオ2その他。
  11. 施設使用料金は こちら。

デジタヌの独り言

1991年開館とあって、今となっては施設全体の企画・デザインが古くさく、サンポートホール高松(※ホールナビはこちら)等に比べると、施設面で相当見劣りがする。

今後の大改修・設備増強計画に期待する。

改修のポイント

基本的には、天井の高い「良い素顔」を持った美人ホールであるので、以下の項目の改修を重点的に実施すれば、最新のホールと同様の音響に生まれ変わるであろう。

その1)メインフロアー周辺壁面改修

壁面沿いの通路に余裕がありそうなので、「大理石」を撤去し「最新の木質グルービングパネル」を僅かに内傾若しくは、手摺とセットで外傾(外反)スラント設置すれば、メインフロアーの音響は激変するであろう。

その2)2階サイドテラス背後壁面改修

2階サイドテラスについては、座席背後の余裕(間隙)が無いので、座席間の空間を利用して、「山形パネル」を貼り付け、定在波発生を回避すべきである。

その3)メインフロアー中央部座席の配置変更

メインフロアー中央部座席は19列まで奇数列座席を1席づつ都合10席撤去し千鳥配列座席にすべきである。

1930年開館の名古屋市公会堂(※ホールNavi はこちら)ですら前回の改修時にすでに回収されている。(現在2度目の大規模改修中)

その4)天井高さの問題

2階バルコニー6・7列80席は撤去し「立見席ないしは補助席」とすると良いであろう。

(※名古屋市の場合は座席を撤去し音響調整室に改修中である。)

1階サイドテラス後部については、多少大掛かりとはなるが、床面を20番~27番席と同一面まで下げ、できればメインフロアー両サイド26列から35列の両側2席程度を撤去し後部39番席の部分を内側に絞りテラスを「ハノ字」型に改修すれば、視界も確保でき「シューボックスホールの難点」ホール後方での定在波発生にも対処できるであろう。

出来の悪い息子(ホール)でも作った以上は育てるのが保護者(所有者)の"責任"というものである!

※参照覧

※1-1. 直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※2,音響インピーダンスについてはー音響工学の基礎から観てみると、壁面・天井からの反射波は...ーをご覧ください。

※3、「芸術ホール設計のセオリーとは?」を(音響拡散体・グルービングパネルについても記載)ご覧ください。

※4-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※4-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※5、関連記事『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。

※6、関連記事「都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?」はこちら

公開:2017年9月 9日
更新:2018年10月31日

投稿者:デジタヌ

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TOP倉敷市民会館 《 ホール 音響 ナビ 》 有名な倉敷美観地区にある倉敷アイビースクウェアに面したホール




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