狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

ルネこだいら/小平市民文化会館  《ホール音響Navi》 

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ルネこだいらのあらまし

西武新宿線小平駅南口をでてまっすぐ南歩いてすぐの至便な場所にある。

静かな住宅地の間中にある、全面ガラス張りの「おしゃれな外観」を持つ施設。

周辺自治体の同規模の中型ホールにあって、交通至便な割に「格安?」の使用料でアマチュア団体にも人気の高いホールの1つ。

ルネこだいらのロケーション

ところ 東京都小平市美園町1丁目8

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

ルネこだいらの施設データ

Official Website http://www.runekodaira.jp/

  1. 所属施設/所有者 小平市民文化会館/小平市。
  2. 指定管理者/運営団体 。財団法人小平市文化振興財団が/小平市。
  3. 開館    1993年
  4. 設計  
  5. ゼネコン 
  6. 内装(音響マジック) 

付属施設・その他

  • 付属施設 、練習室x3、展示室、会議室x、和室、ブッフェラウンジ
  • 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら。

(詳しくはこちら公式ページ)

建築音響工学から眺めた『大ホール』

公式施設ガイドはこちら)

1,229人を感動に包むクラシックコンサートを主目的とした本格的ホール、オーケストラピット、音響反射板、残響可変装置を備えた...
大ホールの構造は、クラシック演奏の音響特性を最大限に引き出す素晴らしい設計が施されています。<公式サイトより引用>

と言う事らしいが...。

2スロープ2フロアーのプロセニアム形式多目的ホール

最前列A列からE列までの5列が平土間(オケピ&エプロンステージ迫り)でF列から途中通路を挟んで最後列T列までがハノ字段床の丁寧な設えのメインフロアーと13段のストレート段床座席を備えたオマケの2階バルコニー席?で構成されている。

客席下層部両側壁

装飾ではない「本物の柱」と客席ホール内壁(塗装仕上げの打ち放しコンクリート)剥き出しという言うもの凄いホール。

いわゆる「エコールーム擬き仕様(※1)」の巨大カラオケルーム?

但し1階客席両側壁のみ、どういう風の吹き回しか?、プラスターボード?製のプレーンな反響板を下層部にスラント設置している。

但し、ホール内壁が21mに狭まれており、おまけに壁際までシッカリ客席を詰め込んである。

大向壁面

1階フロアー客席背面は大きな開口部を持つ石材ブロックで表装した「吸音装置」、

2階バルコニーの背面壁は音響ネットで表装した「吸音壁」

ステージ周り

流行の重量級自走式マトリョーシカタイプ?ステージ反響板を備えている。

更にプロセニアム下部に吊り下げタイプの天井反響板をすっらんと設置出来、平土間・エプロンステージ部分の上下高さ方向の定在波を抑止している

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

側壁平行部分(間口方向)
メインフロアースロープ前半最後列で入り口扉間平行部分(G列)
  • 側壁間約22.5m;約15.5Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」(※2)適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側扉の表装(吸音扉)で高次定在波抑制?。
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
メインフロアースロープ後半側壁平行部分(H~T列)
  • 側壁間約21m;約16.6Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁の内傾スラント設置で高次定在波抑止。
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
2Fバルコニー・テラス平行部分
2Fバルコニー部前半側壁平行部分(2A~2F列)
  • 側壁間約22m;約15.8Hz/1λ、約23.7Hz/1.5λ、約31.7Hz/2λ、約39.6Hz/2.5λ、約45.7Hz/3λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
2Fバルコニー部後半側壁平行部分(2G~2M列)
  • 側壁間約20.7m;約16.8Hz/1λ、約25.3Hz/1.5λ、約33.7Hz/2λ、約42.1Hz/2.5λ、約50.5Hz/3λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。

奥行き方向想定定在波
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約28.4m;
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(格子・吸音構造)で抑制。
2F(2階大向こう壁面→プロセニアム前縁)
  • 最大奥行き約25.9m;
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波は、大向こう背後壁面処理(波状吸音壁)で抑制。
平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部約?m;
  • ※高次定在波はプロセニアム前縁下部反響板スロープスラント設置と波状天井のアンギュレーションで抑止・抑制

赤字は可聴音域内重低音。

という訳で、2階バルコニー席には、「壁面間隔20m」のセオリー以外は定在波対策(※3)はなされておらず、この壁面だと高次定在波も生じているだろうから、基礎点は25点、障害エリア減点は-1点とし可聴帯域内の1波長定在波は生じていないので、定在波による音響障害席(※4)は"不問"の0席査定とした。

所見&総評

天井が高いので救われているはいるが、「かなり癖の強い響き」のするホールと言うより「物流倉庫」の音響?

流石ラーメンの町荻窪に近いとあって「旨くないラーメン店同様の自賛ホール?」

このホールで座りたくない座席!
メインフロアースロープ後半

H列~T列 1&40番両側壁際席。

2階バルコニー後半

2J・K・L列 1&40番両側壁際席。

2M列 全席!

ホール音響評価点:得点48点/100点満点中

※1229席(車椅子スペースX9台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点24点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点7点/配点25点
  • 客席周辺の側壁低層部(フロア面+1.8m以下)の表層に応じて基礎点を減じる。
  • 硬質側壁部などの低得点表装の箇所が認められれば、その部分の表装ランクを全体に当てはめる。
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点12点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

定在波「節」部席;0席?

定在波「腹」部席;0席?

定在波障害実被害席総計;0席?

