狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

めぐろパーシモンホール 《ホール音響Navi》 

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木をふんだんに使用した、収容人員1200席と「欲張らない・ゆとり有る大ホール」と200席とこぢんまりした小ホールを備えた目黒区のほこる文化施設。

定在波まで味方につけた都市伝説「残凶2秒以上」の厚化粧がお得意の「特殊メークアップアーティスト」長田音響設計怪心?の作。

めぐろパーシモンホール

公式施設ガイドこちら

パーシモンホールの名に恥じ無い、木をふんだんに使った内装の響きの良い「大・小2つのホール」と目黒区立八雲中央図書館、目黒区立八雲体育館などの施設が同居している総合文化施設。

静かな住宅地の中の木立に囲まれた一角にある。

同じ建物の中に大・小二つのホールと、目黒区立八雲中央図書館、目黒区立八雲体育館などの施設がある総合文化施設。

木をふんだんに使用した、収容人員1200席と「欲張らない・ゆとり有る大ホール」と200席とこぢんまりした小ホールで、共に都内有数の響きを誇っている。

中ホール相当の収容人員なので、呼び屋・プロモーターには受けは良くないが、東京のアマオケの御用達ホールの1つとなっている。

更に1200席は、プロのお笑い芸人・落語家にとっても都合の良いサイズなので「演芸会」などにも好んで使用されている。

勿論、日本通の「ソリスト・アーティスト達」は評判をよく知っているので、「ホールご指定コンサート」に使われる場合もある。

小ホールは、地域住民の、お稽古事発表会やサークル活動の場となっており、区民に親しまれている。

めぐろパーシモンホールのロケーション

  • 所在地  東京都目黒区八雲1-1-1

渋谷から東急東横線各駅停車で約10分の都立大学駅、北へ歩いて数分の所にある。元都立大学(現在閉学)が1991年まであった跡地にたっている。

世田谷区と堺を接し、近くには、駒沢オリンピック公園が拡がり,その北側に駒澤大学、東京学芸大付属世田谷中学、八雲学園中高一貫校、そしてすぐお隣が元都立大学付属だった現都立桜修館中等教育学校であり、この辺りは文京地区となっている。

駅のすぐ北側には目黒通りが、ホールから東には大動脈「環状7号線」が、そして北側には駒沢通りと主要幹線に囲まれて入るが、込まれて入るが、それぞれ4・5百m離れた裏通りにあるので、静かな環境である。

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

『大ホール』の音響

(公式施設ガイドはこちら)

可動プロセニアム、可動反響板を備えた、シューボックスタイプの多目的ホール。

ホール間口約24.5mに対して反響板設置時奥行き約46.6m(客席部分は約34m)と細長いホールである。

可動床オーケストラピット設備も有り、脇花道を備えたステージは「ミュージカル」などの「レビュー&ショウ」にも対応した舞台設備を持っている。

演劇や演芸に対応できる様に客席側壁上層部にカラクリ壁(※1)を備えている。

「パーシモン」の名の通りステージ上のステージ反響板、客席周辺側壁は、「グルービング加工された木壁」(※2)で覆われている。

長田音響設計お得意の特殊メークの数々?

ホール上層部側壁には要所に装飾柱が設けられ、音響拡散体(※3)てんこ盛りの響き豊な?ホールである。

折上げられた「三浦折り」で表装されている天井は一見フラットではあるが、セグメントタイプの可動型カラクリ天井(※3)で残響調整が出来る機構?と成っている。

客席両側壁はほんの僅か「申し開き?」程度に内傾スラント設置されたほぼ垂直壁面!で神様(お客様)のいらっしゃらない、Museの神の領域?(最上層部)壁面はプラスターボード製(※4)のリブ付きの反響板を「折り上げ」て天井の矢絣木質反響板につなげている等、思いつく限りの「特殊メーク?」で厚化粧されている。

