旅するタヌキ

ザ・フェニックスホール 《 ホール 音響 ナビ 》全国にプレミアムホールブームを巻き起こしたホール

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建築音響デザイン面から眺めたザ・フェニックスホール

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

(公式施設ガイドはこちら)

街中の「空中音楽スポット」、夜景を楽しみながら?「音に酔う.」ファンタスティックな「8角堂」!?

フローリング平土間のメインフロアと2階バルコニー席の2層構造の、高い天井を持つ「夢殿」スタイルのホール。

所見

正八角堂を基本とするデザインのホール

多角堂に付きものの対抗する五軸10面(壁8面+天井;床)が全て並行するデザインになっており、3階吹き抜け相当の天井高さ(13m)も十分に生かし切れていない天井デザインで、数多くの音響改善補助装置が物語っている様に残響(※4)どころか定在波(※5)処理に手こずった後が在り在りと見てとれる。

更に1995年「バブル経済崩壊後」の粛正にもめげず、かなり手の込んだ「豪華なサロン」であるが...。

一言で表現するなら「癖の強い音響」のホールと言えるだろう。

ご自慢のアダプタブルステージ

素晴らしい展望を楽しめるのは結構だが、音楽ホールは展望台では無い!

16分割舞台のアイデアは秀逸であるが、床剥き出しはチョット...。

今後、すぐにでもできる改善策として、床全面に分厚い絨毯を敷き詰めることをお勧めする。

ここまで「手間ひま・コスト度外視」の凝った設えを出来る費用があったのなら、もう少し他に「プレミアムホール」がデザイン出来たのでは?...。

「夢殿」や「バチカン大聖堂のドーム」に憧れるのは結構だが、宗教観?から離れて、「小手先のカラクリ」に頼らず冷静に「音響理論」に基づいた「プレミアムホール」がデザイン出来なかったのか?

ビルの中の空間という制限は判るが先輩「イシハラホール」や「Hakuju Hall」「宗次ホール」など「狭い空間」を上手に使った「プレミアムホール」は幾つもある。

ホールデザイン上の特徴

法隆寺夢殿を模した八角堂スタイルを採用!

「8角堂の持つ障害」を克服する為に客席周辺の壁面は全周に渡り(遮音向背音響反射板使用時)木質パネルを採用している。(まあ当たり前だな...ン。)

下層部1階メインフロア周辺壁面は帷子風に縦方向の鎧張り(下見板張り)を採用した木質パネルを採用しているが、...

所詮8角堂、C扉面とB扉面がプレーンな垂直面であり、同じくプレーンで垂直な抗壁面(音響シャッター・コーナー面)と「完全並行」し定在波(※1)が発生している!為に標準座席配列でA列からD列の中央部分でミステリースポット(※2)が発生している。

《特にA列10・11番辺りつまりかぶりつきの真正面席が最悪なのでここは避けた方が賢明。

※事実かぶりつきの好きな知り合いの女性音楽ファンが「とあるピアニスト」のリサイタルに行き、ffでピアノが壊れたのか?と思うような響きがし一瞬たじろいだと言っていた。

ミステリースポット席ナビ?;A列10・11番、B列8・13番、C列7・13番当たり(いずれも標準座席配置表による)2階CC列20~27番、CC列の3~9番と20~27番&38~44番、これ以外では、客席スロープそのものが急峻なので定在波は発生しない。

プロセニアムのある変形六角堂エンドステージが標準設定

2カイバルコニーの大向こう席背面壁面とほぼ同じ高さのプロセニアム!は上縁が前傾スラント全面パネルを持つ「拡声器?」と段付きで「折り上げた」反響板に成っている。

2階バルコニー席上縁3階相当部分を取り囲む壁面は変形6角型で最上部の6角型ドームに合わせて折上げた木質梁(額縁)と凸面の山型の音響ネットで表装されたマジックボックス(吸音BOX※1)と変形6角型の5面を使った2階バルコニー上縁の装飾梁とを繋ぐスラントさせたプレーンな木質パネルで構成されている。非常に幾何学的な凝った壁面である。

更にステージ(硝子窓部)と対抗する2階正面客席上層部は「前傾スラント角度」を調整し、「残凶」を調整出来る?「カラクリ」反響板がしかけられている。(プレーヤーには適度なフィードバックが生じるかもしれないが、聴衆にはまるで関係ない!)

2階バルコニー前縁はセオリー通り面取りをしスラントさせてある。

又2階バルコニー席背後の壁面上部には4角錐状の音響拡散体が隙間無く設置されている。

3階相当部分最上層部は6角型を基本とする、アイリス(絞り)パネルで構成された頂点部に明かり取り窓?を持つ疑似ドームと成っている。

メインフロアが8角型/音響シャッター(反響板)未使用眺望モード時。

2階バルコニー部分が変形6角型最上層ドーム部分(※3)が6角型という非常に手の込んだデザインのホールであるが...。

無駄な対抗面対策

3階部分には凝った前面スラントシャッターが装備されているが、こんなところで定在波(※4)が発生しても奏者、オーディエンス共に影響はない!最上層部も同じ、このデザイナーは一体何を考えているのか?

アーティストの要求に応じた?16分割昇降床によるアダプタブルステージ

16分割昇降床によるアダプタブルステージ (※1)(ホール1階席フロア中央部分は16のブロックに分かれておりそれぞれ独立した昇降が可能?

天井・壁面の豊富なカラクリ!

天井や壁には、 ホールの響きをきめ細かく調整できるよう、随所に反射/吸音の可変機構(※1)を設備。

演奏家の好み?に応じ、適度な残響条件を作る狙い?だが...。

「客席の無い部分にいくら金を投じて」も気休めほどにもなっていない?