初期反射対策評価

※側壁壁面材質に打ち放しコンクリートで表装された箇所が含まれていたので素材基礎点13点に減じた。

基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数5=8点

初期反射障害1 壁面障害席 ;54席(26席/1階H~T列1番&40番席、6席/2階2J~2L列1番&40番席、22席/2階2M列全席、)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複席(多重音響障害席);ー0席

音響障害席総計;54席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数6=14点

眺望不良席数;48席/1階平土間中央部座席B~E列15番~26番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;54席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複席(多重音響障害席);ー0席

音響障害席総計;102席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大ホールの施設データ

  1. ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   2フロアー 収容人員 1,229席(1階763席、2階466席)、車椅子席9席含む)、可動床、
  3. 舞台設備 プロセニアムアーチ:間口 18~14m、高さ 9~7m、奥行き 16m、ブドウ棚(すのこ)、可動プロセニアム、可動反響版りの装置、仮設花道
  4. その他の設備 、楽屋x6、主催者室、リハーサルルーム、
  5. 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら
  6. 各種・図面・備品リスト&料金表
    • 座席表(客席配置図)はこちら
    • 楽屋、などのフロアー配置図 はこちら;
    • 施設別図面setはこちら;(舞台平面図、反響板設置舞台平面図、舞台断面図、反響板設置舞台断面図、ホール(客席)平面図、ホール(客席)断面図、半響板設置時ホール(客席)断面図)
    • 舞台レイアウト例はこちら。
    • 舞台設備・機材・備品;設備リストはこちら、使用料金表はこちら。
    • ==========施設使用料金=============
    • 施設使用料金表(&備品利用料金表含む) はこちら。
    • 施設専用・備品利用料金表 はこちら。
    • -----------------(内訳覧)------------------------------------------------
    • 舞台吊りもの設備(幕装備、美術バトン類、照明器具など)一覧はこちら
    • 幕類装備リストはこちら。
    • 舞台大道具・仮設資材(能舞台セット等)リストはこちら、使用料金表はこちら。
    • 舞台小物・備品(敷物・小道具類)リストはこちら、使用料金表はこちら。
    • 照明設備・機材;設備リストはこちら、使用料金表はこちら。
    • 音響設備・機材;設備リストはこちら、使用料金表はこちら。
    • 映像設備・機材;設備リストはこちら、使用料金表はこちら。
    • ピアノ等コンサート対応貸し出し備品;備品(楽器)リストはこちら、使用料金表はこちら。

ルネこだいら大ホールがお得意のジャンル

オーケストラコンサート、バレエ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショーまでジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

ルネこだいら大ホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

建築音響工学から眺めた『中ホール』

アダプタブルステージ(※5)&可動壁!を備えた3階吹き抜け相当の天井の高い長計のホール。

可動壁を利用したプロセニアムステージにも成る。

客席は平土間部分の前半と急峻な傾斜の後半部分に分かれている。

大ホールと違い客席&ステージの低層部はプレーンな木質壁である。

客席背後は立て棧を用いてグルービングと同じ効果を狙っている。

上層部は部分的に吸音壁としている。

高い天井を活かし(たつもり?)て、大型のセグメント天井反響板を設置してある。

上層部の要所に配置した半円中将の装飾柱と装飾パネルは効果的に働いているようではある?

これだけ凝った天井反響板を用いず、今風に照明ガラリ構造材や天井本体クロスメンバーを剥き出し(※6角)にした方が、高い天井が活かせたような気がするホールである。

中ホールの施設データ

  1. ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席  1フロアー 収容人員 通常使用時401席~舞台変換使用時最大555席
  3. 舞台設備 アダプタブルステージ(可変形式ステージ)、プロセニアムアーチ:間口 17.4~12m、高さ 7.5~5.5m、奥行 10m、ブドウ棚(すのこ)、、可動プロセニアム、可動反響版、オーケストラピット(可動床)、
  4. その他の設備 、楽屋x4、リハーサルルーム、
  5. 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら。
中ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

ルネこだいら中ホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

その他の付属施設

レセプションホール

(公式施設ガイドはこちら)

2階吹き抜けの天井の高い約141m2(約85畳)の平土間イベントルーム、

3.6mx8mの迫り上がり演壇を装備して定員150席のコンサート会場としても利用出来る。

サロンコンサート、小規模な発表会、パーティー等各種イベント会場として利用されている。

リハーサル室

約96㎡

デジタヌの豆知識

ルネこだいらへのアクセス

最寄りの駅

西武新宿線「小平駅」下車、南口徒歩3分
西武バス「小平駅南口」下車、徒歩3分

JR武蔵小金井駅~(日立国際電気経由)~小平駅南口→所要時間 約20分
JR武蔵小金井駅~(昭和病院・花小金井駅南口経由)~小平駅南口→所要時間 約40分
小平営業所~(JR武蔵野線・新小平駅経由)~小平駅南口
国分寺駅北入口~(学園東町経由)~小平駅南口
国分寺駅北入口~(松ヶ丘住宅経由)~小平駅南口

参照欄

※1、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

※2、関連記事 副則1 「壁面間隔20m超のセオリー」はこちら

※3 第3章 ホールデザインの基本"定在波の根絶・阻止・駆逐" 法

※4、定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』はこちら。

※5、その2、アダプタブルステージ についてはこちら。

※6、「剥き出し天井」の効果についての詳述は第7節ホール構造体剥き出し天井の音響効果 をご参照ください。

 

公開:2018年1月 4日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


府中の森芸術劇場 /府中市《ホール音響Navi》TOP八王子市芸術文化会館 いちょうホール 《ホール音響Navi》 


 

 

 



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