旅するタヌキ

ハーモニーホール 《 ホール 音響 ナビ 》赤穂市文化会館

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Official Website http://www.ako-harmony.jp/

赤穂市文化会館のあらまし

バブル景気末期の1990年に計画され翌年1991年に着工1992年に開館したホール。

2階テラス席を備えた高い天井の扇形プロセニアム型、多目的大ホールと演劇に重点を置いた最大432席のシューボックス型多目的小劇場の2つのホールを備えた、赤穂市の誇る文化施設。

赤穂市文化会館のロケーション

ところ  兵庫県赤穂市中広864

トリップアドバイザーの周辺口コミ ナビはこちら。

赤穂市文化会館へのアクセス

最寄りの駅 
JR姫路駅より赤穂線経由30分
JR播州赤穂駅より徒歩東南へ10分
JR相生駅より自動車25分

赤穂市文化会館がお得意のジャンル

大ホール

ル・ポン国際音楽祭(※ナビ 記事はこちら)の会場のひとつになっている。

オーケストラコンサート以外にも舞台演劇以外にも、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

小ホール

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートなどが行われ、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

赤穂市文化会館の公演チケット情報

大ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

小ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

施設面から見たホールの特色

(公式施設ガイドはこちら)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

大ホール

(公式施設ガイドはこちら)

可動プロセニアム、音響反射板、せり上がり拡張舞台(オーケストラピット兼用)をセットすると、フルオーケストラにも対応した高い天井を備えた客席舞台一体型の変形シューボックス音楽ホールとなる。

長方形に近い2フロアーのプロセニアムタイプの多目的ホール

ステージ直前の"あ列"から"き列"まで6列に及ぶ広いエリアの平土間部分から続く大きく回り込んだ緩やかな扇形段床スロープを持つ"し列"までの前半部と、中央部通路を挟んで同じく扇形段床のスロープを持つ"す列"~"ま列"の15列の後半部分途で構成されたメインスロープと、両翼から前方に伸びたサイドテラス席を持つ比較的急な扇形段床の2階バルコニーで構成された2スロープ2層のプロセニアム形式多目的ホール。

軒の浅いサイドテラス

テラス席の出っ張りが少ない、高い天井高さをフルに活かしたデザインのサイドテラス席。

全面木質プレートのホール内装

内壁、天井全てに渡って合成木材で表装されている。

装飾梁をあしらった側壁

側壁は横桟をあしらったプレーンなパネルでサイドテラスを挟んでラウンドした凸形状の装飾梁が下部に1列、上部に2列、音響拡散体(※1)として設えられてている。

ラウンドした大向う背後壁

1・2大向うは通路になっており背後の調光室と親子室のが明日窓部分は「ハノ字」にラウンドし、ステージ背後反響板との並行面を緩和している。

背後壁はラウンドしておりステージ反響板との並行面をキャンセルしている。

2階大向うは背後は音響調整室になっており、ガラス窓は上部に配置され、客席背後は側壁と同じパネルで表装されている。

忍者屋敷ふうの回転カラクリ壁?

上部側壁面と天井には可動式音響反射装置(※2)が設けられ、演劇用途(残響1秒以下)からコンサート用途(残響1秒以上)迄、調整可能となっている。

客室後部まで、張りのある滑舌の良い「響きの少ない輪郭のハッキリした肉声伝達」が求められる演劇から、「程よい響きで観客を包み込むような音色」が要求されるコンサートまで幅広く対応出来るよう配慮されている。

ホール音響評価点:58点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点22点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点19点/配点25点
  • 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点14点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評

扇形段床頼みの消極的な定在波回避策

壁面は前途の通り横桟を配したプレーンな、当ホール専用規格の合成木材プレートをアンギュレーション(屈曲)もスラント(傾斜)もさせずに本体構造体に垂直に張り付けた表装なので、ホール横断定在波(※3)は発生し放題?で客席の障害回避策は、前途した客席の扇形段床配置による"中央部分の谷間"と定在波の"節"となる両側壁間際を通路にして、定在波音響障害を回避する消極策のみ。

定在波はカラクリ壁ではでは解決しない!

従って、この手法が適用できない、2階サイドテラス壁際の一部の席ではもろに定在波の節目に当たるミステリースポット(※4)の餌食になっている。

事前の設計段階でコンピューターシュミレーションでこの部分に定在波音響障害が発生するのは分かっていたはず!なのに、アンギュレーション(屈曲)もスラント(傾斜)もさせない垂直の平行壁面とはぶったまげた!