重量級自走式反響板を備えたステージ周り

壁面にスラント処理等は見られないが、天井が十分高く1・2階スロープ席は比較的急峻なスロープなのでステージ上では定在波は発生せず、奏者にとっては「心地良い響き」にしたれるホールではある...。

長田音響設計らしい?定在波に対する取り組み

ホール奥行き方向

1・2階両フロアー共に大向こう壁面は「フラットで垂直」な壁面となっており、ステージホリゾント反響板も最下部のグルービングパネルのスラントを除きプレーンな垂直壁面なので、1階メインフロアー大向こう壁→ホリゾント反響板間約36.6mに相当する波長の可聴帯域(20~20KHz)外約10Hzの低周波振動が生じやすい。

この低周波振動に対しては、メインスロープ後半の急峻な勾配で対処しており、最高列背後は通路になっており、「定在波の節目;ミステリースポット」(※8)は回避している。

更に2階バルコニーに関しては、プロセニアム上縁前部に設置された大型のコーナー反響板で「完全平行部」をキャンセルしている。

ホール上下高さ方向

基本天井は複雑なリブ(音響拡散体)構造を持つフラット反響板であるが、最前列から5列目まで(オーケストラピット部)は完全平土間部分であるが、前途した前方コーナー天井反響板が平行部(定在波)をキャンセルしており、ホール後半については、客席スロープで対処している。

問題が多いホール幅方向!

ホール幅方向については、壁面間隔で対応し1波長定在波は可聴帯域(20-20kHz)外の低周波振動であるので「そんなの関係ない!」とでも「嘲り笑うが如く?」ほぼ無視!

メインフロアー

流石にステージ上の左右サイド反響板はハノ字配置で定在波を阻止し、それに続くホール前半部は脇花道道背後迄のびる「ハノ字」のサイドプロセニアムで平土間部分を浅い「ハノ字段床」で6列目から11列目までの座席を定在波障害から防護?しているが、前半最後列中央通路上の12列目と、車椅子スペースをふくむストレート段床の13列目以降は木質グルービング材を申し訳程度の内傾スラントを持たせて表装してある。

但し1波長定在波は可聴帯域外の約17.4Hzの低周波振動なので、節目に当たる中央部16・17番席ではむしろ不要な低周波振動域を制御するには都合がよく、ダンピングのきいた低弦(コントラバス)の響きを狙っているのかも?(長田なら遣りかねない!)但し「定在波の腹」に当たる両袖部分8&25番席部分では「サプライズスポットにはまり」必要以上に強調された「重低音のシャワー」を浴びることになる!

ストレート段床の2階バルコニー席

2階バルコニー席は「プレーン」な木質プレートを1F同様に僅かに内傾スラントさせて表装されている。更に2階後部バルコニー部は間口方向にもほんの僅か後部に向かって「逆ハノ字」型に絞り込んではいるが...大向こう天井桟敷部分は平行で前途した僅かな内傾スラントのみ!でしかも大向こうには通路(立見席)は無い!

定在波障害悪用で音響改善?したサイドバルコニー後列

サイドバルコニー席後列背後にあたるホール側壁部は幅約24.5mあり、約14.2Hzの「定在波の節目」にあたるが、可聴帯域外に当たり、むしろ低周波振動障害を上手く回避したつもり?

見落としてしまった?高さ方向上下定在波

バレエ・ミュージカルなどの"観劇時"には(オーケストラピット部も含め)平土間部分はご自慢の?可動プロセニアム&可動天井のカラクリ(※1)で、床→天井間の高さ方向定在波からは守られているが...。

ステージ反響板をセットした際には、この平土間客席部は全エリア約17.1m(平土間→天井)約20.4Hzの1波長の重低音定在波とその倍音列定在波の生贄?となっている。

エプロンステージ上約16.2m(※9)となり弦セクの大半は4波長定在波の腹にかち合いサプライズエリアに嵌り、これでは折角の広大なエプロンステージも使用できず第9等の合唱団付きフルオーケストラ公演は無理であろう!

