狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

太白区文化センター 《 ホール 音響 ナビ 》

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太白区文化センターのあらまし

Official Website  http://www.hm-sendai.jp/sisetu/taihaku/

市営地下鉄長町駅に直結した再開発ビル「たいはっくる」(公共施設・住宅施設・商業施設からなる複合施設)内にあります。地域文化の拠点施設として、移動式客席により4種類の舞台が造れる多目的ホール(楽楽楽(ららら)ホール)、展示ホール等を備えています。また、会議、サークル活動等に利用できる施設を備えた市民センター、情報センター、児童館、図書館が併設されています。<公式サイトより引用>

太白区文化センターのロケーション


ところ 仙台市太白区長町5-3-1

太白区文化センターへのアクセス

最寄りの駅 JR長町駅西口正面、南北線長町駅南2出口直結。

太白区文化センター の施設データ

  1. 所属施設 たいはっくる。
  2. 運営団体 株式会社 たいはっくる。
  3. 開館   1997年
  4. 付属施設(フロアガイドはこちら) 展示ホール(150席)、リハーサルルーム、スタジヲ、音楽練習室
  5. 施設利用料金表はこちら。
  6. 全館設備利用料金表
  7. 音響・映像設備備品利用料金表。
  8. 隣接施設太白区中央市民センター施設利用料金(大会議室、中会議室、小会議室、和室、調理実習室、創作室、音楽室、体育館)

楽楽楽ホール

複合施設たいはっくるの中にあるホール。

公式施設ガイドはこちら)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

楽楽楽ホールがお得意のジャンル

仙台クラシックフェスティバル

毎年秋に開かれる「仙台クラシックフェスティバル」(※紹介記事はこちら)の会場の1つ。

舞台演劇以外にも、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

楽楽楽(ららら)ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

建築音響工学から眺めた楽楽楽ホール

2層のバルコニー席を持つシューボックス型の多目的ホール

アダプタブルステージ(※1)、可動庄可動席を備えた仙台の「からくり小屋」

通常のエンドステージ型の場合は最前列A列~E列の5列が平土間部分でF列から緩やかなスロープ、そして中央通路を挟んでK列からが「ハノ字段床」になっているが...

プロセニアム(674席)、センターステージ(634席)、エプロンステージ(610席)、オープンステージ(442席)と4タイプの舞台設定が可能。

順ワインヤード形式としてセンターステージ形式は室内楽コンサートや演劇に

その他ファッションショー?や講演会などにも重宝がられている。

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

間口方向定在波
1Fメインフロア平行壁部分
  • メインフロアー側壁間約15.8m;約22.Hz/1λ、約33.1Hz/1.5λ、約44.1Hz/2λ、約55.2Hz/2.5λ、約66.2Hz/3λ、
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • サイドバルコニー壁面間20m;約17.4Hz/1λ、約26.1Hz/1.5λ、約34.9Hz/2λ、約43.6Hz/2.5λ、約52.3Hz/3λ、
中2Fバルコニー・テラス部平行壁部分
  • サイドテラス部約20m;約17.4Hz/1λ、約26.1Hz/1.5λ、約34.9Hz/2λ、約43.6Hz/2.5λ、約52.3Hz/3λ、
2Fバルコニー・テラス部平行壁部分
  • バルコニー部約20m;約17.4Hz/1λ、約26.1Hz/1.5λ、約34.9Hz/2λ、約43.6Hz/2.5λ、約52.3Hz/3λ、
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • サイドテラス部約20m;約17.4Hz/1λ、約26.1Hz/1.5λ、約34.9Hz/2λ、約43.6Hz/2.5λ、約52.3Hz/3λ、

最大奥行き方向
1F(ステージホリゾント反響板→中2F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約26m;約13.4Hz/1λ、

  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(アンギュレーション)で抑制。
2F(プロセニアム前縁→2階大向こう壁面)
  • 最大奥行き約23m;約15.1Hz/1λ、
  • ※大向こう壁面の凹凸とラウンドで高次定在波を抑制?
ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • ※高次定在波はプロセニアム前縁コーナー反響板・波状天井・スラント設置天井・のアンギュレーションで抑制

赤字は可聴音域内重低音。

ということで、気休め程度のハノ字段床では定在波対策(※2)とはならず「壁間間隔20m超のセオリー(※3)」のみによる定在波障害回避策であり基礎点は25点に減じた、又メインフロアー後半スロープ部の壁面距離が15.8mしかなくここでは可聴帯域(20~20KHz)内の定在波が生じているので、音響障害席はK列~R列の中央部16席とし、障害エリアも1か所-1点とした。

総評

アダプタブルステージ、可動庄可動席を備えた実験劇場としての性格が強いので、太鼓・鳴り物付きのオーケストラコンサートには不向きな音響となっている。

「仙クラ」では雰囲気だけを楽しんでいただきたい?

ホール音響評価点:得点45点/100点満点中

※678席(車椅子スペースX4台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点23点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点13点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点6点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

定在波「節」部席;16席/1階平土間中央部座席K~R列12・13番席、)

定在波「腹」部席;0?席

定在波障害実被害席総計;16?席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が表面凹凸処理を施した木質パネルなので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数8=17点

初期反射障害1 壁面障害席 ;142席(12席/1階T列全席、12席/1階T列全席、12席/1階RB・LB列全席、42席/中2階RD・LD列全席、22席/2階W列全席、42席/2階RF・LF列全席)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;142席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数10=10点

眺望不良席数;60席/1階平土間中央部座席B~E列7番~18番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;16?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;142席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;218席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

楽楽楽ホールの施設データ

(公式施設ガイドはこちら

ホール様式 『シューボックスタイプ』多目的ホール。
収容人員 674名(座席表はこちら
舞台設備 (舞台平面図はこちら)
その他の設備 可動プロセニアム、アダプタブルステージ、可動庄可動席

設備・備品利用料金表

付属施設

展示ホール 

面積201㎡(約121畳)定員150名(出演者込み)、フローリング床の平土間多目的ルーム、でスタッキングチェアー使用で定員150名の小ホールとしても使用できる。但しあくまでも展示場・レセプションホールなので、防音・防振は簡易的なので「太鼓・鳴り物・ラッパ」は禁止となっている!

リハーサル室

面積167㎡(約100畳)定員50名のフローリング床の施設で、簡易防音が施してあるが、展示ホール同様に「太鼓・鳴り物・ラッパ」は禁止となっている!

スタジオ

面積71㎡(約42畳)定員71名のフローリング床の施設で、防音防振施設で、エレキ等の大音量もOKの施設

別料金で「ミキサー室」も利用できる。

音楽練習室

面積44㎡(約26.5畳)定員15名と41㎡(約24.5畳)定員10名の2つの音楽練習室がある。

デジタヌの独り言

全国にある趣向を凝らした造りの、実験ホール?の1つ。

施設管理者、エンジニアが良く理解していないと、ただの使いにくい「サーカス小屋」扱いされないとも限らないホールの典型。(※4)

折角の「趣向」が公演に結びつくように、ホール営業担当は心がけるべきである。

参照覧

※1、その2、アダプタブルステージ についてはこちら。

※2, 第3章 ホールデザインの基本"定在波の根絶・阻止・駆逐" 法

※3、関連記事 副則1 「壁面間隔20m超」のセオリーはこちら

※4、現代の3大迷発明?残響可変装置、アダプタブルステージ、可変容積 可変高さ天井 はこちら。

 

公開:2017年9月11日
更新:2019年6月 1日

投稿者:デジタヌ


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