旅するタヌキ

フォレストホール 《 ホール 音響 ナビ 》日本特殊陶業市民会館  

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Official Website https://nagoya-shimin.hall-info.jp/

日本特殊陶業市民会館のあらまし

中京地区切っての音響を誇る、大型多目的ホール。

名古屋市の金山駅に隣接してあるホール。

1972年の開館以来、名古屋を代表する大ホールとして、市民に親しまれている。

コンサート専用と言っても良い、2,291席の多目的ホールと、1,146席の小ぶりの「モダン芝居小屋」の2つの施設を備えている。

舞台設備や機能では愛知県芸術劇場(※ホール ナビはこちら)には及ばないが、音響的にはこちらの方が優れている。

2000席以上の収容人員も合わせ、呼び屋・プロモーターに受けが良く、外来オケの演奏会場にも利用されている。

日本特殊陶業市民会館のロケーション

ところ 名古屋市中区金山一丁目5番1号

トリップアドバイザーの周辺口コミ ナビはこちら。

日本特殊陶業市民会館へのアクセス

最寄りの駅 

J R

東海道本線・中央本線「金山駅」下車 北へ徒歩5分
名 鉄

名鉄名古屋本線「金山駅」下車 北へ徒歩5分
地下鉄 名城線「金山駅」下車 徒歩3分(地下連絡通路あり)
市バス 「金山」下車 北へ徒歩3分

フォレストホールこれまでの歩み

1972年10月1日 同市の人口が200万人に達したことを記念して、熱田区に移転した名古屋市金山体育館の跡地に建設された。

2007年7月1日 旧名称 中京大学文化市民会館

2012年(平成24年)7月1日から愛称が「日本特殊陶業市民会館」に変わった。

日本特殊陶業市民会館がお得意のジャンル

フォレストホール

オーケストラコンサート、バレエ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショーまでジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

ビレッジホール

オーケストラコンサート、バレエ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショーまでジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

日本特殊陶業市民会館の公演チケット情報

フォレストホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

ビレッジホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

施設面から見たホールの特色

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

フォレストホール

公式施設ガイドはこちら

フォレストの名の通りホール内壁全面を「木壁」で表装した4層3バルコニーの大型多目的ホール。

イヤ~ド派手好きの愛知県の施設とは違い、名古屋市の施設は、2018年8月現在改修中の名古屋市公会堂(※ホールナビはこちら)と言い、堅実で、実用的な施設が多いが、このホールは中でも素晴らしい!

あのあてにならないことで有名な身内びいきの、音痴ぞろいの評議員が選ぶ「優良ホール100選」に選ばれていたが、2016年3月に返上した...。そこもなんとなく尾張にありながら三河気質を感じるところである。

1階フロアー

平土間とそれに続く、緩やかな傾斜の中間部と、少し急峻な後部フロアーと三段階に傾斜がきつくなるデザイン。

バルコニー部

3層のバルコニー部は比較的浅い設えで各層下部の座席への音響的配慮がうかがえる。

更に3層共に前縁部は、スラントさせた「穴あきボード」による吸音構造とし、「初期反響」対策にも抜かりは無い。

大型プロセニアム

脇花道(1階平土間部分)まで伸びる巨大なプロセニアムを持つ。

上縁部はステージ反響板と同じデザインの巨大な反響板が平土間(脇花道)の上部まで続き折れ上がって天井反響板に繋がっている。

凹凸がある木材を使用した側壁

平土間部分から続く、1階中央部フロアーの両側壁は全周木材の凹凸壁。

凸部はストレートに立ち上がっているが、凹部の底面は次第に浅くなり客席に向かって「内傾」させて定在波(※1)対策をしてある!

ホール背面壁は1・2階大向こう背面中央部が音響ネットで表装した「吸音壁」。

音響拡散体

随所(ランダム)に変形4角錐の音響拡散体が配置されている。

ステージ反響板と同じ意匠の天井反響板

天井は、ステージ反響板、プロセニアム前縁反響板と同じ意匠の、分割反響板。

余裕から生まれる響き

各フロアーとも大向こう(客席最後列)、客席両側共に周囲は通路になっている点は評価できる。

天井の高さと余裕有る客席配置で救われている

多少癖のある音響ではあるが、とりあえず巨大なホールなので、犬年ホール?(ワンワンホール)とは成っていない。

愛知県芸術劇場「コンサートホール」などとは比べ物にならないほど優れた「音響で」のホールである。

ホール音響評価点:92点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点22点/配点25点
  • 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点16点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評

3階ベランダ部分を後から追加したのであろう?3階部分の232席がなければ文句なく当狸穴総研・音響研究工房厳選『後世に伝えたい・真の銘ホール50選』に選ばせていただいたところだ。

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害席数;0席

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

初期反射障害1壁面障害 0席

初期反射障害2 天井高さ不足 116席(116席/3F大向う、)

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;116席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

眺望不良席数;84席/1F平土間中央部座席

音響不良席その1;定在波障害席0席

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 0席

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 116席(116席/3F大向う、)