総評 デジタヌの一刀両断 

得点88点は「厳しいのではないか?」と思われる一般聴衆の方へ。

N音響さんの作品は定在波対策を蔑ろにする傾向が...。

「都市伝説"残響2秒以上"」)(※10)に拘るあまり定在波対策が甘い...と言うか、特に、ホール間口(幅)方向の定在波を「ないがしろ」にする節がある!

一階客席両側壁(高床テラス床囲い)は縦格子を配したグルービング材で表層されているが、グルービング材は初期反射軽減による「高次定在波と定在波滞在時間の抑制効果」はあるが、定在波抑止・根絶対策にはならない!

グルービング材は魔法の壁材では無いので、「重低音域の定在波」までは面倒を見てくれない!

言い訳程度?のスラント処置ではなく、もう少し大胆にスラントさせ更にアンギュレーションも併用すべきであった!

長田音響設計さんはどうもこの辺を理解なさっておられない(というよりどうせ完全に根絶なんて出来ないと開き直っている)のでは無いか?

更には可聴帯域可聴帯域外であれば「定在波はむしろ役に立つ?」とでもお考えのようにも見受けられる?

更には、文科省とつるんで?全国に「欧風シューボックスコンサートホール」の普及を目指してきた張本人であるのに、海外では「シューボックスではだめだ、オーディエンスが素晴らしい(視覚効果で)音楽を鑑賞するには、ワインヤード型が最良の選択である...」とばかりに、世界各地に「ブドウ畑」の開墾?を推奨し猛烈な営業活動を行っているようである。(※関連記事はこちら)

貴方がたのお陰で日本全国津々浦々?まで行き渡った欧風「靴箱」はどうなるの?

音響の悪いホールデザイン?の責任は、我儘な無理難題を押し付けた「クライアント(自治体)」の責任とでもおっしゃるの?...

想定定在波と定在波対策評価について


以下の通り平面方向の1波長定在波については「壁面間隔20m超」のセオリーで可聴帯域外の低周波振動として躱し、1.5波長以上の高次定在波も壁面スラント?とグルービングパネルで緩和し、実障害は無しとし、平土間部の高さ方向定在波については、天井形状(矢絣波状凹凸処理)で初期反響が抑制され1.5波長以上の高さ方向定在波は生じにくいとは思われるが、聴取位置(耳の位置)が地上約1m当たり、1波長定在波の節・腹は回避している?が,8.5次高調波定在波174Hzの節目に当たり更にこの天井形状だと1波長定在波は確実に生じているのでエリア点は1点減点して、基礎点は50点で据え置き、障害席は"0"査定とした。

大坂にある、いずみホールもそうだが、シューボックス型の欧風コンサートホールの多くは、Z軸(上下軸)定在波対策が"いい加減"なホールを多く見かける!のは誠に残念ではある。

間口方向定在波
1Fメインフロア最大幅
  • メインフロアー側壁間約19.8m;約17.6Hz/1λ、約26.4Hz/1.5λ、約35.2Hz/2λ、
2Fバルコニー・テラス部最大幅
  • バルコニー部約23.9→23.6m;約14.8Hz/1λ、約22.1Hz/1.5λ、約29.5Hz/2λ、
  • サイドテラス部約24.5m;約14.2Hz/1λ、約21.3Hz/1.5λ、約28.5Hz/2λ
最大奥行き
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約36.6m;約9.5Hz/1λ、(※僅かに内傾させてあるので高次定在は生じない?)

2F(プロセニアム前縁→2階大向こう壁面)
  • 最大奥行き約46.6m;(※対抗するプロセニアム上縁が傾斜してコーナー反響板になっているので定在波は生じない。
ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ
  • 客席平土間部約17.1m;約20.4Hz/1λ、174Hz/8.5λ

赤字は可聴音域内重低音。

このホールの定在波(※5)に対する対策(※6)は「壁面間隔20m超」のセオリー(※7)のみ?

