タヌキがゆく

絶対に売れないネーミングライツ(施設命名権)2017

「誰がために槌音は響く」シリーズ2017

ネーミングライツ(施設命名権)がもてはやされている。

ある種、公共施設運営者の救世主にもなっている!

しかし、絶対に買い手が付かないであろ施設も幾つもある。

例えば、神宮球場、後楽園スタジアム、武道館、国立競技場、国会議事堂?。

これらの施設はあまりにも「高名」過ぎて、「日本を代表する様な企業」でも、手を出さないだろう。

しかし、施設の買い手は付くかもしれない!

ネーミングライツが売れるのは、ローカル施設に限られる。

逆説的に言うと、命名権が売れるような施設はローカルであるといえる,しかしそれなりの施設利用がなければならない。

地元以外ではネームバリューもなく、ホール利用者のステータスもくすぐれず、為に利用者が少ないからこそ、運営(経営)改善のために名を捨て実(カネ)を取るわけである。

何で今さら判りきったことを...。

と思われる方もいらっしゃるであろうが、

公共施設を運営している当事者・関係者のの方でここの所の理屈をよく理解しておられない方が多そうなので、

改めて記事にした訳である。

利用者が少なく、マスコミの話題にも登場しない様なローカル施設は、

なかなか命名権の買い手が付かないで窮地に立たされているのはこのためである。

自らの施設の名声に気づいていない所有者も...。

自らの施設の名声を知らずに「命名権売り込みに失敗」する場合もある。

富士スピードウェイは、

2000年よりトヨタ自動車の100%子会社であるが、「TOYOTAサーキット」とはしなかった。

今でこそ「JAF公認国内レース御用達」のローカルレース場であるが、F1を始め数多くのFIA公認の世界タイトル戦を開催してきた。

世界中に知れ渡ったあの「富士スピードウェイ」の名をわざわざ捨てる事は無いわけである。

それより、あの「富士スピードウェイ」をTOYOTAが所有していることの方がTOYOTAのモータースポーツに対する理解ある態度を世界中にPRできTOYOTAのステータスを上げる訳けで有る。

公共ホールについても同じ。

同じようなことは公共ホールについても言える、近年、大阪のある学校法人グループが「ザ・シンフォニーホール」を買収した。

そもそも当初は創設者であり当時の所有者であった朝日放送が、「命名権」売買契約の有力候補としてお得意先?の学校法人グループに命名権売買契約話を持ちかけた事に始まる。

同ホールを式典開催場所として頻繁に利用していたに学校法人グループは命名権契約には冷たい態度を取ったが、同ホールの運営難を見抜き?ホール譲渡には応ずる旨を朝日放送側に伝えた。

このあたりが朝日放送のマスコミへのニュースリリース内容の2転3転の裏側であろう。

同放送グループは茶屋町移転に際し、最後まで残った「ザ・シンフォニーホール」の廃館に伴う世間の風当たりを気にし、事業継続か処分(廃館・施設解体・用地売却)かで困っていた同社は、同学校法人の申し出を受けいれ「破格の処分値?」で同施設を手放した。

その後、学校法人側は新たに設立した運営会社にホール運営を任せ、任された運営会社は目立った運営改善策(ホール賃貸料金の見直しや自主企画公演の拡大など)は講じていない。

通常ならば赤字運営の果てに、会社解散・資産処分(ホール解体・敷地売却)となる筈だが、

どっこいその気配は全くない、むしろ自主興業を控え赤字幅を押さえ貸し館料金を高額に据え置き、借り手の門を狭くしている。

しかし実際の施設稼働率は悪くない、その訳は年間を通じて同学校法人グループの行う非公開催事が多いからである。

つまりは高額な契約金で命名権を買い、世界的に名の通った「ザ・シンフォニーホール」の名を汚し、更には高い賃料でイベント毎に賃借するよりは、「ザ・シンフォニーホール」の名と名声はそのままに自前の施設にして経費を気にせずに年間を通じて使いたいときに使いまくった方がお得だからである。

「xx学園ホール」よりは「ザ・シンフォニーホール」で行う催事の方が数段ありがたみがあるからである。

命名権を美味く利用した例。

此とは逆に広島の広島文化学園HBGホールは双方の利害が一致し、うまく行った例。

広島市文化交流会館は広島交響楽団のフランチャイズでも有り数多くの外来団体も使う、地元では有名なローカルホールである。

但し、彼の地もホール乱立で競合ホールが多く、「音が良い」だけでは同地有数の収容人員が災いし、平日の利用はそんなに多くは無い。

しかし広島切っての収容人員規模2001席は呼び屋(weblio辞書)プロモーター、プロダクションには受けが良く、海外招聘オーケストラの地方巡業?の場となり、マスコミの話題に取りあげられるチャンスも多い。

つまり「学校法人広島文化学園」の名は一躍全国区に躍り出たわけである。

公開:2017年9月11日
更新:2018年1月18日

投稿者:デジタヌ

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