狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

高級車はブティックで買う時代《 甘辛時事放談2007 》

先日の新聞記事で、『個人車の購入形態に変化が現れた』とあった

今まではセールスマンを、自宅や職場に呼び寄せ契約等をする、いわゆる訪問販売が主流だったが...

所が最近は販売店に出向きその場で契約をする、いわゆる店頭販売の比率が増えたという。(つまりはアメリカでのセールス方式に戻った!)

※<本記事は08/19/2007に旧サイトで初稿公開したレビューのお引っ越し記事です>

この記事を見て"レクサス"を思い出した

ご注意;※印は当サイト内の紹介記事リンクです。
但し、その他のリンクは当事者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

小生は仕事柄各地に出向いている。

それで気づくのがレクサスの見事なまでのエレガント&セレブな"お店"

まるでプレミアムアウトレットにある、高級ブティック

まずは白と黒でさり気なく、エレガントな店構え。

これは全国何処に行っても同じ。

さらにどこが違うのかとじっくり観察して見ると。

お立ち台を無くしたスマートな店構え

従来の"何々トヨタ"につき物の店頭にある,紅白幕で飾られた"お立ち台"が無い!

つまり"今月の特選車"何々のあれ。

同じく店頭に特選中古車と書かれたあの物欲しげで下品なプラカード表示、これらが全くない!

これは全国どこにいっても同じ!

そして、あの脂まみれで汚らしい整備工場が表からは全く見えない構造になっている。

これらはレクサス店の共通コンセプトのようであって、全国津々浦々のどんな田舎町?に行っても、周囲の田園風景など気にすることもなく、かたくななまでに貫き通している!

鳴り物入りで国内逆上陸したレクサスも、当初は苦戦を強いられ販売台数の伸び悩みに苦しんだようだが...

冒頭で述べた高級車の購入形態の変化で、今や飛ぶ鳥を落とす勢い!

以 前は幅をきかせていた、ベンツ、BMB、と完全に肩を並べる勢い

地域によってはベンツ・BMBをけ落とし高級車のトップシェアを誇っているところも。

おかげでアウディ、ボルボ、ジャガーなど殆ど路上で見かけなくなってしまった。

一千万円もする高級車が飛ぶように売れるのだから、トヨタは笑いが止まらないだろう。

これもレクサス販売担当重役が社内の批判に耐え、ディーラーの突き上げにも屈せず、『きっとこのブランドイメージ作戦が功を奏する"ので今しばらくご辛抱を...』、と粘り強くディーラー経営者の説得に当たり、協力を求めたからだろう。

事実イメージの徹底ぶりは、陸送車にも及んでいる

格好いいフルカバードのボディーで陸送車には見えない。

あのよく見かける無粋な骨組み丸出し、中丸見えの"雲助トレーラー?"等では陸送していない!

『この車何処で買ったの?』

『...アソコのレクサスで』

『エー、アソコってブティックじゃなかったの?...うらやましいあのステキなお店で?』

てな会話が聞こえてきそうだ。

確かに接客なども徹底しており、VIP気分が味わえるのだろう。

近くのスーパーの売り場を彷彿とさせる"XX某トヨペット"ではせっかくのクラウン、セルシオスーパーで買う"トレーに入った特選和牛"にしか過ぎない。

外車ディラーの改装、新規出店も目につくように

レクサスの好調を受け、ここのところ外車ディラーの改装、新規出店も目につくようになった。

いずれも極力店頭の駐車スペース、特に中古車展示ゾーンを無くしている!

あったとしても、デパートの特売場風に所狭しと並べ、デカデカとプライスカードを窓に貼るやり方は控えているようだ。

さて、レクサスの成功を横目に、カルロスがフランスにゴーン?した途端に業績不振が戻ってしまった日産?

レクサスに対抗するはずのシーマもさっぱり、打つ手無しの体だが......

ここで恒例のデジタヌのお節介アドバイス

この際恥も外聞もなく、シーマを独立ブランドにし、まずは大都市から日産直系の新販売店を整備して行く、そしてあとはレクサス店と同じ手法で真っ向から闘う。

たださらに日産の独自性を出すなら、この際思い切ってイタリアか、フランスあたりのブランドを買収してシーマとは別ブランドを立ち上げてみては?...

そして、本物のブティックでブランド商品と一緒に販売してみてはいかがだろう?

店内ではこれまでの"車ディラーのイメージを一掃する。

下品なディスプレーにエアロパーツ安っぽいカタログ・ラックオーディオコンポのカタログなんて物は置かない。

上品なガラス棚に、さり気なく買収したブランドの商品をディスプレーする。

もちろんアノ対面型接客カウンターはた一掃する。

店頭には一切の、カタログ、エアスポイラー等の下品なアクセサリー類は展示しない

出来れば、接客はパーティションで区切られた接客ブースで、アプローチブック(ノートパソコン)を使ってエレガントに...

もちろん、今月の特選車やお買い得中古車など店前に展示しない

さて順風満帆の追い風に乗って快調にとばしているように見える、レクサスだが...

課題がないわけではない、下取りした中古車販売をどうするか?

これまでエレガントに店頭販売をモットーにしてきたのに、今更店頭に下取り車を並べるわけにも行かないし、さあどーするか?

蛇足その2

中古車販売に関しては、中古車販売店も展示法を工夫しだしてきた。

ガリバーの新規店など、そこらの老舗XX某トヨペットよりず~とスマート

レクサスの挙動が注目される。

 

公開:2007年8月19日
更新:2021年3月 9日

投稿者:デジタヌ

通信・放送業界を襲う規制緩和とボーダレスの嵐で業界の生きる道は...TOP駒川商店街 に見るレガシー・モールの現状の問題点と Solution とは...


 

 



▲経済研究室へ戻る

 

ページ先頭に戻る