狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

明治座 /中央区日本橋《 芝居小屋 Navi 》

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明治座のあらまし

Official Website http://www.meijiza.co.jp/

上方興行師に良いようにされたくない...江戸っ子の意地で自主興行

明治座は戦前から戦後昭和の一時期までは、歌舞伎新派の殿堂として知られた。また、大正時代の一時期は野球部を保有していた。その後は時代劇公演や、時代劇俳優や演歌歌手など年配に好まれる芸能人座長となった歌謡ショー形態の公演(座長公演)が中心となった。2000年代に入るとテレビ局との提携による現代劇や観劇者の世代を引き下げたミュージカル形態の公演もおこなわれるようになった。

1931年、以来戦前は松竹が運営していたが、戦後は発起人の一人新田建設の新田新作が中心となり、(株)明治座を設立して自主運営・自主興行を続けている。

明治座グループとして俳優養成機関・明治座アカデミーの運営や、都内を中心に外食産業も手掛けている。

江東区東砂に自社工場をもつ明治座直営の弁当製造部門を運営しており、劇場で供されるほか、都内へのケータリングサービスも行っている。

明治座のロケーション

所在地 東京都中央区日本橋浜町2丁目31番1号

都営新宿線「浜町駅」にある浜町公園から通りを挟んで二筋目清洲橋通りに面した「浜町センタービル」の1階から6階部分を占める。

すぐ近くの浜町公園には「中央区立総合スポーツセンター」、更に南にはトルナーレ日本橋浜町ビル、リガーレ日本橋人形町、日本I.B.M.本社等の高層ビルも有り、東京水天宮、等がある、江戸っ子が住む昔続く下町の商業地区と成っている。

トリップアドバイザーの周辺口コミガイドはこちら。

明治座へのアクセス

都営地下鉄新宿線○浜町駅 すぐ
都営地下鉄浅草線○人形町駅 徒歩7分
東京地下鉄日比谷線○人形町駅 徒歩7分
東京地下鉄半蔵門線○水天宮前駅 徒歩10分
路線バス

中央区コミュニティバス(江戸バス)北循環「浜町駅(明治座前)」
都営バス秋26系統・錦11系統「浜町中の橋」

明治座が得意のジャンル

舞台演劇以外にも伝統芸能以外にも歌謡歌手の歌謡ショー、エンタテイナー・懐メロ歌手のワンマンショー、有名タレントの座長公演など、演芸・寄席、等大衆芸能に特化した興業を行っている。

明治座の公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

施設面から見たホールの特色

(詳しくはこちら公式ページ)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

4層吹き抜けの高い天井をもつ演劇ホール

浜町センタービル1~6階を占め、2階はロビー、劇場部分は3~6階の4層吹き抜けの天井の高い,平土間に近い緩やかなスロープを持つ1階客席と、2階バルコニー、奥行きの浅い3階バルコニーそれぞれの両翼から前方に伸びた急峻な勾配を持つテラス席と1階フロアー周囲に高床桟敷席を設けたモダン芝居小屋スタイルと成っている。

間口(幅に)比べて奥行きの浅いモダン芝居小屋スタイル

このホールでは、上下バルコニーの軒先位置を揃え、順に大向こう後方の壁面が前方にせり出すデザインでバルコニーの奥行きをずらし、各フロアー最後列大向こう部分の舞台との距離がほぼ同じになるように配慮されている。

更に、サイドテラス桟敷部分の軒先も合わせてあり、1階桟敷と3階テラスが2列、2階テラスが4列と奥行きを変化させ壁面間の距離を違えてある。

テキスタイルで表装した、新建材壁

壁面は「木立住宅や集合住宅で使用される石膏ボード」を主とするプレーンな壁面であるが、テキスタイル壁紙で表装されている。

凝った作りの天井

凝ったセグメント天井反響板は一般的なプラスターボードの成形品を用いているが、深い組格子風の成形が施されており、それぞれのセグメント間には隙間を空けてあり、前途した様に壁面位置をずらせたホール断面形状と相まって定在波(※1)や初期反響(※2)に十分な対策が取られており、生声を使う古典芸能から、PA使用の現代劇やミュージカルまで幅広く対応する「優れた音響特性」を兼ね備えている。

1階大向こう最後列大向こう部分に多少の難点も...

1階大向こう席2列ぐらいは天井(2階バルコニー床下)が迫っており、多少天井からの初期エコーも気がかりではある。

古典芸能、やミュージカル、レビューにも対応した舞台設備

常設脇花道、回り盆、大・小迫り、スッポン迫りを備えた仮設本花道などを備え、伝統芸能や、西洋渡りのミュージカル・レビューショーにも幅広く対応できる舞台設備を持つ。

総じて優れた「モダン芝居小屋」の1つではある。

詳細データ

(詳細はこちら明治座舞台(株)公式サイトへ)

  1. 所属施設/所有者 株式会社明治座
  2. 指定管理者/運営団体 株式会社明治座
  3. 開館   1993年
  4. ホール様式 モダン芝居小屋スタイルプロセニアム型式多目的ホール。
  5. 客席    3フロアー2バルコニー 1,368席1階席 834席(914席)2階席〔 390席、3階席 144席収容人員 仮設本花道、
  6. 舞台設備  プロセニアムアーチ:間口:20m ブドウ棚(すのこ)、脇花道、小迫り、すっぽん(迫り)回り盆、オーケストラピット(可動床)
  7. その他の設備 
  8. 付属施設  楽屋x、エントランスロビー、

デジタヌの知っておきたい豆知識

明治座これまでの歩み

1873年  久松町に「喜昇座」として誕生。
1879年  大改築を行い、「久松座」と改称。
1880年  火災で焼失。
1885年 「 千歳座」と改称して新築開業。
1890年 火災で焼失。再建。
1893年  初代市川左團次が千歳座を買収して座元となり、「明治座」と改称。
1923年  関東大震災で焼失。
1928年  再建。

1931年、歌舞伎座(株)、明治座が出資し 新富座・松竹キネマ株式会社が松竹(まつたけ)興行(株)となる。以後戦後の再建時まで松竹が独占的に興行を打っていた。

1945年 東京大空襲で焼失。
1950年  株式会社明治座設立。以後自主興行を続けている。
1957年 漏電を原因とする火災が発生、再び焼失。

三田政吉が明治座代表取締役専務となり、同年に漏電のため焼失した明治座の再建に尽力する[2]。。2002年から、政吉の長男である三田芳裕が社長を務めている。再び焼失。
1958年 再建。
1990年 老朽化で興行休止。
1993年  浜町センタービル内に創建から7代目となる新明治座が開場。初代社長三田政吉は明治座代表取締役会長に

2002年 政吉の長男である三田芳裕が社長就任。

※参照覧

※1-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※1-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※ 関連記事『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。

※2、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※ 関連記事『都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?』はこちら

 

公開:2017年9月27日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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