遮光・遮音向背音響反射板

反射板を開放すると大開口ガラスウィンドから望む眺望が拡がる。

遮光壁をおろせば、完全な室内ホールとして機能。

ホール音響評価点:53点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点35点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点11点/配点25点
  • ※木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点2点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評

いくら凝った仕掛けで厚化粧(残響付加)(※5)しようが土台(8角形)(※6)が悪ければ美人(銘ホール)とは言えない!

デザイナーは音響工学を基礎から学び直すべし!

朗読、少人数による芝居などが向く実験劇場

音楽ホールというよりは「実験劇場」として、小人数で行われる舞台演劇、朗読、1人芝居などが向くのホールでは無かろうか?

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数7=43点

定在波障害席数;50席(28席/1F、22席/2F)

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数9=16点

初期反射障害1壁面障害 86席(44席/1F、42席/2F、)

初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント;0席

音響障害席総計;86席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数15=4点

眺望不良席数;36席/1F平土間中央部座席

音響不良席その1;定在波障害席数;50席(28席/1F、22席/2F)

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 86席(44席/1F、42席/2F、

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー48席

音響障害席総計;93席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールのあらまし

Official Website http://phoenixhall.jp/

1995年当時全国でも3番目、大阪では2番目のプレミアムホールとして、「上質の音楽」を、「豪華な雰囲気のサロン」で「上質のおもてなし」と共に味わえる空間を目指し開設された。

レセプショニストを配し「大阪有数のおもてなし」を演出している。

あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールのロケーション

所在地  大阪市北区西天満四丁目15番10号

大阪「キタの繁華街」のど真ん中、国道1号線と、梅新通り(御堂筋)と新御堂筋で作る三角地の「一国側正面」に位置する。

ここから大阪駅(梅田駅)に向かう梅新沿いには、大和証券、みずほ銀行の入る「駅前第3ビル」「駅前第四ビル」阪神百貨店などが建ち並び、商工地区であると同時に、曽根崎新地と呼ばれる大阪気っての大飲食店街「北新地」でもある。

大阪市と周辺にある観光スポットについてのトリップアドバイザーの 口コミ ナビはこちら。

あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールへのアクセス

北新地 大阪 梅田 梅田 梅田 淀屋橋 東梅田 西梅田 淀屋橋 大江橋各駅

あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールが得意のジャンル

「大阪クラシック~街にあふれる音楽~」のサブ会場。

ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートが数多く行われている。

あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

ザ・フェニックスホールの施設データ

  • 所属施設/所有者 あいおいニッセイ同和損保フェニックスタワー。/あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
  • 指定管理者/運営団体 MS&ADビジネスサポート株式会社。/あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
  • 開館   1995年
  • ホール様式 八角堂スタイルプロセニアム型音楽専用ホール
  • 客席    2フロアー、収容人員 標準301席 (最大335席)2階テラス(桟敷席)
  • 舞台設備  オープンステージ形式16分割昇降床によるアダプタブル方式(※1)(可動、可変16分割迫り上がりステージ)可動席、向背可動音響可変シャッター
  • 付属施設  楽屋5室、アーティストラウンジ、ホワイエ、エントランスロビー他。
  • 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら。

あいおいニッセイ同和損保 とザ・フェニックスホールの成り立ち

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

https://www.aioinissaydowa.co.jp/

本社 東京都渋谷区恵比寿1-28-1

1918年6月30日

資本金1,000億円

あいおいニッセイ同和損保とザ・フェニックスホールのこれまで

1897年「小樽貨物火災」設立

同年「横浜火災海上」設立

1906年(明治39年)「共同火災海上」設立

1907年「神戸海上火災」設立

1913年「千代田火災」設立

1918年「朝日海上火災」設立

同年「東京動産火災」設立

1920年「東神火災」設立

同年「千代田火災海上再」設立

1922年小樽貨物火災が「富国火災海上」に改称。

1927年「大倉火災海上」設立。

1942年 「千代田火災」が千代田火災海上再を吸収合併「千代田海上火災」となる。

1944年 、東京動産火災が東神火災を吸収合併「大東京火災」誕生。

同年 「大倉火災海上」富国火災海上を吸収合併

同年 「横浜火災海上・共同火災海上・神戸海上火災・朝日海上火災」4者が対等合併、「同和火災海上」と成る。

1945年、「大倉火災海上・千代田火災海上」2者が対等合併「大倉千代田火災海上」設立。

1946年 大倉千代田火災海上が「千代田火災海上」に社名変更。

1949年 大東京火災が「大東京火災海上」に改称。

1995年同社の前身旧「同和火災海上」創立50周年にあたり、同社大阪本社と同時にザ・フェニックスホール開館

1996年 「ニッセイ損保」設立

2001年ニッセイ損保・同和火災海上の2社が対等合併「ニッセイ同和損保」誕生

同年、大東京火災海上・千代田火災海上の2社が対等合併「あいおい損保」誕生

2008年「アドリック損保」設立。

2010年10月あいおい損保・ニッセイ同和損保の2社が対等合併「あいおいニッセイ同和損保」誕生。

2011年6月「あいおいニッセイ同和損保」がアドリック損保を吸収合併。

※参照覧

※1、現代の3大迷発明!「からくり小屋列伝」はこちら。

※2、ミステリースポットに関する解説はこちら。

※3、音響工学の基礎2「応用編ーパラボラ収束音場クロス拡散法について」はこちら。

※4、定在波の悪影響に関する解説記事はこちら。

※5、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※6、関連記事「夢殿」は夢見ても設計するな!はこちら。

※、関連記事「音の良いホールの条件」はこちら

※、関連舞台解説記事「芸術ホール設計のセオリーとは?」はこちら。

※、「都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?」はこちら

 

公開:2017年9月15日
更新:2019年2月 6日

投稿者:デジタヌ

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