タヌキがゆく

ホール計画は資金調達計画から!

「失敗しない・ホール計画の手引き」講座2017その1

第1回、公共ホールも個人宅も、先ずは資金の目処を立ててから

現在全国の痴呆自治体?で、

新耐震基準不適合と施設老巧化を「錦の御旗」に

数多くのホールリニューアル計画が水面下で検討されているようです。

計画が公表されている分や、既に計画実施・建設中の施設計画のどれを見ても、

「最初に(興業)規模ありき」

の検討案に終始している様に思えて成らないのは小生だけでは無いと思うのですが?

形ばかりのヒアリングやアセスメント

どの自治体のヒアリング調査でも、

プロモーター側は収容人員2000人超規模の大型多目的ホールを希望し、
利用者(市民団体)は数百人規模の小規模ホールを希望、

している様です。

しかし結局は行政当局者の再就職先(土建業界)への「ご祝儀・手土産?」目的なのか、巨額の債券(公共借金!)を発行してまで、分不相応な巨額投資を行っている自治体が多いのが現状の様です。

そしてこの傾向は大都市の周辺自治体に特に多く見られる様でもあります。

(ネ、明治時初期に立派な1つの県を任されていた元県庁所在地さん!)

身の丈に合った施設計画を!

現在新規計画中の行政担当者の方は今一度立ち止まって冷静に考えてみられては如何でしょうか?。

「資金の目処」どころか、「敷地の目処」も立っていないのに、いきなり「収容人員」から設定するのは「おかしい」とお思いになりませんか?

愛知県や横浜市のように、「大規模ホールに相当する収容人員」を狭い敷地に建てた中規模施設に無理やり収めた結果、「悲惨な施設」と化している例は全国至る所で見受けられます。

先ずは、用地(候補地)の目処と、無理の無い資金計画で、身の丈に有った施設計画を建てるべきでは無いでしょうか?

自治体当局の担当者の方も個人宅の新築ならそうするでしょう!

人の金(税金)なら、高級車を乗り回して豪邸(ホール)を建てても良いのですか?


プロモーターが主張する「捕らぬタヌキの皮算用」!

プロモーターの意見通りに作っても、毎日2000人を呼べるコンサートやミュージカルが興業できるわけではありません!

更に近隣の大都市には既に「有名な大ホール」は幾つもある場合がほとんどです。

集客以前の問題として「公演招聘競争も激しい」

あの「ザ・シンフォニーホール」(※照会記事はこちら)でさえ、これが理由で身売りをしました! 

更に、興業を打てたとして、ほとんどの聴衆は仕事先の都心から離れた周辺都市・駅にわざわざ立ち寄って迄、観劇やコンサートを聞きに行くとは思えません!

ホールの隣接地にある市役所で働いていらっしゃる、施設担当者の方は「仕事帰りにコンサート...」となるかもしれませんが、

多くの市民は隣接の大都市で働いており、オフィスから離れ、所要時間のかかる途中駅に途中下車してまで「おらが町の市民芸術文化ホール」に立ち寄るとは思えません!それに下手をすると、開演に間に合わず「途中入場」となってしまいかねません!

たとえ広大な市域の町外れの工業地帯にマイカー通勤していたとしても、岐阜県県民ふれあい会館のように数千台規模の駐車設備が無ければ立ち寄ることは不可能でしょう!

「市民芸術文化ホール」処か,最寄り駅周辺商業地域の駐車施設確保にも困窮している有様の自治体がほとんどです。(そうですよね,堺市さん。)

(※岐阜県県民ふれあい会館の紹介記事はこちら)

つまり収容人員2,000人超という数字は、

「全席完売したら、(プロモーターや指定管理者)が大もうけできる」数字であって、

入りが悪ければ、ツケは市当局すなわち市民の血税で補填する結果となるのは目に見えています。

有る大都市近隣の地方都市の例

 これまであった1965年開館の大ホール(収容人員1,395席)でチケット完売・満員御礼の興業が一体どれほどあったのか...?。

大型施設を決済した「太っ腹な市会議員」の皆さん方、

その大きなお腹(太っ腹)に手を当てて思いだしてみてはいかが......?

田んぼの中の良質なホール!を作った賢い自治体!

身の丈にあった「こぢんまりとした「良質」なホール」で全国的に有名になった賢い自治体の例もありますよ。

(※中新田バッハホールの紹介記事はこちら

最初に規模ありきで「金も無いのに」、小さな敷地、小さなホールに無理やり客席を詰め込んで失敗した例

例1、川口総合文化センターメインホール/1990年竣工(※紹介したくない記事はこちら

例2、愛知県芸術劇場・コンサートホール/1992年竣工(※紹介したくない記事はこちら

例3、横浜みなとみらいホール・大ホール/ 1998年竣工(※紹介したくない記事はこちら)

※各地で進行中の自治体ホールプロジェクト担当者の皆さん、この蘭に紹介されないように、「収容人員に拘り」に客席数に誤魔化されて「見かけ倒しの応募作品」を評価・選択しないようにこのシリーズで「真の鑑定眼」を養って下さい。

市民が誇りに思う素晴らしいホールは

「芸術に理解と見識が有り、ホール(設計)にも詳しい建築担当者」がいらっしゃる自治体の「公共ホール」は素晴らしく、

【いわきアリオス/いわき市(※照会記事はこちら)、サンポートホール高松(※照会記事はこちら)サラマンカホール/岐阜県(※照会記事はこちら)】

芸術・芸能に理解が無い「自治体長」の異見?、にど素人の管財人が振り回され、「見識のある技術者が在籍していない」ような自治体のホールは「見かけ倒しで出来が悪い施設」、と成っている場合が多いようです。

【リビエールホール/柏原市(※紹介したくない記事はこちら

<その2;ホールの良し悪しは「大向こう」と「壁際の席」の音で決まる!>に続く。

ご注意※印は当サイト内の紹介記事リンクです。

但し、その他のリンクは当事者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

理工系出身の自治体施設課・建築課の担当者に捧げるシリーズ「失敗しない・ホール計画の手引き」講座

公開:2017年9月22日
更新:2018年10月11日

投稿者:デジタヌ

このエントリーをはてなブックマークに追加

新耐震基準(1981)以前の公共ホールが狙われている! ー【レビュー記事】2017 TOPレトロブーム? 《芝居小屋2017》




▲エンターテインメント・コラムへ戻る

 

ページ先頭に戻る