ホール音響評価点:得点88点/100点満点中

※1200席のセミオープンステージコンサートホールとしての評価。

§1 定在波」対策評価;得点49点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点20点/配点25点
  • ※木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • ※障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点14点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5点
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら

定在波評価

※実障害発生席数が収容人員の1/3 以下なので基礎点50点とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数1=49点

定在波障害席数;

定在波「節」部席;0?席

定在波「腹」部席;0?席

定在波障害席総計;0?席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が木質グルービングパネルなので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数3=22点

初期反射障害1 壁面障害席 ;85席(39席/2階11列全席、44席/2階両側壁際座席R・LB2列全席、2席/2階両側壁際座席R・LB1列24番)

初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;85席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;60/1階平土間中央部座席2~6列11番~22番

音響不良席その1 定在波障害席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;85席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;0?席

重複カウント ;0席

音響障害席総計;145

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大ホールの施設データ

ホール様式 

『シューボックスタイプ』プロセニアム型式多目的ホール。

  • 最大幅約24.5mx最大前後長53.1m(奥行き約46.6m/ホリゾント反響板→2階大向こう壁面)
  • 最後部天井高さ約17.1m(平土間→天井)
客席
  • 2スロープ2フロアー(1バルコニー)
  • 2階テラス席(桟敷席)、最大間口(2Fテラス部);約24.5mx最大奥行き約34m/ステージ前端→2F大向こう壁面
  • 定員:1200(固定席1,033席)
  • 1階席:658(可動床床下収納システム・オーケストラピット146席、車椅子スペース:14介助者席:7含む)
  • 2階席:521席(サイドテラス席:92席含む)

舞台(常設脇花道付き)
  • 可動プロセニアムアーチ:間口:18m 奥行:14m 高さ:8.8~(11.7m)~15m、有効面積;252m² ブドウ棚(すのこ)、
  • 可動プロセニアム、可動反響版、オーケストラピット(可動床)、残響可変装置
舞台設備
プロセニアム形式(常設脇花道付き)
  • (ステージ最大幅約36.6m)有効幅約25.4mx(最大奥行き約18.8m)有効奥行き約13m/緞帳→ホリ幕、有効面積;約357㎡(約215.5畳)、
  • プロセニアムアーチ:間口約18m、高さ約8.8~(11.7m)~15m、本舞台実用幅約25.5m、本舞台実用面積;約252㎡(約152畳)ステージ高さ;FL+約88cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約?m、
  • 吊りもの類 照明ブリッジ・バトン;サスペンションライトX4本、プロセニアムライトx1、その他x?、美術バトン;9本(幕装備除く)、バトン類高さStL+約?m、
反響板設置時;
  • プロセニアムアーチ:間口約18.18m、高さ約15m、有効奥行き約12.4m/ひな壇後縁→舞台前縁、実効面積;約185㎡(約111.5畳)ステージ高さ;FL+約88cm、
  • オーケストラピット&エプロンステージ迫り;可動床・可動客席(客席ユニット・ワゴン床下収納システム);最大幅約20.3m最大奥行約4.8m有効面積約90㎡;約54畳、演奏面レベル設定;StL ー約2.4m~-1.2m~+0m、
  • 拡張舞台(エプロンステージ)使用時最大幅約23.9m(脇花道含む)x最大奥行き約17.4m有効面積約308.7㎡(約186.4畳)
各種・図面・備品リスト&料金表
専用設備 
  • 楽屋x6、楽屋控え室他

大ホールがお得意のジャンル

クラシックコンサート以外にもポップス関係のコンサートやエンタテイナーのワンマンショウが、落語会などの演芸などジャンルを選ばないイベントが年間を通じて数多く開催されている。

