狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

ザ・ハーモニーホール/松本市音楽文化ホール 《ホール音響Navi》

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ザ・ハーモニーホールのあらまし

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

(公式施設ガイドはこちら)

まるで教会のようなレンガ造りの3角屋根の建屋が並んで佇んでいる。

立派なレンガ造りの大聖堂を思わせる音楽堂。小聖堂?も従えている松本市の誇る無宗派の宗教施設?

ザ・ハーモニーホールのロケーション

ところ  長野県松本市島内4351

松本駅から大糸線で2駅目、奈良井川を渡った松本市街地の外れ島内駅の改札口とは反対側の南側の一角にある。

大糸線から90mぐらいしか離れていないが、会館の回りは公園になっており間の木立が列車走行音を和らげてくれている。

南側は、通路を挟んで市営島内団地の4階建ての建屋でガード?されている。

アクセス

島内駅/大糸線徒歩2分

ザ・ハーモニーホールの施設データ

https://www.harmonyhall.jp/

  1. 所属施設/所有者 松本市音楽文化ホール/松本市。
  2. 指定管理者/運営団体 (一財)松本市芸術文化振興財団/松本市。
  3. 開館   1985年10月。
  4. 設計  日本総合建築事務所
  5. ゼネコン 
  6. 内装(改修音響マジック) 永田音響設計

付属施設・その他 

各種・図面・備品リスト&料金表のダウンロードはこちら

建築音響工学から眺めたメインホール

山形天井で石造り(打ち放しコンクリート壁)建屋正面にパイプオルガンが設置され、祭壇(オープンステージ)が設えられ「大聖堂」を彷彿とさせるデザインのホール。

礼拝堂と異なるのは低いオープンステージと平土間ならぬ緩やかなスロープで構成されている「フロアー」ぐらい。

石造りの「無い装?」は「巨大エコールーム擬き仕様(※1)」。

ホール後方大向う通路背後中層部は布製の音響ネットで表装された吸音壁。(この内装のホールなら当然でショウ!)

上層部はアンギュレーションを付けた木質パネルと。

上層部は中層部と同じ吸音パネルを中心に左右にアンギュレーションを付けた"音響ネットで表装された吸音壁となっている。

天井は台形の装飾梁を設け段差を付けた反響板を用いている。

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

間口方向定在波
1Fメインフロア平行壁部分平土間部分
  • メインフロアー側壁間約20.6m;約16.9Hz/1λ、約25.4Hz/1.5λ、約33.8Hz/2λ、約42.3Hz/2.5λ、約50.8Hz/3λ、
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
1F中間部平行壁部分(G~J列)
  • メインフロアー側壁間約20.6m;約16.9Hz/1λ、約25.4Hz/1.5λ、約33.8Hz/2λ、約42.3Hz/2.5λ、約50.8Hz/3λ、
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • ※ハノ字段床配列座席で定在波層を回避。

1F後半スロープ平行壁部分
  • メインフロアー側壁間約20.6m;約16.9Hz/1λ、約25.4Hz/1.5λ、約33.8Hz/2λ、約42.3Hz/2.5λ、約50.8Hz/3λ、
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。

最大奥行き方向
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約31.8m;約11Hz/1λ、

  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(アンギュレーション壁)で抑制?
  • 客席ストレート段床で抑制
ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部約15.9m約21.9Hz/1λ、約32.9Hz/1.5λ、約43.8Hz/2λ、約54.8Hz/2.5λ、約65.7Hz/3λ、約76.7Hz/3.5λ、約87.7Hz/4λ、
  • ステージ部約15m;約23.2Hz/1λ、約34.9Hz/1.5λ、約46.5Hz/2λ、約58.1Hz/2.5λ、約69.7Hz/3λ、約81.3Hz/3.5λ、約93Hz/4λ、
  • 波状天井・両脇スラント設置天井・のアンギュレーションで高次定在波を抑制

