狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

常滑市民文化会館 《ホール音響Navi》

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Official Website  https://www.tokoname-bunka.jp/

常滑市民文化会館のあらまし

美術工作室、料理室、視聴覚室、学習室、会議室、和室などを備えた中央公民館を従えた文化施設。

常滑市民文化会館のロケーション

ところ  常滑市新開町5丁目65

1953年7月20日 海に面して漁港に開設された「ボートレース常滑」の東側の旧漁港を埋め立て、1983年常滑市保健センター等と共に建設された、常滑漁港に通じる水路際に建設された。

2001年(平成13年): 空港島埋立工事に着工と同時に「ボートレース常滑」周辺も大規模な埋め立て工事が実施され臨空島として整備され、名鉄空港線が「ボートレース常滑」との間に割って入る形となった。

臨空島には名鉄「りんくう常滑駅」も新設され駅周辺にはイオンモール、ニトリ、等の大型商業施設が進出し一大ショッピングセンターと成っている。

トリップアドバイザーの周辺口コミ ナビはこちら。

常滑市民文化会館へのアクセス

名鉄「常滑駅」より徒歩約9分

常滑市民文化会館のある常滑市のあらまし

推計人口、57,456人/2017年10月1日。

常滑ー金山(名古屋市)28分/600円/31.5km/名鉄

常滑ー(名古屋)ー品川 2時間52分/12110円/名鉄・新幹線

常滑市民文化会館が得意のジャンル

ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー、オーケストラコンサート等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

常滑市民文化会館の公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

施設面から見たホールの特色

(公式施設ガイドはこちら)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

常滑市役所分室、中央公民館と同じ建て屋内にある

道路を挟んですぐ西側を「名鉄空港線」の高架線が走っているが、橋脚はお隣の「ボートレース常滑」のインフィールド?にあり「振動」は同レース場のプールで十分に制振されており振動公害の心配は無い、更に東側は旧常滑港に残された「水路」であり、北側は付属の公園、南側は常滑港であり、周囲を水面で制振された形で、ボートレースの騒音しか騒音と呼べる物が無いほどの好立地(※1)にある。

緩やかなスロープの1階メインフロアーと両翼が前方に張り出した2階バルコニー席から成る、天井の高い2層のプロセニアム型多目的ホール。

1980年代猛威を振るった「石壁インフルエンザ?」に感染しホール後方大向こう背後壁とステージ反響板以外の側壁は前面「打ち放しコンクリート壁」と成っている、いわゆる「エコールーム仕様(※2)」

丁寧に対抗並行面を封じ込んだ異形壁

内傾スラントを基本に、立体的にアンギュレーションを付け、まるで「オリガミ細」のように丁寧に且つ徹底的に対抗する並行面を封じ込んで定在波対策(※3)を講じている。

※ただし残念なのは会陰フロアー後部側壁が完全並行している...。

ホール背後に拡がる前面吸音壁

ホール背後壁面は、1・2階共に音響格子で表装された吸音壁。

脇花道背後を完全に覆う巨大な打ち放しコンクリートプロセニアム

上縁には丁寧に折れ上がるコーナー反響板が設えられている。

天井は扇形を利用為たアンギュレーションを持たせた大型プラスターボード(※4)反響板。

ホール音響評価点:81点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点48点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点11点/配点25点
  • 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点17点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評

丁寧な設えの「巨大エコールーム」である。

これだけ丁寧に対抗並行壁面をキャンセルした努力は認められるが...。

今後、ボートレースで上がった「水揚げ」でホール全周を「グルーブ加工」木質パネルで表装し、随所に木質の「音響拡散体」を散りばめれば素晴らしい音響の「藝術ホール」に変身?出来る「未知数」は残されている!

メインフロアー後部席側壁の内傾スラント処理もお忘れなく。

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数1=49点

定在波障害席数;9席(9席/1F)

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点12点ー障害発生エリア数1=11点

初期反射障害1初期反射障害1壁面障害 4席(4席/2F、)

初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;4席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

眺望不良席数;0席/1F平土間中央部座席

音響不良席その1;定在波障害席9席(9席/1F)

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 4席(4席/2F、)

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;13席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

リハーサル室

片流れ天井で音響にも配慮したリハーサル室がある。

ホール音響評価点:98点

内訳

定在波対策評価点:49点/50点満点(ルーム低層部に1対以上のプレーンな並行壁がある場合は持ち点はx0.5と成ります)

残響その1(初期反射)対策評価点:49点/50点満点(ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は持ち点はx0.5と成ります)

施設データ

  1. 所属施設/所有者 常滑市民文化会館・中央公民館/常滑市。
  2. 指定管理者/運営団体 (株)ケイミックスパブリックビジネス/常滑市。
  3. 開館   1983年11月。
  4. ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
  5. 客席    2フロアー、収容人員 1,181席、1階平土間中央部千鳥配列、
  6. 舞台設備  、プロセニアムアーチ:間口18メートル、奥行18メートル、高さ9メートル、ブドウ棚(すのこ)、脇花道、大・小迫り、反響版、オーケストラピット&エプロンステージ迫り(可動床客席収納)、スッポン迫り付き本花道迫り(客席収納設備付き)、
  7. 付属施設  楽屋x6、リハーサルルーム、練習室X3、市民ギャラリーX2、
  8. 中央公民館(美術工作室、料理室、視聴覚室、学習室X、会議室、和室X3、水屋など。

    各種図面,備品リスト&料金表

デジタヌの独り言

現状では単なる「耳触りな反響渦巻く煩い」ポップス専用アリーナに過ぎない?

※参照覧

※1、ホール設計における「立地」と「本体構造」はこちら

※2、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

※3、定在波の悪影響に関する解説記事はこちら。

※関連記事ミステリースポットに関する解説はこちら。

※関連記事「ホール酔い」に関する解説はこちら

※4、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

 

公開:2018年2月 3日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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