又数多くのアマチュア団体も利用している。

大ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

『小ホール』の音響

(公式施設ガイドはこちら)

二階吹き抜け相当の天井とロールバックシステムと可動床内収納の座席を設備したホール。

大ホール同様グルービング加工された木壁で覆われており、ロールバック席96席と余り欲張ったスロープでは無いので、大向こうでも音響的には「心地良い韻」が確保されている。勿論前半の可動床部分の100席も余裕を持って配置されており、ホール周囲には広い通路を持った余裕のある収容人員が、よい結果(豊かな響き)を生んでいる。

所見&総評

ステージ前部の五列の両サイド側壁までびっしり住まった座席はスラント処理のない壁ではきついのでは?

ホール音響評価点:76点

§1,「定在波対」策評価点:20点/40点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:19点/20点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:20点/20点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

§4,客席配置への評価点:17点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ  はこちら。

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 平土間『シューボックスタイプ』多目的ホール。
  2. 客席   1フロアー 収容人員 200名、(ロールバックシステム96席&床下収納100席)車椅子スペース:4
  3. 舞台設備 オープンステージ:間口:11.7m 奥行:6.2m 高さ:6m、
  4. その他の設備 、楽屋x2、楽屋控え室、主催者室その他。
各種・図面・備品リスト&料金表

小ホールがお得意のジャンル

クラシックコンサート以外にも伝統芸能、ライブコンサート、など、幅白く利用されている。

小ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

その他の付属施設

リハーサル室

(公式施設ガイドはこちら)

73㎡で広くはないが、小ホール同様の設えの立派なリハーサル室を備える。

デジタヌの豆知識

めぐろパーシモンホールこれまでの歩み

1932年、に1929年設立の旧制高校・旧制府立高等学校がお引っ越ししてきた。

1991年 附属高校は残したまま都立大学が東京都八王子市南大沢1-1-1に移転した。

2002年9月20日東京都立大学の跡地に、めぐろ区民キャンパスとして、同じ建物の中に目黒区立八雲中央図書館、目黒区立八雲体育館などの施設がある総合文化施設としてオープンした。

めぐろパーシモンホールへのアクセス

東急東横線【都立大学駅】より徒歩7分
■渋谷方面より【所要時間:約10分】 | 東急東横線:渋谷駅(各停)→都立大学駅
■横浜方面より【所要時間:約20分】 | 東急東横線:横浜駅(特急)→自由が丘駅(各停)→都立大学駅

一般家庭のリスニング環境での定在波障害確認法とその対策について

一般家庭でのリスニング環境では広くて12畳のリビング通常は6畳間程度の応接室兼AVルームが多い?

6畳間(江戸間)の場合幅は約2.6m奥行き約3.5m、高さ約2.4m程度の部屋が多い其々周波数換算すると

約130Hz、約97Hz、約141Hz となり、ど真ん中ではこれらの音は消滅する!

食卓椅子に腰かけた状態の耳(頭部)が高さ方向の約1/2程度、この状態で部屋の中央部に陣取り、ミニコンポで最近の低音バリバリのJポップを鳴らすと...。

あーら不思議!、迫力の低音のはずが、拍子抜け!

そのまま前後左右に位置をずらすと今度は飛び上がるほどの低音が!

さらに頭を壁に近ずけると、又低音がヒョロヒョロに!

その場で立ち上がったり、床に座りこんだりすると

更に、その位置で立ち上がったり、床に座りこんだりすると、またまた低音が変化!

これら全ては、『お部屋で発生している定在波の悪影響(※8)』です!

お宅では

そうですミニコンポのスピーカー径は12㎝程度で、低域の周波数特性は-100Hz程度(6dB;半減値)で

密閉型のハイレゾヘッドフォンはおろかインナータイプのイヤホンなどにも及びませんが、最近のデジタル録音では20Hz以下の数Hz程度までしっかり(タップリ)録音されており、特に迫力満点のベース音は50Hz前後の重低音が主要域、しかも前途の100Hz前後が定在波障害により欠けてしまうと、全くの拍子抜けになってしまうわけです。

そこでトーンコントロールでBASSを持ち上げたら、今度は隣接の部屋から苦情が...!