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;200席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

ビレッジホール

(公式施設ガイドはこちら)

緩やかな1階フロアーを持つ2層の中ホール。

大ホール同様大型のプロセニアムは開館当時流行った「タイル張り」。

客席周囲の壁面は塗装仕上げの家庭用新建材「石膏ボード」。

天井は凸面形状を持つ大型のアクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボード(※1)分割反響板。

歌舞伎座並みの舞台設備

歌舞伎座並みの地下4階相当(地下約15m)の大掛かりな「回り盆」や、大小迫り、スッポン迫りを設備した仮設本花道に5室の和室(畳楽屋)と「床山」まで備えた「本格的モダン芝居小屋」。

舞台設備では新・御園座(※ホールナビはこちら)よりこちらが本格的かも?

十分な天井高さが美点

十二分に高い天井で2階バルコニー席の大向こうまで、天井反響の少ない「肉声」が良く通るホールである。

2階大向こうが座席...残念!

1階平土間部中央の客席を千鳥配列にするなどの配慮を指定ながら、2階大向こうに通路が無い!

この部分の天井画十二分に高いので、つい「欲張った」ので有ろうがこの部分は大ホール同様に通路にすべきではあった。

ホール音響評価点:83点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点13点/配点25点
  • 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点17点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評

オーケストラピット部左右まで伸びた巨大なサイドプロセ二アムがタイル張りなのは建設当初の年代を考えれば、致し方ないっのだろうが、入れ物としては唯一惜しまれる点である。

休館中だった御園座に代わり、大歌舞伎公演を行った施設であるにもかかわらず、2階大向うが座席びっしりで「幕見席(立見席用の通路)」が無いのは音響的にも惜しまれる点ではある。...

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害席数;0席

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点16点ー障害発生エリア数2=14点

初期反射障害1壁面障害 50席(50席/2F大向う&壁際)

初期反射障害2 天井高さ不足 0席、

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;50席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

眺望不良席数;0席/1F平土間中央部座席千鳥配列

音響不良席その1;定在波障害席0席

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 50席(50席/2F大向う&壁際)

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;50席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

リハーサル室

公式施設ガイドはこちら

フォレストホールのステージと同じ間口の151㎡(19.1m × 7.9m)(91畳)の第1リハーサル室、とビレッジホールと同じ間口の117㎡(15.2m × 7.7m)(約70畳)の第1リハーサル室が有る。

ルーム音響評価点:50点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1,「定在波対評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

施設データ

  1. 所属施設/所有者  名古屋市民会館/名古屋市。
  2. 指定管理者/運営団体  共立・名古屋共立共同事業体/名古屋市。
  3. 開館    1972年10月1日
フォレストホール

ホール様式 、プロセニアム型式多目的ホール。

客席仕様

3スロープ3層
収容人員2296席、(車椅子用スペースX5台、含む、)Pタイル張り、通路のみ絨毯敷き詰め。

内訳
  • 1階固定席X1542席、1階(オーケストラピット部可動床可動席X210席、車椅子用スペースX5台、含む)、
  • 2階席X290席、
  • 3階席X232席、
  • 4階席X227席、
  1. 舞台設備 セミ可変プロセニアム(間口20m、高さ11.5m、奥行21m)、大迫り2基(内1基は3分割)ブドウ棚(すのこ)、脇花道、小迫り、可動反響版、オーケストラピット(可動床)、オーケストラひな壇(可動分割迫り)エプロンステージ(拡張舞台)
  2. その他の設備 、楽屋x7、控え室x2
各種図面,備品リスト&料金表
ビレッジホール
  1. ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   2フロアー 収容人員 1,146席、可動床、1階平土間中央部千鳥配列、
  3. 舞台設備 

    プロセニアム(間口16m、高さ7.2m、奥行21m)大迫り2基、小迫り2基、

    回り舞台1基、花道1基、花道すっぽん迫り1基

    可動反響版、
  4. その他の設備 、和室楽屋x5、床山、控え室(洋室)
各種図面,備品リスト&料金表

付属施設・その他

デジタヌの独り言

1972年と言えば、NHKホールが...

1972年と言えば、NHKホールが誕生した年で有り、「近代的建築音響学」が確立しておらず、ましてや、NHKホールの様に「1/30スケールモデルによる大掛かりなモデル実験」も行わずに、「勘と経験と模倣」だけでこれだけの音響を生み出したのには感心させられる。

アッパレさすが「日本特殊陶業」!

フォレストホールは音痴揃いの審査員が選んだ優良ホール100選に選ばれていたが、2016年3月に返上した。

幾らNHK ホールと同じお年だとは言え、全国に次々と優良ホールが出来た現在では見劣りがするのは事実であろう。

参照覧

※1、定在波の悪影響に関するnatuch音響さんの解説記事はこちら。

※2、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら。

公開:2018年1月 3日
更新:2018年11月 4日

投稿者:デジタヌ

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