トークネットホール仙台 《 ホール 音響 ナビ 》仙台市民会館
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Official Website http://www.tohoku-kyoritz.co.jp/shimin/index1.html
トークネットホール仙台のあらまし
2つのホールと会議室や展示室などの施設を備えた複合文化施設。
東京エレクトロンホール宮城等と並び、仙台市を代表するコンサートホールの1つとなっている。
仙台市民会館のこれまでの歩み
1909年(明治42年) 桜ヶ岡公園(現西公園)にあった料亭「挹翠館」(ゆうすいかん)を市が買収し、「仙台市公会堂」とする。
1916年(大正5年)5月に仙台市公会堂は擬洋風建築に建て替えられる。
1973年11月現市民会館開館。
トークネットホール仙台のロケーション
ところ 仙台市青葉区桜ヶ岡公園 4-1
西を広瀬川、南を西公園、東を西公園通に囲まれており、入口前の広場は定禅寺通の西端に位置する。
仙台市を代表する景観に隣接し西窓からは青葉山や広瀬川も眺められる。
トークネットホール仙台へのアクセス
鉄道・バスなどの公共交通
地下鉄南北線 「勾当台公園」駅下車 「公園2」出口から、徒歩約10分
地下鉄東西線 「大町西公園」駅下車 「西1」出口から、徒歩約10
仙台市営バス 「定禅寺通市役所前経由 交通局東北大学病院前」行き
「市民会館前」 下車すぐ (JR仙台駅前 60番乗り場より、約15分)
※バス停は仙台市民会館の目の前にあります
マイカー利用の場合
(※駐車設備 一般来場者用駐車場が少ないので公共交通機関利用がおすすめ)
東北自動車道「仙台宮城IC」より 約10分
トークネットホール仙台がお得意のジャンル
大ホール
劇団四季の地方公演の舞台となっている。
ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、落語・演芸寄席、などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。
またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。
小ホール
主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、
落語・演芸寄席、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物など大衆芸能に特化した興業を行っている。
トークネットホール仙台のイベント・チケット情報
施設面から見たホールの特色
※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。
都市基盤整備公団が整備した17階建ての仙台桜ヶ岡団地の地下1階から地上2階部分(会議室や展示室などが入る)と、それに連結する5階建て相当の建物(ホールが入る)、および、駐車場棟からなる。
この施設は地下階も存在するが、同館の西側は広瀬川の六兵衛淵に面する段丘崖上にあり、地下階でも西側の窓から採光が可能となっている。
大ホール
プロセニアム形式変形8角形多目的ホール
仙台は倉敷(※関連記事はこちら)と並んで「多角堂」がお好きな土地柄のようで、当ホールも変形8角形のフロアーデザインを採用している。
8角形の巣窟?日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)、6角形の東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)変則円形の仙台サンプラザホール等々...
変則的な壁面構成
変形8角形のホール平面形状で中央部客席周辺壁面はプレーンな垂直壁で上層部をわずかに内傾スラントさせている。
客席部分低層部は「完全並行壁面」になっており、おまけに「打ち放しコンクリート壁面」となっている。
為にこのエリアは「定在波」(※1)の巣窟となっている。
その他の残り4面の側壁は木質パネルで表装された石膏ボードの壁面構成。
2スロープ2フロアーの客席
全フロア―「ハノ字」配列座席構成で、メインフロアーは平土間に近いなだらかな傾斜の前半部と、「ハノ字」段床上の後半部スロープ。2階バルコニー席は両翼から前方に伸びたサイドテラスを持つデザインになっている。
バルコニーの設え
2階バルコニー・テラス前縁は塗装で表装された打ち放しコンクリート。
下面(2階バルコニー天井)は天井反響板と同じくプラスターボード製(※2)となっている。
プロセニアム
プロセニアム上縁前面には壁面内装材と同質の木質パネルで表層されたコーナー反響板が設えてある。
大向う
メインフロアー後部大向う背後壁面は音響ネットで表装された吸音(防音)壁。2階後方壁面も同様の設え。
2階バルコニー席上部はホールに突出した照明室になっており、天井が迫っており、メインフロアーも同様に天井(バルコニー下面)が迫っている。
客席周囲に巡らされた通路
両フロアー共にプレーンな側壁だが、壁際には通路が配されて初期反響(※3)軽減対策としてある。
ホール音響評価点:得点83点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点47/配点50点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
- ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは、 基礎点25点に減ずる。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点20/配点25点
- ※木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
- ※障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点14/配点20点
- ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点2点/配点上限5点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
- ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。
総評
変形8角形と「ハノ字」配列座席(※4)で定在波障害(※5)を上手くかわしたはずだったが...。
1階9列は左右入り口間の通路上で「平面上」にありアウト!。
さらに2階後方2列は、左右に態々「並行部分」を作り出入口を設けたためにここもアウト!
おまけにこの部分は天井が低い「初期反射障害」迄併せ持った2重苦?