そうです、隣接の部屋で、動き回っている人たちは、「定在波の腹」の部分に差し掛かるたびに、飛び上がるほどの「騒音」が!

これと同じことがあの有名コンサートホールでも起こっているのです!

一般家庭での定在波対策

一般家庭は前途の通り「ミニシューボックス」デザインのお部屋が多く、一般的定在波対策(※11)としては、部屋の長辺側の壁面の左右1/4程度の位置に左右のスピーカーを多少どちらかに片寄せて置き、部屋の中心(定在波の節)を避けた位置で聴取し、後は、トーンコントロールで誤魔化す?のが最良作とされています。

しかしこの消極的手法では「ハイレゾ」はおろか「ハイファイ」すら達成できません!

そこで小生はリスニングポイントの3方(背後・側壁・天井)に反響板?を備え付け、リスニング位置で定在波が発生しないように対処したうえで、YAMAHAのサブウーファーで低音を補強してパンチ(重低音)のきいた音楽を楽しんでいます。

簡単な定在波対策反響板の作り方

ラティスに、3mm厚ていどのべニアを裏打ちし、片側の壁面に立て掛ける程度で、十分とはいえませんが定在波をある程度緩和する効果はあります(※12)。

べニアの共振が気になる人は、裏面全体に10mm厚程度の発砲スチロール材を張り付けると良いでしょう。

いずれもホームセンターで簡単に入手できます。

設置の仕方

リスニングチェアー背後の壁面は立て掛けるだけで効果があり、側壁部はコーナーを面取りする形で同じく立て掛け、天井には背後壁の鴨井(装飾梁)に引っ掛けて(洋室の場合はアングルに引っ掛けて)、上部前縁は天井からプラチェーンなどで吊るすと良いでしょう。

要はリスニングポイント(頭の位置)で壁面の平行部分をキャンセルし「定在波を抑止」すればよいわけで、これで6畳間の幅方向の壁面にスピーカーを設置し部屋を縦方向に利用する「ミニシューボックス」リスニングルームが実現できます。

小音量でサントリーホールの再現が

この手法で6畳間程度の小さな部屋(書斎・リビングetc.)でも大音量に頼らなくても小出力の真空管アンプと小型ブックシェルフSP+サブウーファーの組み合わせで、良質のハイレゾリスニング環境が構築できます。

耳をすっぽり覆うハイレゾヘッドフォンを使用しなくても、目を閉じれば「まるで良質のプレミアムホールの特等席」に座って聞いているようなリアル?な臨場感!で、貴方の為だけのリサイタルを堪能できます。

関連記事我が庵のエントランスホールはこちら。

※参照覧

※1、現代の3大迷発明!「珍妙からくり(残響調整装置、可変段床設備、可変吊り天井)」に関する記事はこちら。

※2 手法1 1/4波長程度の「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル の効果 はこちら。。

※3、音響拡散体については「第2章第1節 音響拡散処理と音響拡散体となる要素」をご参照ください。

※4、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

※5、定在波に関する解説記事 『定在波』とはこちら

※6 第3章 ホールデザインの基本"定在波の根絶・阻止・駆逐" 法

※7、関連記事 副則1 「壁面間隔20m超」のセオリーはこちら

※8、定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』はこちら。

※9 第4章第1節「高さ方向定在波の音響障害」回避策 はこちら。

※10、関連記事『都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?』はこちら。

※11、一般家庭でも応用できる!定在波の悪影響に関するnatuch音響さんの解説記事はこちら

※12 第4章第4節 1.8m幅の壁面のアンギュレーションで初期反響を緩和す手法

 

公開:2017年9月10日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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