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

定在波評価

※ホール客席の2/3以上に及ぶ広範囲が垂直完全並行壁面でしかも障害席も生じているので基礎点25点とした。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点

定在波障害顕著席数;14席/2階R&L7番から13番7席X2箇所

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質がプレーンパネルなので素材基礎点23点とした。

基礎点B2=素材基礎点23点ー障害発生エリア数3=20点

初期反射障害1 壁面障害席 ;50席(36席/2階大向う席、14席/2階R&L7番から13番7席X2箇所)

初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;50席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;72席/1階平土間中央部座席あ~き列13番~24番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;14席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;50席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー14席

音響障害席総計;122席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

カラクリ壁でごまかせるのは、後期残響(散乱波)(※3)の抑制のみ!

つまらないカラクリに金(設備費)をかけるより、各フロアレベルから1.8m以下の壁面を内傾か外傾スラント処置をすべきであった。

小ホール

(公式施設ガイドはこちら)

ロールバックシステムを備えた平土間多目的ホール。

演劇用途を考慮に入れた、程よい残響(1秒以下)でアコースティック楽器の生音を堪能できる?

平土間としても使えるこのホールは十分なホール高さ(容積)を備えており。

上下可動・可変式天井と、可動プロセニアム、可動音響反射板、拡張迫り上がり舞台、ロールバック客席を使用し、高天井の1スロープシューボックス音楽ホール構成にすれば、内壁全面人工木材の設えと相まって、本格的なシューボックス音楽ホールに変貌し、ソロ奏者のリサイタル、アンサンブルのコンサートにうってつけの音楽ホールとしても利用できる?

残念なのは完全並行、垂直の側壁!

但し、残念なのは大ホール同様に完全並行、垂直の側壁。

低層部、中層部、上層部と丁寧に絞り込まれているにも関わらず、完全並行では、定在波障害(※4)が発生してしまい、せっかくの木質壁も台無し!

側壁を垂直方向に段階的に絞り込むよりはスラント(傾斜)設置壁面とすべきであった!

さらに付け加えるなら

ご自慢のマジック天井(※2)は初期反響と後期残響(※5)を吸収することは出来ても「ホール巾方向の定在波」は制御できません!

デザイナーさんは音響工学を基礎から「勉強」し直してください。

施設データ

  1. 所属施設/所有者 赤穂市文化会館赤穂市
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)赤穂市文化とみどり財団赤穂市
  3. 開館   1992年5月

大ホール

  1. ホール様式 『扇形タイプ』プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   2フロアー 収容人員 1168名、2階テラス席、仮設花道、可動側壁上部反響板
  3. 舞台設備 間口16m高さ10m奥行19m、脇花道、、ブドウ棚(すのこ)、可動プロセニアム、可動反響版、仮設能舞台、
  4. その他の設備 オーケストラピット(可動床)、楽屋x5、スタッフ室
各種図面,

小ホール

  1. ホール様式 プロセニアム型式平土間多目的ホール
  2. 客席   1フロアー 収容人員 432名、ロールバックシステム、可動床、
  3. 舞台設備 間口8m高さ10m奥行8.4m、ブドウ棚(すのこ)、可動プロセニアム、可動反響版、
  4. その他の設備 楽屋x3、上下可動天井。

付属施設・その他

デジタヌの独り言

Nagata Acoustics Designが関与していないデザイン(設計)チームによる作品だが、定在波対策以外の基本構成(十分なホール高さ)、と軟質軽量材による内装で「程よい残響」?を創出している。

但し、ホール運営側の人材育成は?

但し、十二分に施設の機能を理解した、専任の「音響ディレクター&フロアマネージャー」を配置する必要がある。

この手の「カラクリ」(※2)を備えた自治体施設では、資格を持った舞台装置・照明・電機技師は配置していても、「音響技師」が不在で、設備を十二分に使いこなせずに「宝の持ち腐れ」に成ってしまっているケースが多い!

今後の更なる音響改善策に期待する

次回の改修では、メインフロアー後部と2階バルコニー・テラス席両側壁を含む背後壁面をそれぞれのフロアーレベルから180㎝以内は「スラント設置」に改修し定在波を駆逐することである。

この部分の壁面改修とメインフロアーかぶりつき中央部72席の奇数列4席を撤去し千鳥配列に変更するだけで、素晴らしいホールに変身するであろう。

※参照覧

※1、音響反射体については、『ホールデザインのセオリー その4 ホール形式とディテール・デザイン』をご覧ください。

※2、現代の3大迷発明!「珍妙からくり(残響調整装置、可変段床設備、高さ可変吊り天井)」に関する記事はこちら。

※3-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※3-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※4、関連記事『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。

※5、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

公開:2017年9月14日
更新:2018年11月 3日

投稿者:デジタヌ

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