狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

岩手県民会館 《 ホール 音響 ナビ 》 東北屈指の規模を誇る多目的ホール

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秋田新幹線(田沢湖線)の発着駅として有名だが、観光秋田の玄関口として以外はあまり目立たない「盛岡市」にある東北屈指の規模を誇る多目的ホール

岩手県民会館のあらまし

Official Website http://www.iwate-kenmin.jp/

(公式施設ガイドはこちら。)

北上川の支流中津川の畔という立地条件(※2)に恵まれたホール。

鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)/地上5階、地下1階のゆとりある立派な建て屋に大・中2つのホールが入っている。

県内最大の収容人員1991席を誇る大ホールと、周り盆を備えた伝統芸能にも対応できる中ホールを備えた複合文化施設。

岩手県民会館のロケーション

ところ  盛岡市内丸13・1

盛岡駅の東方徒歩約30分/1.8kmの盛岡城跡の北端に市役所と並んで建っている。

辺りは「もりおか歴史文化館」、岩手県庁、盛岡市役所、岩手県警、岩手銀行本店営業部、岩手医科大学付属病院などがある盛岡市の中枢部である。

トリップアドバイザーの周辺口コミガイドはこちら。

岩手県民会館へのアクセス

鉄道・バスなどの公共交通

盛岡駅より「県庁・市役所前」バス停下車徒歩2分

マイカー利用の場合

(※駐車設備の収容台数 (43台) が少ないので公共交通機関利用がおすすめ)

東北自動車道盛岡ICより約20分

東北自動車道盛岡南ICより約30分

岩手県民会館

(公財)法人岩手県文化振興事業団が積極的に自主企画・興行を行っている。

岩手県民会館の施設データ

  1. 所属施設/所有者 岩手県民会館/岩手県。
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)法人岩手県文化振興事業団/岩手県。
  3. 開館   1973年
  4. 設計  株式会社佐藤武夫設計事務所[
  5. ゼネコン 鹿島建設他によるJV
  6. 総工費 22億9,400万円
  • その他の備品(共用)付属設備使用料金はこちら。 
    • 仮設資材;地がすり、仮設花道、花道用所作台、所作台、講演台、演台、司会者台、花台
    • 大・小道具:松羽目、竹羽目、金・銀屏風、白屏風、そで囲い、
    • 指揮台/指揮者用譜面台、ピアノ椅子、譜面台、その他
    • フルコンサートピアノ(スタインウェイx2台、ヤマハ、カワイ)、和太鼓(口径不詳)
  • 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら公式ガイドへ。

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

大ホールの音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら。)

巨大な仕切り幕(音響カーテ)ン設備を備えており、2・3階バルコニーを塞いで1フロアー(1287席)の中規模ホールとしても利用できる、盛岡のセミからくり小屋?

なだらかなメインフロアーと、両翼からサイドテラスが張り出した2層のバルコニー席を持つ3層構造の変形6角形の多目的ホール。

近年の改装(改修)で脇花道が仮設タイプに改修されている。

客席周辺側壁はサイドプロセニアムも含めて建設当時流行った表面加工した塗装仕上げのコンクリートむき出し壁!と言う、いわゆる巨大エコールーム仕様(※10)。

各フロアー大向こうの壁面は音響グリッドで表装した吸音壁?

天井は丁寧に階段状に折り上げられた、プラスターボード製の大型一体型反響板。

タイル貼りの大型プロセニアム上縁と天井反響板の間には2段に折り曲げられた大型のコーナー反響板が設えられている。

※参10)エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

総評

財政が逼迫し資金が無くて「県庁」でさえ立て替えできず「小規模改修」で使い続けている岩手県にとっては、厳しいかもしれ無いが...。

サイドテラスの最上層部の天井が迫っている以外はデザイン的破綻は見当たらないので、次回の改修時にはで最新のグルービング材(※11)による壁面大改修で初期反響の低減につとめていただきたい。

参※11)当サイト関連記事 1/4波長程度の「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル の効果はこちら。

ホール音響評価点:64点(暫定)

§1、「初期反射」対策評価点:10点/25点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§2,「定在波対」策評価点:39点/50点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§3,客席配置への評価点:12点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

§4,「後期残響」への配慮評価点:3点/5点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ  はこちら。

大ホールの施設データ

  1. ホール様式 、プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席    3スロープ3フロアー 
    • 収容人員1991席、
    • 内訳;1階固定席X1287席、1階(オーケストラピット部可動床)可動席X122席、
    • 仮設脇花道部分28席(車椅子用スペースX9含む)
    • 2階席400席、
    • 3階席X304席、
    • Pタイル張り、通路部のみ絨毯敷き
  1. 舞台設備
    • 舞台設備 ステージ奥行約16 ⅿ、プロセニアムアーチ:間口約20m、(有効面積約320㎡;約193畳)高さ約10m、ブドウ棚(すのこ)、バトン類
    • 付属舞台 オーケストラピット
    • 舞台設備(装置&設備);オーケストラひな壇迫り
    • 仮設資材;、仮設花道(すっぽん迫り付き)、花道用所作台、所作台、講演台、演台、
    • 大・小道具:松羽目、竹羽目、金・銀屏風、白屏風、鳥屋囲・
    • 幕装備:緞帳、地絣、紗幕(白&黒)大黒幕、紅白幕、浅黄幕,
    • 定式幕(ホリゾント幕、中ホリゾント幕、暗転幕)、)映写スクリーン
    • コンサート対応設備;反響板、、指揮台/指揮者用譜面台、