算出に用いた値;
※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。
定在波評価
※完全並行壁部分が収容人員の1/3以上 以下なので基礎点50点とした。
基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数2=48点
定在波障害顕著席数;
定在波「節」部;6席(2席/1階平土間中央部座席9列23・24番席、4席/2階中央部座席38・39列23・24番席)
定在波「腹」部席;6席(2席/1階両袖座席9列12番&35番、4席/2階両袖座席38~39列16番&31番)
重複カウント ;ー0席
定在波障害顕著席総計;12?席
初期反射対策評価
※壁面材質が木質表装材なので素材基礎点25点とした。
基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点
初期反射障害1 壁面障害席 ;0席
初期反射障害2 天井高さ不足席;126席(66席/1階23~24列全席、60席/2階38~39列全席、)
重複カウント ;ー0席
音響障害席総計;126席
客席配置評価
基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点
眺望不良席数;36席/1階平土間中央部座席1~3列18番~29番
音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;12?席
音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;0席
音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;126席
重複カウント ;ー4席
音響障害席総計;170席
算定式
評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数
小ホール
大ホールとほぼ同じ設えの1フロアーのプロセニアム形式多目的ホール。
天井高さ(最高部約6.5m)は低いが、座席配置はゆったりとしている。
常設でエプロンステージ(幅1.6m)とステージ背面反響板は設えてあり、側面反響板設備はないが客席とのつながりはよい。
ホール音響評価点:59点
§1,「定在波対」策評価点:19点/40点満点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
- ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。
§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:10点/20点満点
- ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
- ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。
§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:10点/20点満点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。
§4,客席配置への評価点:20点/20点満点
- ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
- ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。
トークネットホール仙台の施設データ
- 所属施設/所有者 仙台市民会館/仙台市。
- 指定管理者/運営団体 東北協立/仙台市。
- 開館 1973年11月
大ホール
ホール様式
プロセニアム型式多目的ホール。
客席仕様
客席 2スロープ2フロアー 1,310席 、Pタイル張り、
内訳
- 1階席1,012席、(車椅子用スペース、含む)
- 2階席X298席、
舞台仕様
舞台設備 ステージ奥行約14.4ⅿ(エプロンステージ1.6m含む)、プロセニアムアーチ:間口約20m、高さ約9m、実効面積;約288㎡(約174畳)ステージ高さ;FL+90cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+19m、バトン類
- 仮設(脇)花道、花道用所作台、大・小迫り、所作台、
- 松羽目、竹羽目、金・銀屏風、
- 仮設能舞台セット、
- 反響板、オーケストラ平台、ひな段用けこみ、スクリーン
各種・図面・備品リスト&料金表
- 座席表(客席配置図)はこちら
- ※改修改修予定の為2018年11月現在新設備仕様詳細非公開
大ホール付属専用施設
小ホール
- ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール
- 客席 1スロープ1フロアー
- 収容人員500席、Pタイル張り
- 舞台設備 ステージ奥行約8ⅿ、プロセニアムアーチ:間口約12m、高さ約4.5m、ステージ高さ;FL+60cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+6m、バトン類高
- 所作台、松羽目、金屏風、
- オーケストラ平台、ひな段用けこみ、 スクリーン
- 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面)
- ※改修改修予定の為2018年11月現在新設備仕様詳細非公開
- その他の備品 フルコンサートピアノBECHSTEIN / MODEL E、セミコンサートYAMAHA / C3
付属施設・その他
館内共用付属施設
- 主催者準備室、(共用)洋室楽屋X6、浴室X2
- 特別会議室、会議室x7、和室x2、
- 第1教養室(音楽用)第2教養室(美術用)、調理実習室、視聴覚室、展示室、
- 各室詳細はこちら
付属施設配置・見取り図
- 館内施設図面:リハーサル室、第一教養室(音楽用)、視聴覚室、展示室仕様展示室(シアター形式)
施設利用手引き
- 全館利用料金案内 利用料金表 はこちらへ
- 全館・設備・備品(ピアノ等の貸し出し楽器含む)利用料金案内 利用料金表 はこちらへ。
デジタヌの独り言
大ホールについて
1973年の誕生と少々お年を召していらっしゃるので、今後どのような道のりを経る(改修or建て替え?)かは不透明ではあるが、両ホールともに音響への配慮は余りされていない。
大ホールは折角の天井高さ最高部21.37mが生かされていない、又中途半端な旧型反響板もいただけない。
広大なバックステージ空間(w36mxd14.4m(約518㎡)xh23m)を持っているので、旧式な簡易反響板と固定プロセニアム前縁のコーナー反響板で無理に連続性を持たすより、東京国際フォーラムのホールC(※ガイド記事はこちら)の例のように重量級のガラリタイプ(隙間の空いた)反響板で「音響チャンバーバランス法」(※6)を用いた方が「籠り音」が無いよい結果が得られるのではないか。
いずれにせよ、YAMAHA(※7)さんにご相談なさってみてはいかがであろうか?
次回改修で望まれる必須事項
大ホール
- 1階中央部前列3列の千鳥配列化!
- 2階大向う2列左右のハノ字壁面化!
以上2か所の改修は最低行っていただきたい。
2階大向う左右壁面(出入口部)については、消防法(条例?等)の都合で、撤去は難しいであろうが、新たに「ハノ字壁」に改修し「斜め配置扉」に改修すればよかろう。
小ホール
大ホール同様に、せっかくの「ハノ字」段床配列の座席が生かされていない、前方通路より前の平土間部分は致しかたないとして?
大向う部分の「車椅子スペース転換可能」席は撤去し、両コーナーを「ハノ字に面取り」しこの部分の並行部分を解消すべきである!
さらに大ホール同様に背テージ直前の中央部3列は「千鳥配列座席」に変更すべきである。
※参照覧
※1-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら
※1-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。
※2、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら。
※3、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。
※4、定在波対策については『ホールデザインのセオリー その1 定在波対策 』こちらをご覧ください
※5、関連記事『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。
※6、音響工学の基礎応用編ー「音響チャンバーバランス法とは?」はこちら
※7、関連記事『老ホール に朗報 預言者 YAMAHA 現る!』はこちら。
公開:2018年4月21日
更新:2019年3月28日
投稿者:デジタヌ
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