赤字は可聴音域内重低音。

ということで、「壁面間隔20m超」のセオリー(※2)のおかげで平面方向(間口・奥行き方向)の定在波は可聴帯域外の低周波振動なので定在波障害被害者は無し?。

但し、天井中央部が水平!な「山形のボールト」しかも客席平土間部天井高さがタブーの約16m(※3)なので、平土間中央部の観客(A~F列12番~22番)11席X6列=66人は4波長定在波の腹に当たるサプライズゾーン(※4)の餌食?となっている。

但しステージ上でも(コンサートグランドピアノの最低音A音の近傍にあたる)23.2Hzの1波長の重低音定在波は生じているが天井高さ15mなので、かろうじて高次定在波の腹・節部(ミステリーゾーン)は避けている。

ということで、今回は20ⅿ超のセオリーを適用したホールでもあり、定在波による音響障害実被害は高さ方向のみで、平土間中央部分の一部の聴衆?にかぎられるので、一応"0"席査定とし、実被害が生じているので、基礎点は25点に減じ、被害エリアもー1点とした。

総評

ウーン...。

「1989年10月開館の804名収容の姫路・パルナソスホール (※ホール 音響 ナビ はこちら)同様に凄いホールである!?」としか言いようがない...。

殆ど同年代なので、兄弟ホールなのかもしれない?

せめてアーティストの乗っかる?ステージ位は、周囲を「特産の木曾檜?」で覆って「台形」にしてほしかった!

とりあえずこの表層?(していない!)石壁なら天井位はちゃんとスラントさせろよ!と叫びたくなってしまう。

後期残響がどうのこうのという前に「定在波対策(※5)」がなってない!

幅・奥行きに関する平面方向は「壁面間隔20m超」の一辺倒で突っぱねる?N田音響設計お得意の手法で、聴衆とアーティストを苔にしている!というか、初期反響(エコー)と後期残響(余韻)の区別もつかない人たち向けの内装か!(というかデザイナー自身も「違い(※6)を理解」していない?)

ホール音響評価点:得点57点/100点満点中

※693席のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点24点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点13/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点17点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

定在波障害実被害席総計;0?席

※参考、避けたほうが良い席

高さ方向定在波「腹」部席;(66席/1階平土間中央座席A~7列12番&22番、)

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が打ち放しコンクリートなので素材基礎点13点とした。

基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数0=13点

初期反射障害1 壁面障害席 ;0?席

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;0?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数1=19点

眺望不良席数;66席/1階平土間中央部座席B~F列12番~22番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;0席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;66席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

メインホールの施設データ

  1. ホール様式 、『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。
  2. 客席   1フロアー 収容人員 693席 
  3. 舞台設備 オープンステージ形式:間口:20m 奥行:10m ステージ面+0.9m 天井高さ15m
  4. その他の設備 パイプオルガン、控室x4、

ザ・ハーモニーホールがお得意のジャンル

セイジ・オザワ松本フェスティバル(※ガイド記事はこちら)のサブ会場の一つと成っている。

オーケストラ・アンサンブルのコンサート、ソリストのリサイタルに限らず、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

ザ・ハーモニーホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

建築音響工学から眺めた小ホール

ほゞ正方形の平土間多目的イベントスペース

有効幅約13.3mX有効奥行き約6.35m(/ホリゾント反響板→ステージ前端)高さ約40㎝の常設ステージが供えられた、84席のロールバックシステム(※7)と96席のスタッキングチャアーを並べて180席のミニホールとして使用する。

低層部両側壁面は、塗装仕上げをした「有孔音響(石膏)ボード」を折り重ねアンギュレーションを付けて配置。

キャットウォーク(犬走)のある中層部も同様の設え。

大向う席背後壁は全面音響「有孔音響ボード」で表装したプレーンな吸音壁となっている。

天井はむき出しの照明ブリッジと簀の子ネットで表装した高さ約7mの流行りのデザイン。(※8)

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

間口方向定在波
1Fメインフロア平行壁部分
  • メインフロアー側壁間約13.5m;約25.8Hz/1λ、約38.7Hz/1.5λ、約51.6Hz/2λ
最大奥行き方向
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約17.6m;約19.8Hz/1λ、約29.7Hz/1.5λ、約39.6Hz/2λ、約49.5Hz/2.5λ、約59.4Hz/3λ、

    ロールバックシステム最後列は定在波の節目(ミステリースポット)!

ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部約7m;約49.8Hz/1λ、約74.7Hz/1.5λ、約99.6Hz/2λ
  • ステージ部約6.6m;約52.8Hz/1λ、約79.2Hz/1.5λ、約105.6Hz/2λ、

※赤字は可聴音域内重低音。

客席周辺は全面有孔石膏ボードで表装された垂直設置の遮音壁(吸音壁)で定在波は野放し!

ステージ周りのみ左右両側壁が僅かな帷子アンギュレーションで間口方向定在波を抑制?

前後方向のみ「壁面間隔20m超」のセオリーでかつかつ対応、但し大向こう席は「ミステリースポット」

高さ方向定在波も、「剥き出し天井」方式では2.5波長以上の定在波は抑制できても、重低音領域は抑止不可能、しかもバッチリ「タブー高さ」の7m!(※9)で1.5波長定在波74.7Hzの餌食

ということで、基礎点は25点に減じ、音響障害エリアは平土間全席、ロールバック全席(間口方向定在波被害)のー2点を減じ、1波長定在波実障害席はロールバック席中央部2席x6列=12席、

総評

はっきり申し上げて音楽を鑑賞できるような環境ではない!講演会などの「話芸」専用ホールと言ったところ。

ピアノ、ラッパ、太鼓・鳴り物、弦バス(コントラバス)は厳禁である!

つまり、ジャズコンサートを含む、殆どのコンサートは無理?

特にピアノリサイタルなどは重低音(左手)がまともに「固有定在波」と重なり、悲惨な状況に!

幾ら"ミニ"とはいえ「パイプオルガン」コンサートには出かけ無い方がよい。

精々、対応できるとすれば尺八・琴合奏の邦楽や木管アンサンブル程度であろう。

「音無しく?」寄席、講演会、セミナー、(伴奏無しアカペラ)混成コーラス程度で我慢したほうが無難であろう。

ホール音響評価点:得点34点/100点満点中

※180席のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点7点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点20点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点4点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点

定在波「節」部席;24席(12席/1階平土間中央部座席1~6列、12席/1ロールバック席中央部座席7~12列、)

定在波「腹」部席;108席(96席/1階平土間全席、12席/ロールバック両袖座席)

重複カウント ;ー12席

定在波障害実被害席総計;120席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が有効ボードなので素材基礎点23点とした。

基礎点B2=素材基礎点23点ー障害発生エリア数1=22点

初期反射障害1 壁面障害席 ;14席/ロールック最後列全席、

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;14席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

眺望不良席数;30席/1階平土間中央部座席B~F列6番~11番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;108席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;14席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー22席

音響障害席総計;130席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

小ホールの施設データ

ホール様式 
  • 常設ステージ付き平土間多目的スペース。
客席   
  • 1フロアー 収容人員 180席(うち84席ロールバックシステム)
  • 間口約13.5mx奥行き約11.3m/ステージ前端→背後壁面
舞台設備 
  • オープンステージ形式
  • 有効幅約13.3mX有効奥行き約6.35m(/ホリゾント反響板→ステージ前端)高さFl+約40㎝
その他の設備
  • 小型パイプオルガン、控室x2、主催者控室、

小ホールのお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

その他の付属施設

練習室

バンド用5.8mx7.2m床面積42㎡(約25畳)の第1練習室。

クラシック用6.9mx11m床面積76㎡(約46畳)の第2練習室。

オールマイティな6.8mx13.9m床面積94㎡(約56畳)の第3練習室。

の3つの練習室を持つ。

第2練習室は片流れのスラント天井で、側壁上部梁の部分、天井はストライプ状に、天井梁下面はほぼ全面に渡り、渡り小ホール同様の吸音用の「穴あき石膏ボードボード」を用いて表装されている。

ガラス窓以外の低層部側壁はアンギュレーションを付けて定在波対策に配慮している。

床はPタイル張り。

第2練習室音響評価点:78点

内訳

定在波対策評価点:48点/50点満点(ルーム低層部に1対以上のプレーンな並行壁がある場合は持ち点はx0.5=25点と成ります)