  1. 付属施設 
    • 主催者控室、洋室楽屋X4、
  1. 施設利用(付帯施設利用料金等)案内 詳しくはこちら公式ガイドへ。

大ホールがお得意のジャンル

オーケストラコンサート、オペラ・バレエ公演ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、、落語・演芸寄席、などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

岩手県民会館で催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

中ホールの音響デザイン

公式施設ガイドはこちら。

大ホール同様天井の高い(4階吹き抜け)相当の1スロープの多目的ホール。

大ホールとほぼ同じ設えのホールでこちらは両サイド側壁を僅か外傾スラントさせて定在波対策を行っている。

大向こう席上部はホール内部にせり出した調整室となっている定番デザイン。

もちろん大向こう背後壁面は音響グリッドで表層された吸音壁になっている?

ステージ奥行きが浅いので、ダクト効果はあまりなく、以外と癖の無い音響になっている。

ホール音響評価点:64点(暫定)

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:12点/25点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§1,「定在波対」策評価点:36点/50点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§4,客席配置への評価点:13点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:3点/5点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

中ホールの施設データ

  1. ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   1スロープ1フロアー 
    • 収容人員602席、(車椅子用スペースX2席分含む)、
    • 仮設花道設置時-34席
    • Pタイル張り、通路部タイルカーペット敷き
  1. 舞台設備
    • 基本仕様;ステージ奥行約8ⅿ、プロセニアムアーチ:間口約11.5m、高さ約6m、実効面積;約92㎡(約55.5畳)ブドウ棚(すのこ)、バトン類
    • 舞台設備(装置&設備);回り盆(回り舞台;直径?m)、
    • 仮設資材;地がすり、仮設花道、
    • 幕装備:緞帳、地絣、紗幕(白&黒)、浅黄幕,
    • 大・小道具:仮設大臣囲い、松羽目、竹羽目、演壇
    • 定式幕(ホリゾント幕、中ホリゾント幕、暗転幕)、オペラカーテン)映写スクリーン
    • コンサート対応設備;反響板、オーケストラ平台、ひな段用けこみ、
  1. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台設備使用料金表
  1. 付属施設 
    • 主催者控室、洋室楽屋X3、
  1. その他の備品 フルコンサートピアノ(スタインウェイx2台、ヤマハ、カワイ)、チェンバロ(メーカー不詳)、和太鼓(口径不詳)

付属施設・その他 

  • 付属施設 
    • 浴室X4、シャワールームX2、更衣室X
    • リハーサル室、
    • 会議室x5、ミーティングルーム
    • 和室x2、茶室、
    • 特別室、講師控え室、展示室(主催者控え室)x2、


中ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、落語・演芸寄席、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

リハーサルの音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら。)

リハーサル室;床面積約119.8㎡(約72畳)天井高さ;2.4m フローリング床、バレエ・ダンスレッスンバーを装備した壁面ミラー(カーテン付き)を備えている。

アップライトピアノヤマハS6Aを装備している。

壁全面有孔音響ボードで表装された遮音(吸音)構造を持ち、アンギュレーションを持たせ壁面とで表層されている。

ルーム音響評価点:50点

§1,「定在波対策」評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

豆知識

岩手県民会館のこれまでの歩み

1970年(昭和45年)に盛岡市で開催された第25回国民体育大会(みちのく国体)の開催記念事業として着工された。

1973年(昭和48年)4月に開館。

近年耐震補強を主体とした小規模改修を実施した。

岩手県民会館のある盛岡市とこれ迄の歩み

盛岡市内中心部で雫石川、中津川が合流し花巻市、北上市、奥州市、一関市をへてお隣宮城県内を下り太平洋へと注ぐ北上川沿いの平地部の最北部北上盆地のほぼ中央部に位置している。

秋田へ通じる秋田新幹線の分岐点として名高い。

岩手県のほぼ1/4の人口を抱える県庁所在地で、政令指定都市にはほど遠いが中核市には指定されている。

推計人口、294,267人/2018年4月1日。

盛岡-東京 2時間11分/14,740円/新幹線/535.3km

西に向かえば大阪とほぼ同じ半径円内に入る時間・距離にある。

地方都市のご多分に漏れず、2000年の302,857人をピークに年々人口減少に頭を悩ませている、過疎都市。

 

公開:2018年6月 5日
更新:2020年11月26日

投稿者:デジタヌ


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