瑞穂文化小劇場 《ホール音響Navi》
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Official Website https://www.bunka758.or.jp/scd31_top.html
名古屋市瑞穂文化小劇場のあらまし
名古屋市文化小劇場14番目の施設として2015年に新瑞穂図書館と共に開館した、349席の小劇場。
客席周辺壁面全面木質パネルを採用した「心地良い韻」が自慢のホール。
名古屋市瑞穂文化小劇場のこれまでの歩み
2015年、瑞穂図書館の新築移転に伴い開館。
2018年4月より、開館以来の指定管理者「愛知県舞台運営事業協同組合」から名古屋市文化小劇場グループの運営を一手に引き受けている(公財)名古屋市文化振興財団の変わった。
名古屋市瑞穂文化小劇場のロケーション
ところ 名古屋市瑞穂区豊岡通3丁目29番地.
厚田神宮で有名な熱田区の東隣りの瑞穂区、ほぼ中央にある瑞穂運動公園の南西角、山手グリーン道路と山崎川市道に囲まれた一角にある、図書館と同居している文化施設。
アクセス
地下鉄桜通線瑞穂運動場西駅2番出口
地下鉄名城線瑞穂運動場東駅 3番出口
地下鉄名城線・桜通線新瑞橋駅 5番出口
いずれも徒歩8分
市バス「瑞穂図書館(瑞穂文化小劇場)」下車
名古屋市瑞穂文化小劇場が得意のジャンル
主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートなども行われている。クラシックコンサート以外にも、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。
またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。
名古屋市瑞穂文化小劇場の公演チケット情報
施設面から見たホールの特色
※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。
周囲を運動公園と住宅地で囲まれ、山崎川の畔という好立地にある。
特徴
3階吹き抜け相当の高い天井を持つ、緩やかな1スロープのプロセニアム型多目的ホール。
2面舞台相当の広いステージを持ち,床山を備え「伝統芸能」にも対応している。
客席周辺壁面全面木質パネルを採用した心地良い韻が自慢のホール。
客席周辺低層部は「斜めに走ったグルーブ材」の上部の要所に逆流れの3角形部分を配し、中上層部は僅かに外傾スラントさせたパネルに幾何学的な異形材を帷子風に段差を付けて貼り付けて音響拡散効果を狙っている。
ホール背後壁は全面立て格子で表装されており一部が吸音壁と成っている。
大向こう通路上部にホールに突出したデザインで「親子室」と調整室が設けられている。
天井は側壁から「折上げた」凹部を持つ一体型のプラスターボード反響板(※1)。
ステージ反響板はトラディッショナルな従来型軽量タイプであるが、木製のプロセニアム上縁前部には大型のコーナー反響板が設置され「ステージ反響板」と急激な断面積変化が怒らないように配慮されており、最新型のオープンステージ一体型コンサートホールと同等の音響効果を得ている。
数ある名古屋市文化小劇場の中でも名古屋市熱田文化小劇場 (※ホールナビはこちら)と並んで優れた音響の「コンサートホール」である。
ホール音響評価点:90点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点46点/配点50点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
- ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには、 配点25点に減ずる。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点25点/配点25点
- ※木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
- ※障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点16点/配点20点
- ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点3点/配点上限5点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
- ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。
※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。
総評
このホールの基本的欠陥はズバリ定在波対策(※2)を勘違い?していること。
ホール中上層部をスラントさせてもあまり意味はない!
問題の残るホール低層部の壁面処理
手の込んだクロス流れ格子で表装されたグルービング壁の一種で表装されているが、初期反響対策(※3)に効果はあっても、定在波には対策には効果はない!
ホール低層部壁面はスラント処理すべきであった。
デザイナーご自慢の作品のようだが、もう一度音響学を勉強し直していただきたい。
算出に用いた値;
定在波評価
基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数1=49点
定在波障害席数;17席
初期反射対策評価
基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数0=25点
初期反射障害1壁面障害 0席
初期反射障害2 天井高さ不足 0席
重複カウント ;ー0席
音響障害席総計;0席
客席配置評価
基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点
眺望不良席数;21席/1F平土間中央部座席
音響不良席その1;定在波障害席17席
音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 0席
音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 0席
重複カウント ;ー3席
音響障害席総計;35席
算定式
評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数
練習室室
ダンス・バレエレッスン用の手摺りの付いた、フローリング仕上げの丁寧な設えの練習室を持つ。
ルーム音響評価点:50点
内訳
定在波対策評価点:25点/50点満点(ルーム低層部に1対以上のプレーンな並行壁がある場合は持ち点はx0.5と成ります)
残響その1(初期反射)対策評価点:25点/50点満点(ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は持ち点はx0.5と成ります)
施設データ
- 所属施設/所有者 名古屋市瑞穂文化小劇場/名古屋市。
- 指定管理者/運営団体 2018年4月より、(公財)名古屋市文化振興財団/名古屋市。
- 開館 349席+車椅子席2席(315席+車椅子席9席に変更可能)
- ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
- 客席 1フロアー、349席+車椅子席2席(315席+車椅子席9席に変更可能)
- 舞台設備 プロセニアムアーチ:間口13m×奥行13m、反響板、
各種図面,備品リスト&料金表
- 客席配置図・座席表はこちら
- 施設別図面setはこちら、(舞台平面図、反響板設置舞台図、舞台断面図、ホール(客席)平面図、ホール(客席)断面図)
- 舞台設備・資材・備品リストはこちら。
- 照明設備・機材リストはこちら、
- 音響設備・機材リストはこちら、
- 映像設備・機材リストはこちら
- 付属施設 楽屋x2、床屋、練習室、
- 施設利用ガイド(利用料金等) 詳しくはこちら公式ガイドへ。
※参照覧
※1、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら。
※2、定在波の悪影響に関する解説記事はこちら。
※3、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。
※、関連記事「音の良いホールの条件」はこちら。
※、「都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?」はこちら。
公開:2018年2月 4日
更新:2022年9月30日
投稿者:デジタヌ
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