残響その1(初期反射)対策評価点:30点/50点満点(ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は持ち点はx0.5=25点と成ります)

デジタヌの独り言

島内駅周辺の風景を見て、60年程昔(1960年当時)の我が故郷「河内国分駅」周辺を思いだしてしまった。

改札口はホールと反対側の北側にしか無く、駅前とは言っても、住宅地と農耕地が入り交じる典型的な「田舎駅」の島内駅前。

7両編成に対応する為にホームを延長したのであろう、小さなプレハブの無人駅舎が隅っこに追いやられて建っている。

その長~いホームに日中3両の電車がやってくる。

おそらく旧駅舎があったであろう場所はフェンスで囲まれ遊休地に成っている。

旧駅舎(遊休地)と北側を走る千國街道(県道316号)とを結ぶ100m程の駅前通り?があり両側に数件の商店が並んでいる。

旧駅舎を出てすぐ左角に駅前タクシー(第一交通)の待合所があり線路沿いに通路が伸びている。

駅前から線路沿いの通路を右に進むと「踏切通り」が有り、この通りに面して2階建ての松本信用金庫島内支店が建っている。

我が想い出の中にある嘗ての「河内国分駅」周辺ではこの位置に父親の通っていた「国分町役場」が建っていた。

ヤー...全くそっくりの駅前風景、正しく「デジャブ感覚」とはこのこと!

信用金庫の角を右に折れ踏切を渡ってすぐのところに交差して道路が走っている...とここまでは60年前の我が故郷そっくり!

小生の故郷はこの先も我が家まで「山道」がのびているが、島内駅では交差点の正面はザ・コンサートホールで踏切道は此処で行き止まりになり「感傷に耽るのは此処でお終い...」となり現実に呼び戻される事となる。

今後の改宗?に期待

いくら1980年代の第2次ホール乱造ブーム?の誕生とはいえ、「石造りの無宗派聖堂?」と「倉庫」の組み合わせはひどすぎる!

メインホールの改修

メインホール低層部は木質グルービングパネルの外反スラント設置、平土間・ステージ上空に可変角反響板の設置(例1)、平土間中央部客席の千鳥配列化を...

小ホールの改修

音楽ホールを目指すなら、少なくとも以下の3点を...

低層部側壁のスラント化

低層部(キャットウォーク下部)両側壁の内傾スラント設置。

ステージ背後設え反響板の改装

現状の反響板を撤去し、アンギュレーションを持たせた、木質パネルに換装。

天井反響板の新設

ご自慢の剥き出し天井だが、「話芸」には向いても重低音定在波が問題になるコンサートには不向きなので、前半部の「音響グリッド」下面に照明ブリッジ同様に「山形木質反響板ブリッジ」を適当な間隔で並べたほうが良いであろう。

(予算がなければプラスターボード反響板でも可。)

豆知識

ザ・ハーモニーホールのこれまでの歩み

1985年開館

1987年パイプオルガン設置

2013年4月改修再開館。

2,017年11月改修工事のため休館

2018年4月1日再開館予定。

参照欄

※1、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

※2、関連記事 副則1 「壁面間隔20m超」のセオリーはこちら

※3、 第4章第1節「高さ方向定在波の音響障害」回避策 はこちら。避けなければならない天井高さは7、8、10、12、14、16、20m!

※4、第2章第2節『ミステリーゾーン』で起きる現象はこちら

※5、定在波に関する解説記事 『定在波』とはこちら

※6、第1章 初期反響エコーと後期残響は別物 はこちら

※7、ロールバック方式客席収納システム についてのシートメーカーの解説はこちら。

※8、「剥き出し天井」の効果についての詳述は第7節ホール構造体剥き出し天井の音響効果 をご参照ください。

※9 第4章第1節「高さ方向定在波の音響障害」回避策 はこちら。避けなければならない天井高さは7、8、10、12、14、16、20m!

 

公開:2018年2月13日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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